「丹波赤どりを有名に!」100年以上続く養鶏農家・4代目の挑戦【兵庫県丹波篠山市】

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〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜

「丹波赤どり」は兵庫県の丹波地域で主に飼育される新しい品種の赤鶏。適度なやわらかさと歯ごたえのある肉質が特長で、手頃な価格で手に入るため、昨今、注目されている赤鶏です。「丹波赤どり」を飼育しているのは日本で2つの事業者のみで、その一つが兵庫県丹波篠山(たんばささやま)市の「とり屋 丹波赤どり専門店」です。

とり屋は100年以上続く養鶏農家で、現在は4代目の細見良典(ほそみ・よしのり)さんが代表を務めています。4代目として事業を継いだ良典さんは「丹波赤どりを有名にしたい!」という思いを持って「丹波赤どり」の飼育と販売を行っているといいます。事業や、丹波赤どりへの思いを良典さんに伺いました。

「家業をやめるのはもったいない」自動車整備士から養鶏農家の4代目に転身

とり屋は100年以上続く養鶏農家。良典さんも幼い頃から継ぐ決意を持っていたのかと伺うと「そもそもは家業を継ぐ気なんてありませんでした」と話します。 

もともとは京都や神戸で自動車整備士として働いていたという良典さん。転機が訪れたのは23歳の時だったそうです。

「実家に帰った時に食べた野菜や鶏肉がすごくおいしく感じたんです。そのタイミングで何気なく父親に今後、家業はどうするのか聞きました。その時に返ってきた答えが『自分の代でやめるよ』でした。こんなにおいしいものをつくっているのに、なんとなくもったいなく感じて、家業を継ぐ決心をしました」。

そして、4代目としてとり屋を継ぐことになった良典さんは、代々続く養鶏の技術を継承しながら、新たな取り組みをはじめます。それが、「丹波赤どり」の飼育と販売です。

「高品質かつ手頃な値段を実現するために」丹波赤どりの飼育日数へのこだわり

良典さんが「丹波赤どり」の飼育をはじめたのは、3年ほど前のこと。それ以前はブロイラーといわれる一般的な白色の鶏の飼育をしていましたが、「新しいチャレンジをしたい」という思いから、「丹波赤どり」の飼育をはじめます。 

「丹波赤どり」は肉そのものの味が濃く、肉質がやわらかい高品質な鶏です。しかし、その価格は地鶏などの銘柄鶏ほど高くなく、手頃な値段で提供しています。その理由は飼育日数にありました。 

「一般的にブロイラーは生産効率を重視するため約45日で出荷しますが、丹波赤どりは70日と長い期間をかけて飼育をします。地鶏の条件である75日以上よりも飼育日数が少ないのは、高品質かつ手頃な価格でお客さんに提供をするためです」と、良典さんは語ります。

ゆっくりと飼育をすることで高品質を保ち、地鶏の条件よりも5日ほど短い日数にすることでその分のコストや手間をカットし「高品質かつ手頃な値段」を実現できているのです。

「丹波赤どりを有名にすることで、丹波篠山の魅力を伝えたい」

良典さんに今後の展望を伺うと「丹波赤どりをもっと身近に感じてもらえるようにしたいです」と話します。丹波赤どりは3年ほど前から飼育が始まったため、まだまだ知名度は低いといいます。そのため、今後は羽数を増やせるような体制を整えることや地元マルシェへの出店を考えているそうです。 

「丹波篠山は昔ながらの人のつながりやおいしい食べ物が魅力だと思っています。しかし、その魅力はまだまだ知られていないと思っています。だからこそ、丹波赤どりを有名にすることで丹波篠山の魅力も伝えていきたいです」と、良典さんは丹波篠山への思いを熱く語ってくれました。

丹波赤どりが有名になり、多くの人がそのおいしさに感動することが楽しみになる取材でした。

國府谷純輝

國府谷純輝

栃木県栃木市

編集部編集記者

第4期ハツレポーター/栃木県茂木町出身。2021年6月より栃木市地域おこし協力隊として栃木市の寺尾地区をメインフィールドに活動している。情報サイト「テラオノサイト」の立ち上げ・運営やYoutubeにてローカルラジオ「ラジロー」を配信するなど情報や魅力発信を行っている。趣味はキャンプとサウナ。

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