東北初!観光案内所なのにアレがない?ファンづくりと満足度向上に向けた“ワクワク”のハブ「郡山市観光案内所」【福島県郡山市】

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福島県の中央に位置し、仙台、東京、いわき、会津など県内外の都市へのアクセスが容易という利便性から「県内で住みやすい駅ランキング」1位に選ばれたJR郡山(こおりやま)駅。その2階に今年3月、国際観光推進機構認定の広域情報拠点として「郡山市観光案内所」がリニューアルオープンした。

一般的に地域と旅行者をつなぎ、タビナカのタッチポイントとして設置されるのが観光案内所だが、ここは「誰かに話したくなるような場所」が新しいコンセプトだ。

郡山を中心とした東北の輝くヒト、楽しいコト、良いモノだけでなく、来訪者がこの場所をきっかけに郡山を知り、 ワクワクを紡ぐのが目的である。

そのために市が掲げた基本方針は3つ。

一元化した窓口の設置、JR東日本の旅行カウンター(びゅうプラザ)跡地を活用した物販スペースの新設、そして、ニューノーマルDXに対応した情報提供の場づくり、だ。

観光案内所に入って気づくことがひとつある。それは、どこの案内所にもある紙のガイドブックや周遊マップを配架したラックが施設内に見当たらないのだ。スペースの問題、環境への配慮、経費削減などなど、あえて置いていない理由はさまざまあるだろうが、何といっても最大の理由はデジタルツールの活用による情報更新の迅速化だろう。いまや全世帯の*9割以上はモバイル端末を持つ時代となり、観光客は複数の情報源を駆使するようになったというのだから、もっともな理由なのかもしれない。

出かける前にあらかじめ情報収集していくとはいえ、現地に行ってから初めて知ることがあるのもよくある話だ。でも、時間は有限。旅行者の時間を大事にするというのは、無駄に案内所に留まらせないようにしつつ、でも、立ち寄らなければ出会えなかったローカル情報と接点を持たせることも意味する。

従来の観光案内所は「観光客が尋ねることを職員が答える」というスタイルがメインだろうが、それだけでなく「また来たくなる」施設づくりも大事なのではないだろうか。トラブルや不安の解消など観光客のさまざまな相談に真摯に対応することで人と人とのつながりが構築され、再訪につながる。

シティプロモーションとして、また地域の看板としても期待できる。

この郡山市観光案内所が更に愛される存在になるためのキーワードは「リピーター」。

案内所をきっかけに再訪する人が増えることを願ってやまない。

観光案内所が蓄積する数多くの旅行者とのコミュニケーションや経験には、地域が推進する誘客活動や観光コンテンツの高付加価値化へのヒントがつまっていそうだ。

*総務省「令和3年版通信利用動向調査」より

【DATA】

〒963-8003 福島県郡山市燧田(ひうちた)195 JR郡山駅2階

営業時間10:00〜20:00

休日:年中無休

TEL 024-924-0012

https://www.kanko-koriyama.gr.jp/

昆愛

昆愛

福島県郡山市

第4期ハツレポーター

埼玉県川越市出身。前住地は山形県鶴岡市。会社員のかたわら、地域資源の掘り起こしとその魅力発信活動に取り組む。2023年、「誰もいなくなった町。でも、ここはふるさと~原子力発電所と共存するコミュニティで“記憶”と“記録”について考える【福島県双葉郡富岡町】」で本サイトのベスト・ジャーナリズム賞を2年連続受賞、また、天文活動の報告・交流等を目的としたシンポジウムでの発表「東日本大震災における津波で被災した月待塔の追跡調査について」で渡部潤一奨励賞受賞。

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