衣替えも終わって一段落した10月某日、福島県郡山市で「全国天文愛好者交流会&星空案内人の集い」が実施されました。全国持ち回りで開催しているこのイベントは、新型コロナ感染症により延期が続いたためなんと2年ぶりの開催。
集まったのは全国で活躍するアマチュア天文愛好者、約80名です。この日は、普段各地でそれぞれ活動している愛好家が郡山に集まり、天文や宇宙、星空への興味関心、 探究を深め、日々の活動やお悩み相談など交流を深めました。今回は、このイベントや星空を見上げる魅力についてご紹介します。
JR東日本も郡山市も大歓迎ムードいっぱい
全国から集まるファンのために県も全面協力
会場には視覚に障害があるこどもたちが学ぶためのオリジナル教材も。
目次
知識を持って星空を見上げると、楽しみは倍増!
参加者のバックグラウンド、年齢、職業、キャリアはみんなバラバラ。ただひとつ共通しているのはみんな星が好き、という点。二日間かけて開催された口頭発表の中で比較的多かったのは、望遠鏡を使った天体観測の報告や地域などで開催する天体観望会についての紹介でした。
秋田県からゼウスも参戦
別会場ではポスターによる企画発表や自作の望遠鏡を使った実演などもあり、担当者が熱く語る姿が印象的でした。
機材等の展示コーナーも人気
福島県の会津地方は全国でも有数の星が見えるエリアなんだとか。
日頃の調査・研究の発表だけでなく、「こんなことをしたい!」という提案発表も。
江戸時代の観測機器を再現して、実際に調べてみた中学校の発表。
天文学や科学への興味、ひいては学ぶ楽しさを親から子へ
普段感じたことや調べたことをファンの方に紹介するだけでなく、イベントに参加することによって、普段関わることのない地域の人々との交流が盛んになり、天文普及以外の側面でも良い影響を及ぼしているよう。
星や天文にちなんだ移動マンガコーナーも。
参加者80名程度のシンポジウムということもあり、疑問に思ったことをその都度気軽に質問できる雰囲気は、参加者にとってより天文学の話に集中できる環境をつくっているようでした。
今回、私は初めて参加しましたが、まるでずっと前から知り合いだったかのように優しく声をかけて頂きました。コロナ禍の影響で約2年延期したこの交流会だけあって、とても有意義な時間となりました。
なんと、初めての参加で末席に控えていたにも関わらず私が司会進行の大役を務めることに!
トーク中に笑いが起きることも多い。和やかで楽しい雰囲気
日本人が月に行く日はいつ!?
天文研究家の集まりというと物理学者の難しい公式の説明や解説がメインかと思いきや、2009年の世界天文年をきっかけとして、そのスタイルが少し変わりつつあるとのこと。プロアマの垣根を越えた熱心な天文ファン、それに加えて全国各地域の人々の“草の根”的な活動が、今後の天文普及・教育活動を担っていくことになるかもしれません。ひいては壮大な宇宙の話を身近に感じられる仕掛けをたくさん盛り込んだこのイベントは、街の中で人から人へ伝わっていくことでしょう。
来夏には、今回と同じ福島県郡山市でアジア太平洋地域の天文学に関する国際会議も開催予定なので、ますます目が離せません。
【今回のイベント】
- 全国天文愛好者交流会 2022 & 星空案内人の集い (JAAA2022 in 福島)
- 開催日時:2022年10月8日(土)~2022年10月9日(日)
- 開催会場:郡山市民交流プラザ