〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜
1954年に、日本初の集約的電波鉄塔として完成した「名古屋テレビ塔」。
そのテレビ塔が、2000年に世界でも珍しいテレビ塔に宿泊できるホテル「THE TOWER HOTEL NAGOYA」として生まれ変わりました。
テレビ塔の老朽化に伴って免震工事を行いリニューアルする際、ホテル事業を提案し、プロデュースと運営を行なっているのが「株式会社アメーバホールディングス」です。
「テレビ塔のホテル事業は、名古屋のシンボルを人が集まる魅力的な施設にしたいという弊社代表の藤巻満(ふじまき・みつる)の思いが強かったんです」と、総支配人の中野毅(なかの・たけし)さんは、語ります。
名古屋市民に愛されているテレビ塔がホテルとなり、そのホテルでお客様を迎える思いを中野さんに伺いました。
目次
「東海の伝統、文化、アートを体感」全ての部屋が違う雰囲気
「THE TOWER HOTEL NAGOYA」は、「ローカライジング」をコンセプトに名古屋の地域で育まれた文化、伝統、アート、クラフトを世の中に発信するホテルです。
4階に13室のゲストルーム、5階にはプライベートテラスが設置された2室のスイートルームがあります。テラスからは名古屋の街並みが一望でき、スイートルームの高級感あふれるシックなインテリアは、落ち着いた大人の雰囲気を感じさせます。
全15室ある部屋は、それぞれが鷲尾友公(わしお・ともゆき)、さわひらき、白澤真生(しらさわ・まさお)などの東海地方とゆかりのあるアーティストの作品や地元の工芸をあしらったインテリアとなっており、全室の趣が異なります。お客様のなかには、「全室に泊まってコンプリートしたい」という声もあるとのことで、「これまでアートに触れる機会が少なかった人にも宿泊を通じてアートの素晴らしさに感動をしてもらえれば」と、中野さんは語ります。
また、各ゲストルームにテレビ塔の鉄骨が剥き出しになっているのも、強烈なインパクトを与えます。
「鉄骨が非常に素敵で、ある意味アート作品だと思います。まさしくテレビ塔の中に泊まっている、というのを実感できます」と、中野さんはその魅力を語ってくれました。
また、愛知発祥の寝具「エアウィーヴ」をはじめ、愛知一宮の「尾州テキスタイル」を使ったクッションカバーや、名古屋市緑区「有松絞り(ありまつしぼり)」を使った電球カバーなどを各部屋に用意して、東海地方の伝統工芸を肌で感じることができます。
「私どものホテルは、スモール・ラグジュアリー・ホテルズという団体に加盟しています。旅館のように女将がいてチェックイン後に部屋まで案内したり、アートやホテルの楽しみ方の説明を行なったりと、全15室という小さなホテルならではの、キメの細かい接客を心がけています」と、中野さん。
東海地方の地産地消にこだわった料理の数々
ホテルが東海地方の魅力発信にこだわる姿勢は、「食」にも。
1階のカフェ「Farm&」では、知多半島の生産農家指定、デュロック種を使用した豚肉や野菜を使った、地産地消のホットドッグが好評です。
また、メインレストランの一つ「グリシーヌ」では、地産地消の創作フレンチが味わえます。器に東海の焼き物を使用してフレンチながらも和の雰囲気を感じさせ、なんと食事の締めには岐阜のブランド米「龍の瞳」が提供されます。
宿泊者しか味わえない、高級ホーロー鍋「バーミキュラ」で炊いたご飯に地元食材が満載の「記憶に残る朝食」も、ホテルの売りの一つ。お客様が「この朝食を食べたいがためにホテルに泊まる」というほど好評を博しています。
さらには毎日夜10時以降に、テレビ塔の展望台をラウンジスペースとして解放。展望台から見る夜景も、宿泊者だけの特権です。
さらには毎日夜10時以降に、テレビ塔の展望台をラウンジスペースとして解放。展望台から見る夜景も、宿泊者だけの特権です。
「働いていることを誇りに思う」総支配人のホテルへの思い
2022年12月には、中部電力 MIRAI TOWER(旧名古屋テレビ塔)が、タワーとして全国初の「重要文化財」に指定されました。
ホテルのオープン当初からコロナ禍で苦しんだものの、地元のお客様が「テレビ塔がホテルになった」と多数訪れ、なかには老夫婦が「若い頃にデートした」と、思い出を語ってくれたこともあるそうです。
「テレビ塔というのは名古屋の人にとって大切なタワーであり、そこでホテル事業ができるのがとても誇らしいです。そこから地元の魅力を発信して、皆さんに愛されるホテルを作っていきたいです」と、中野さんは語ります。
「THE TOWER HOTEL NAGOYA」は、テレビ塔に泊まれるという珍しさだけではなく、サービスや接客が期待以上と評判のホテルです。その理由は、中野さんをはじめとするスタッフの熱い思いに裏打ちされていると、取材を通して感じることができました。