音声配信のコメントで「ちょっと相談いい?赤ちゃん出来たんだよね」から始まった物語。
当時、結婚していない中で授かった命。両親への説得。子供を育てていく覚悟。後戻りができない状況の中で一人の女の子が母親になるまでを配信という媒体を通して見守ってきました。
目次
「ちょっと相談いい?」から始まった予想外の出来事
筆者は趣味として音声をメインにした配信活動をしており、そこで毎日リスナーと呼ばれる人たちとコメントを通してコミュニケーションをとっていました。日常での出来事や人間関係での相談、時には気付きや学びなどを共有しあう場です。
そこで一人の女の子のあるコメントが目に留まりました。
「ちょっと相談いい?赤ちゃん出来たんだよね」
当時、結婚していなかったこともあり、産む産まないの選択肢も含めて「どうしたらいいかわからない」という相談でした。親にどう話せばいいのかもわからないなかで顔も本名も知らない相手に真っ先に相談するというのは現代ならではだなと感じます。
そこで伝えたことはただ一つ
「両親に反対されようとも周りに何を言われようとも“自分の人生”なんだから心の赴くままに決めていいんだよ。どんな選択をしてもなんとかなるさ」
この子のために生きていく
両親も納得の上、2人は結婚。出産に向けて着々と準備を進めていくなか、最初はやはり不安ばかりだったそうです。自分が本当に母親としてやっていけるのか、生活はどうしていけばいいんだろうか。初めての経験というのは当然ですが、自分以外の命を預かって考えていくというのは想像を絶します。
しかし、そういう不安も全て配信上のコメントで伝えてくれたため、20人以上が常に自分なりの意見を伝えることが習慣にもなっていました。
時が過ぎ、自然と相談されることも少なくなったと感じた時に「最近は大丈夫?」と声をかけてみました。会ったこともない相手ですが、いつしか自分事のように捉え考えていたことに気付かされます。
「大丈夫だよ、この子のために生きていく覚悟は出来たから」
配信者を3~4年続けてきたなかでこれほど人の成長を感じさせる言葉はありませんでした。
「母親にしてくれてありがとう」
出産は帝王切開だったため、生まれる日はわかっていました。
月日が経ち、現在は生後100日となりました。
そこで母親となり子育てや家事に奮闘している彼女に対して、今後について少し伺ってみました。
「親としては元気に育って欲しいのと、家族みんなで毎日楽しく過ごしていきたいなとは思います。もし大きな壁が現れても家族で協力して乗り越えていきます」