市民の雪寄せのモチベーションを上げる「アレ」とは?【秋田県大仙市】

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私の住む秋田県大仙市には「歩くこと」を基本に、子どもから高齢の方まで、無理なく楽しみながら健康づくりが出来るプログラムがある。それは、大仙市に工場を置き、体重計などを製造販売する「タニタグループ」と市との連携による、その名も「健幸まちづくりプロジェクト」。


「アレ」とは、市民および市内の事業所に勤務する方のうち、希望者に無料配布されるポケットサイズの活動量計のことだ。それは歩数計の機能がついて、市内各所にある体組成や血圧が測れる「健幸スポット」を利用して、スマホと連動させ自分の歩数データなどを見ることができるスグレモノ。市では多世代が活用できる健康づくりの体制が整備されている。

秋田県の中でも湯沢や横手に並んで雪の多い大仙市。例年にもれず、2021年末から年始にかけ、たくさんの積雪があった。

箱根駅伝の青空を、見てみぬふりをして雪寄せをする。正月だろうが、めでたかろうが遠慮なく雪はドカドカ降る。ここに住む人たちは1日でも雪が降らないと、皆が口々に「儲けた」という。もちろんお財布にお金が貯まるわけではない。人間はみな大なり小なり不安を抱え生きているものだが、雪国の人間の、雪への不安はかなりのウェイトを占める。だからこそ雪が降らないだけでテンションが上がって「儲けた!」となるわけだ。

逆に大雪が降った日は「儲けのない」日だ。黙々と雪寄せに勤しむ。そんな時はポケットの活動量計に目をやる。

開始時は200歩足らずだった歩数が30分ほどの雪寄せで3,000歩を超える。

実は、先に説明した健幸ポイントの読み取り機で1日5,000歩以上歩いてデータを送信したり(ポイント付与の詳細は色々あるが省略)する事で、ポイントが貯まる仕組みなのだ。

貯まったポイントで、抽選で商品券が当たったり、市の特産品が送られてくる。これに関してはれっきとした「儲け」。大仙市民のモチベーションを上げる素敵な取り組みだ。実際私も先日4,000円相当のWAONポイントをゲットしたばかりだ。

積もった雪が片付いて、正月にたっぷりと蓄えた脇腹のぷよぷよも解消できて、ポイントも貯まっちゃう。「儲かる」取り組みに乗っかって、今日もせっせと雪寄せする。

あー!もっと雪降ってほしいな!

(それは嘘…笑)

※ちなみに「雪寄せ」は「雪かき」にあたる秋田の言葉です。

天野崇子

天野崇子

秋田県大仙市

編集部編集記者

第1期ハツレポーター/1968年秋田県生まれ。東京の人と東京で結婚したけれど、秋田が恋しくて夫に泣いて頼んで一緒に秋田に戻って祖父祖母の暮らす家に入って30余年。

ローカリティ!編集部のメンバーとして、みなさんの心のなかのきらりと光る原石をみつけて掘り出し、文章にしていくお手伝いをしています。