小室哲哉氏が植樹した“復興しだれ桜”、今年も春を彩る【福島県中島村】

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福島県南部に位置する白河市から車で20分ほどの中島村。人口約5千人の緑豊かなこの村の中心にある「童里夢(どりーむ)公園なかじま」では、春の訪れとともに一年のうちで一番生命力があふれる季節を迎えていた。

緑に包まれた公園の中でも注目されたのが、モニュメント広場の一角に咲く一本の“復興しだれ桜”。作詞・作曲で数々のヒット曲を生み出し、TM NETWORKのメンバーとしても広く知られる音楽プロデューサー・小室哲哉(こむろ・てつや)氏が植樹したことで知られている。

2022年2月5日、福島県中島村のなかじま産直館「KIRASSHE(きらっしぇ)」にて、筆者撮影

このしだれ桜は、小室氏の祖父・徳次氏が中島村の出身であることから、東日本大震災からの復興を願って小室氏自身の手によって植えられた。今では童里夢公園を象徴する風景のひとつとして親しまれている。

今年2025年も、村内の小・中学校の入学式に合わせるかのように4月8日に開花し、10日には満開を迎えた。曇り空の下でもその花はひときわ明るく、公園を訪れた多くの家族連れが春のひとときを楽しんでいたという。

2025年4月15日、復興しだれ桜(左)と小室哲哉氏が寄贈したカラクリ時計(右)、筆者撮影

童里夢公園には、小室氏が寄贈した「ヨカッペ時計」のある広場や森の中を巡る遊歩道など、四季折々の自然を感じられるスポットが点在している。復興しだれ桜は、村にゆかりのあるアーティストの思いが込められた一本として、また震災を乗り越えて歩んできた村のシンボルとして、今も多くの人々に夢と希望を届けている。

春の記憶が緑へと移り変わっていくこの季節。小室氏が故郷への思いを込めて植えたこの一本の桜は、来年もまた変わらぬ美しさで村を彩り、多くの心に温かな風景を刻んでくれるだろう。

参考資料:童里夢公園 (中島村公式ホームページ)、中島村公式X

昆愛

昆愛

埼玉県川越市出身。前住地は山形県鶴岡市。会社員のかたわら、地域資源の掘り起こしとその魅力発信活動に取り組む。2023年、「誰もいなくなった町。でも、ここはふるさと~原子力発電所と共存するコミュニティで“記憶”と“記録”について考える【福島県双葉郡富岡町】」で本サイトのベスト・ジャーナリズム賞を2年連続受賞、また2024年、天文活動の報告・交流等を目的としたシンポジウムでの発表「天文文化史で地元の魅力発信?九曜紋が導く新たな誘客構想とは【福島県南相馬市】」で渡部潤一奨励賞を2年連続受賞。

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