
2025年4月第一週に宮城県の一目千本桜は見頃を迎え、週末の5日(土)は多くの観光客で賑わっていました。見事な桜があれば誰でも愛でたくなるもの。それでも自分のペースでのんびり見たいというのはわがままなのかもしれません。しかし、ゆっくりと鑑賞したいと思うのも自然な気持ちではないでしょうか。そこで、混雑が苦手な筆者が行っている白石川堤の桜並木をもっと楽しむためのヒントをご紹介いたします(そのうちひとつは筆者にしかできない可能性がありますが…)。
なお、白石川堤の桜並木ってどんなところ?という方は『8キロ続く「白石川堤の桜並木」桜まつりが会期延長!柴田町と大河原町で楽しめるそれぞれ異なる春の魅力【柴田町・大河原町】https://thelocality.net/hitomesenbonzakura-sakuramatsuri/』をご覧ください。
目次
1.さくら歩道橋での記念撮影は少し離れて
JR船岡駅から白石川堤に出ると目の前にあるのがさくら歩道橋。まずは写真を、という人たちの記念撮影の定番になっています。桜に近づいて撮影する人が多く、駅から見て入口付近は混雑しがち。そこでオススメしたいのが少し奥(橋の中央方向)へ移動することです。

桜をメインにしたい場合は桜に近づいた方が意図した写真を撮れる可能性が高いのですが、旅行の記念撮影の場合、自分たちがメインで風景が分かる写真のほうが思い出に残りやすいと感じます。桜から離れることによって、白石川堤の特徴である桜並木の全景がカメラに収まることになるからです。


2.河川敷を歩いてみる
桜の花が次々と現れる堤上の遊歩道も魅力的ではありますが、堤(土手)を下りて桜並木を下から眺めてみるのもオススメ。理由はさくら歩道橋で写真を撮るヒントと同じで桜の並木が一望できるからです。


河川敷にはオオイヌノフグリやヒメオドリコソウ、セイヨウカラシナも咲いていました。桜並木を歩くときは他の来場者の邪魔にならないようにと前を歩く人に続いて進んでしまいがちですが、河川敷は広々としていますので自分のペースで鑑賞することもできますよ。



桜並木から見える桜は限られてしまいます。ここは一目千本桜と呼ばれる名所。一度にたくさんの桜を見るためにメインストリートからちょっと離れてみませんか。
3.メイン区間以外も歩く
白石川堤の桜並木は柴田町船岡字土手内から隣町大河原町の金ケ瀬まで全長約8キロ。そのうち来訪者が多いのはJR船岡駅(さくら歩道橋)とJR大河原駅(おおがわら桜まつり会場)までの約3.5キロの区間ではないでしょうか。
しばた千桜橋(せんおうきょう)を利用すればもうひとつの桜の名所「船岡城址公園」にも遠回りせずに立ち寄ることができるのも人気の理由です。


JR船岡駅から大河原駅方向へ約1キロの距離にある「しばた千桜橋」の間、堤の桜は線路側にしか植えられておらず、しばた千桜橋の先もおおがわら桜まつり会場近くまで白石川にかかる橋もないため、JR船岡駅~JR大河原駅の間は桜並木を歩くのが最適解◎となります。
しかし、白石川堤の桜は全長約8キロ。駅から駅までの区間はほんの3.5キロほどにすぎません。定番スポットを歩くだけでも十分なのですが、それ以外にも彩りあふれる景色を紹介します。
柴田町さくらの会認定の日本一のソメイヨシノを楽しむ
・JR船岡駅~さくら船岡大橋~さくら歩道橋

さくら歩道橋から東に進んだところに柴田町さくらの会認定の「日本一太いソメイヨシノの巨木」があります。並木道の桜はどれも手を広げるかのように枝が伸び、幹も太く感じますが、日本一と言われたら見に行きたくなります。


日本一太いソメイヨシノの巨木には人が集まっていました。撮影は順番待ちにはなりますが、数名程度。巨木の前で記念撮影をする人もいました。大河原町柴田町の2町共同桜パンフレットにも桜絶景ポイントのひとつとして掲載されているのですが、メインストリートを外れているためか訪問者は少ない様子。この巨木に限らず、どの桜も立派に咲き誇っているのですが、観光という観点ではルートを外れていると思われてしまうのかもしれません。





さくら歩道橋を渡るとスタート地点。ここからおおがわら桜まつり会場までは流れにそって歩きます。
一目千本桜の原点にふれながらおおがわら桜ラインを歩く

おおがわら桜まつり会場付近には駐車場が用意されており、入庫待ちの車で渋滞ぎみに。車内からも桜並木を楽しめるという点では◎ですが、一方通行とはいえ、桜を眺めながら歩くのはちょっと心配になります。

白石川堤の桜は、大正12年の白石川堤防の改修完了の知らせを聞いた大河原町出身の実業家高山開治郎が桜の苗木を寄贈したところから始まりました。その記念碑が大河原大橋のたもとにあります。ここから西に進んでみます。白石川の右岸左岸とも桜を楽しむことができますが、今回は右岸(南側)のルート、おおがわら桜ラインを歩いてみます。

おおがわら桜ラインは全長2.7キロあるサイクリング・ウォーキング専用道路。ウォーキングのコースが策定されているので、迷ったときには参考になりそう。おおがわら桜ラインに沿って植えられている桜は、平成27年に白石川右岸築堤工事が完了したのを機に既存の桜並木と合わせて更なる桜の名所となるようにと、町民も参加して植樹されたもののようです。






金ケ瀬さくら大橋は交通量が多いため、橋の下をくぐったほうが安心。橋の向こうにはマウンテンバイクの練習ができるコース「OGAWARA MTB S-PARK」がありました。




おおがわら桜ラインゴール!どっちに戻るかは体力しだい!
おおがわら桜ラインのゴール地点までたどり着いたら、対岸の金ケ瀬側の桜並木を楽しみながらJR大河原駅に戻るのもアリですが、ここまで来れば桜並木は十分楽しんだと満足してもらえているのではないでしょうか。体力もそこそこ使っているはず。大河原駅までは約3.5キロ。最寄り駅の北白川駅までは約1.5キロですので、もうひと歩きして、電車に座って窓から桜並木を楽しみながら帰路につくとしましょう。歩道がないので注意して

車窓からの眺めが気になる方は「満開の千本桜!桜並木の長さをJR東北本線の車窓から確かめてみた【宮城県大河原町】(https://thelocality.net/hitomezenbonzakura/)」で見ることができます。
桜の楽しみ方は人それぞれ。にぎやかな雰囲気を楽しみたい方や、一目千本桜に行ってきたとひと目で分かる場所で記念撮影をしたい方など、その人なりの目的があるはず。
この方法は毎年のように一目千本桜を鑑賞している筆者が行っているものであって、他の方の楽しみ方を否定するものではありません。一目千本桜が訪れた人たちの心を踊らせることに変わりはないので、ぜひあなたなりの「満たされポイント」を探してみてください。日常に戻っても白石川堤での思い出が桜のように咲きますように。