九州の標高トップ10の山のうち8つを有する山岳島である屋久島は、島でありながら水が豊かだ。
屋久杉や苔むす森として知られる豊かな自然を育む水は、山から川となって海へ流れ込む。そんな川を全身で楽しむアクティビティが沢登りだ。
沢足袋・ライフジャケット・ハーネス・ヘルメットなどの装備を身に付けていざ川へ入ると、通常の登山道とはまた違った魅力を私たちに見せてくれる。手付かずのルートがほとんどで、苔むしてキラキラと広がる世界はまるで手入れの行き届いた日本庭園。
「こんなにキレイなところに踏み込んでしまっていいの?」「歩いていっちゃってもいいのかな?」と思わせる程の水の透明度に見とれ、景色を楽しみ、さらに飛び込んだり、途中の大きな花崗岩でクライミングしたり、自然だけではなくアクティブに自分の体と向き合える。
各地での沢登り経験者が「屋久島は一味違う!」と満足感が高いのもうなずける。
屋久島観光というと「縄文杉見て~、白谷雲水溪行って~、島一週ドライブして~」という人も多いだろうが、そんな名所以外の美しさと楽しさがまだまだ屋久島には存分にあるのだ。
旅行客が集中し混み合うハイシーズンでも、人混みと無縁の世界へ足を踏み入れる事ができる。チャンスがあればぜひトライしてみては。
(北山裕子さんの投稿)