阿波踊りとよさこいで商店街が踊りの舞台に「第61回中目黒夏まつり」【東京都目黒区】

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地元の近くにあった、知らなかった夏祭り

夏休みを利用して神奈川県の地元へ帰省した際、中目黒で夏祭りが開催されるという情報を目にした。

その名も「中目黒夏まつり」。

中目黒は、筆者の地元の駅から電車で30分もかからない。これまで何度も訪れたことのある街だが、夏にこれほど大きな祭りが開催されていることは知らなかった。
しかも、今年で61回目。半世紀以上にわたり、中目黒の街で受け継がれてきた歴史ある祭りだという。

ちょうど帰省期間と開催日が重なっていたこともあり、これまで知らなかった地元近くの夏の風景を一目見ようと、中目黒へ向かった。

中目黒といえば、東京の中でも人気の高い街の一つである。春には目黒川沿いの桜並木が一斉に色づき、多くの花見客が訪れることでも知られている。

そんな中目黒が、夏になると「踊りの街」へと姿を変える。

阿波踊りとよさこい、2つの踊りが彩る夏祭り

中目黒夏まつりは、半世紀以上にわたって続く中目黒の夏の風物詩である。

現在は2日間にわたって開催され、1日目には阿波踊り、2日目にはよさこいが披露される。目黒銀座商店街を中心に、街そのものが踊りの舞台となり、多くの踊り手と観客でにぎわう。

では、なぜ中目黒で阿波踊りとよさこいなのだろうか。

中目黒にある店舗「長崎かりん」のInstagram投稿によると、中目黒夏まつりは、当初「目黒銀座音頭」から始まり、その後、阿波踊りが加わったという。

さらに約25年前、「もっと活気のあるお祭りにしたい」「若い世代にも楽しんでもらいたい」という思いから、よさこいが導入されたと紹介されている。

地域の祭りとして始まり、時代とともに新しい踊りを取り入れながら、多くの人が参加する現在の姿へと変化してきたようだ。

今では、阿波踊りとよさこいという異なる二つの踊りが中目黒の商店街を彩る、夏の風物詩となっている。

参考:かりんとうまんじゅうと季節の和洋菓子「長崎かりん」公式Instagram「中目黒夏まつりのはじまり」投稿より(https://www.instagram.com/p/Db5HlkOGRTb/

夕方の中目黒に響き始める、よさこいの音

今回、筆者が訪れたのは2日目。目当ては「よさこい」である。

まだ夏の日差しが強く残る16時ごろ、中目黒駅前では選抜チームによるデモンストレーションが始まっていた。

音楽が鳴り響くと、駅前の空気が一変する。

チームごとに異なる衣装をまとった踊り手たちが、音楽に合わせて一斉に舞う。その姿を一目見ようと、沿道は多くの観客で埋め尽くされていた。

この日のよさこいには数多くの団体が参加。地元を拠点とするチームだけでなく、地域外から参加する団体もあり、年齢も子どもから大人まで幅広い。

そして面白いのが、同じ「よさこい」でありながら、チームが変わるたびにまったく違う踊りが始まることだ。衣装も違えば、音楽も違う。振り付けにも、それぞれのチームの個性が表れている。

次はどんな踊りが始まるのだろう。そんな期待が途切れることなく続いていく。

本番前の中目黒駅前でのよさこい踊り実演

商店街全体が「踊りの舞台」に変わる

18時になると、いよいよ本番が始まった。

目黒銀座商店街には複数の演舞会場が設けられ、時間になると、それぞれの場所でチームが次々と踊りを披露していく。

一つの演舞が終わると、次のチームへ。商店街を歩いているだけで、あちらからも、こちらからも音楽と掛け声が聞こえてくる。

参加しているのは、よさこいを専門に活動するチームだけではない。

地元の高校生や保育園の子どもたちなど、地域で暮らす子どもや学生も踊り手として祭りに加わっている。その一方で、中目黒を拠点に活動するよさこいチームや、地域外からやってきたチームも演舞を披露する。

年齢も、暮らす場所も、踊りの経験も違う人たちが、「よさこい」という一つの踊りを通じて同じ商店街に集まる。

観客として見ていても、地域の人たちだけで完結するのではなく、外から訪れた踊り手や観客も一緒になって祭りをつくっていることが伝わってきた。

白の和風衣装と傘の舞踊
ダイナミックな踊りを披露する団体

初めて見たよさこい、その迫力に引き込まれる

筆者にとって、本格的なよさこいを間近で見るのは今回が初めてだった。

そして、踊りが始まると一気に魅了されてしまった。激しい音楽を背に、体を大きく使ったアクロバティックな踊りを見せるチーム。

和を感じさせる衣装をまとい、鳴子を手に息の合った振り付けを披露するチーム。

大きな旗を力強く振り、演舞全体に迫力を与えるチームもあれば、傘などの小道具を取り入れ、優雅な世界をつくり出すチームもある。

一口に「よさこい」と言っても、表現の仕方は驚くほど幅広い。

そして何より印象的だったのは、踊り手だけが楽しむ祭りではないことだった。

目の前で迫力ある演舞が繰り広げられると、沿道から自然と拍手が起こる。観客もリズムに合わせて体を揺らし、掛け声に応える。

商店街という踊り手と観客の距離が近い場所だからこそ、その熱気が直接伝わってくる。

見ている側まで、いつの間にか祭りの中へ引き込まれていた。

数メートルある旗を音楽に合わせて振る

夏の暑さを忘れさせる、踊りの熱気

この日の気温は30度を超え、湿気も多かった。祭りが始まる前は、外に立っているだけでも体力を奪われるような暑さだった。

しかし、よさこいが始まると、不思議と暑さを気にしている暇がなくなった。大きな音楽と掛け声。目の前を駆け抜けていく踊り手たち。沿道から送られる拍手。

時間がたつにつれて、商店街全体のボルテージが上がっていく。この日は夜から雨の予報も出ていた。

空模様を気にしながらの祭りになるかと思っていたが、筆者が見ていた間、雨が祭りの熱気を冷ますことはなかった。

まるで、踊り手と観客がつくり出した熱気が、雨雲まで遠ざけてしまったかのようだった。

春には桜を求めて多くの人が集まる中目黒。しかし夏には、商店街を舞台に、子どもから大人までが踊り、街を熱気で包むもう一つの姿がある。

地元の近くにありながら、これまで知らなかった夏の中目黒。

初めて目にしたよさこいの迫力と、街全体で祭りをつくり上げる光景に、また一つ、身近な場所の知らなかった魅力を教えてもらった。

※写真は全て2026年8月1日に筆者撮影

情報

中目黒夏まつり 概要
開催日:例年8月上旬の2日間
開催場所:東京都目黒区・中目黒周辺
主な会場:目黒銀座商店街、中目黒GT周辺
内容:1日目「阿波おどり」、2日目「よさこい」
アクセス:東急東横線・東京メトロ日比谷線「中目黒駅」からすぐ

参考情報
◆目黒銀座商店街HP
http://www.e-nakameguro.com/event/natsumatsuri_f.htm

◆かりんとうまんじゅうと季節の和洋菓子「長崎かりん」|公式Instagram
https://www.instagram.com/p/Db5HlkOGRTb/

田口雄太

田口雄太

神奈川県出身。現在は山形県で探究教室の運営に携わっています。アフリカ・ルワンダでの2年間の生活経験もあり、旅と写真を通して、その土地ならではの感動を伝える記事づくりを目指していきます。

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