夏から秋へ、花火も進化 流山花火大会に見る30年の変化【千葉県流山市】

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千葉県流山市の秋の夜空を彩る「流山花火大会」が、2026年10月3日(土)に開催された。

かつては夏の風物詩として親しまれてきた花火大会だが、近年は開催時期が秋へと移り、音楽と連動した演出や連続打ち上げなど、花火の楽しみ方も変化している。

流山で生まれ育った私にとって、花火大会は幼少期から親しんできた特別な行事だ。

浴衣を着て江戸川の土手に座り、夜空に一発ずつ打ち上がる花火を眺めた記憶は、30年近く経った今でも鮮明に残っている。

昔ながらの風情を残しながら、エンターテインメント性を高めてきた流山花火大会。その変化を振り返ってみたい。

夏の風物詩から秋の恒例行事へ

流山花火大会が秋に開催されるようになった大きな転機は、2023年だった。

この年、千葉県流山市と埼玉県三郷市を結ぶ「三郷流山橋有料道路」の完成を記念し、従来の夏開催から10月開催へと変更された。

2023年の大会は4年ぶりの開催となり、三郷市と合わせて約1万4,000発の花火が打ち上げられた。橋の全長450メートルにちなんだ「超ワイドスターマイン」も披露され、地域の新たな交通インフラの誕生を祝う大会となった。

その後も秋開催が続き、2026年も10月3日に実施された。

秋の花火大会には、夏とは違った魅力がある。

真夏の蒸し暑さが和らぎ、心地よい空気の中で夜空を見上げられる。浴衣とうちわが似合う夏の花火も風情があるが、秋の涼しさを感じながら楽しむ花火もまた格別だ。

一発ずつの余韻から、音楽と光の演出へ

私が幼少期に見ていた流山花火大会は、今とは少し違った印象がある。

一発の花火が打ち上がると、夜空いっぱいに光が広がり、やがて消えていく。そして数秒の静けさを挟んで、次の花火が打ち上がる。

その間隔も含めて、花火を楽しんでいたように思う。

もちろん、当時も連続打ち上げはあったはずだが、私の記憶に強く残っているのは、一発一発の美しさをじっくり眺める時間だった。

この変化には、明確な転機があった。流山市の記録によると、2007年の第31回大会で、音楽と花火を連動させた「ザ・スカイミュージカル(現・流山スカイミュージカル)」が初めて披露された。

それから約20年。かつて一発ずつの余韻を楽しんでいた花火大会は、音楽と光が一体となる演出が代表的な見どころになっている。

曲の展開に合わせて次々と花火が打ち上がり、光と音が一体となって夜空を彩る。

2026年は流山市が2027年1月に市制施行60周年を迎えることを記念し、三郷市と合わせて約1万7,000発という過去最大規模の打ち上げが計画された。

かつての一発ずつ余韻を楽しむ花火も、現在の音楽と連動した迫力ある演出も、それぞれに違った魅力がある。

時代とともに、花火大会は「夜空に打ち上がる花火を眺める行事」から、音楽や演出を含めて楽しむエンターテインメントへと進化しているように感じる。

江戸川を挟んで二つの街がつくる花火大会

流山花火大会の特徴の一つが、江戸川を挟んだ対岸の埼玉県三郷市で行われる「三郷流山花火大会」との同日開催だ。流山市によると、三郷市との同日開催は2006年から続いている。

一つの川を挟んで、千葉県と埼玉県の二つの街が同じ夜空を花火で彩る。

この地理的な特徴も、流山花火大会ならではの魅力だ。

そして、地元住民として毎年感じるのが、花火大会当日の交通機関のにぎわいである。

普段は地域住民の生活路線として親しまれている流鉄流山線も、この日は多くの観覧客が利用する。

流山市の公式案内でも、会場へは流鉄流山駅または平和台駅から徒歩約5分とされ、公共交通機関の利用が呼びかけられている。

2025年の流山会場には、市内外から約10万4,000人が来場したという。

年に一度、地域の交通機関や街全体が普段とは違う活気に包まれる。それも、地元住民にとっての花火大会の風景だ。

花火だけではない、出店グルメの進化

花火大会の楽しみは、打ち上げ花火だけではない。

会場周辺に並ぶ出店で食べ物を買い、花火が始まるまでの時間を過ごすのも醍醐味の一つだ。

近年、個人的に変化を感じているのが、キッチンカーの存在である。

昔ながらの屋台に加え、最近はキッチンカーなど、さまざまな形態の飲食店もイベントに出店するようになった。

実際、流山商工会議所が公表した2024年の「グルメ横丁」出店募集資料では、前年のキッチンカー等の出店実績11台に対し、20〜25台の出店を計画していた。

地域経済の活性化や商工会議所会員の支援を目的としており、花火大会が地域の飲食事業者にとっても商機となっていることがうかがえる。

花火を待ちながら食事を楽しみ、家族や友人と過ごす。

こうした時間も含めて、花火大会は一つの観光イベントになっているのだと思う。

変わる花火大会、変わらない思い出

幼い頃、浴衣を着て江戸川の土手から眺めた花火。

一発打ち上がるたびに歓声が上がり、次の花火を待つ時間さえ楽しんでいた。

あの頃の花火大会と比べると、開催時期も演出も、会場での楽しみ方も大きく変わった。

しかし、家族や友人と夜空を見上げ、同じ景色に感動するという体験は、今も変わっていない。

地域の行事は、時代に合わせて姿を変えながら受け継がれていく。

流山花火大会も、夏から秋へ、そして音楽やグルメを楽しめるイベントへと進化してきた。

かつて私が土手で見上げていた花火を、今は自分の子どもたちの世代が楽しむ。

30年前とは違う花火大会になっても、そこで生まれる思い出は、これからも地域の中で受け継がれていくのだと思う。


※写真は2026年10月筆者撮影

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森下文望

森下文望

東京都大田区生まれ、千葉県流山市育ち(2歳から千葉県民となり、現在も千葉県在住です。)
現在は2児の母となり、お酒(特にビール)と食べ歩きが好きで、地方へ遊びに行った際はそこの郷土料理や地ビールを楽しんでいます!

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