〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜
目次
納豆のまち、水戸を代表する名店
茨城県水戸市は、「水戸黄門」に代表される水戸徳川家ゆかりの地で、日本三大庭園の偕楽園や梅林が有名です。水戸には梅を使ったのし梅やようかんといった菓子もあります。中でも、水戸といえば納豆という人も多く、1929年に創業し「総本舗 水戸納豆」の名称を掲げる水戸納豆製造株式会社は、水戸の納豆生産者の代表格ともいえる会社です。
代表取締役の高星大輔(たかほし だいすけ)さんの曽祖父である初代の久夫(ひさお)さんが、もともと大豆農家であり、そこから自身で納豆づくりを始めたのが起源。久夫さんは、第二次世界大戦中に納豆業界団体の代表をしており、大豆の配給の交渉を担っていたそうです。2代目の進一(しんいち)さんが全国納豆協同組合連合会の会長を務めながら水戸の納豆の普及に全力を尽くし、代々続くその思いは、現在の高星社長に受け継がれています。
昔ながらのわら巻き納豆を広める一方で、ここ10年ほどで様々な豆を使った新製品やギフトセットを開発し、大量生産の製品とは一味違うこだわりの納豆を発信しています。
雪のように粉がふる「雪あかり」
第24回全国納豆鑑評会で優良賞を受賞した「雪あかり」は、大ぶりな粒の中に感じられる繊細さや豊かな風味が特徴です。宮城県産のミヤギシロマメという品種に、独自開発した納豆菌を用いています。表面に白い粉がふっている(菌が現れている)様子が、白雪を想起させます。水戸の納豆はもともと小粒なのがスタンダードですが、敢えて目新しい大粒の品種を扱っています。
2011年から直営店の展開も行っています。どれだけ流通を拡大させても、豆選びに対する強いこだわりは変わることなく、基本的には高星社長らが直に農場へ向かい、生産者と会話を重ね、厳選して豆を調達しているといいます。
今回の返礼品の他にも、山形県産の紅大豆を用いた「紅ずきん」や、新潟県の吉川地区で採れる吉川青大豆を用いた「青神楽」など、産地にこだわった商品づくりを行っています。
随所に工夫、こだわりの逸品
「雪あかり」「紅ずきん」「青神楽」の容器には、他ではあまり見かけない透明なものを使用しています。そこには「商品を手に取ったお客さまに、容器内の納豆の色合いや大きさをすぐわかっていただけるように」との思いが込められています。
最近は、お土産・ギフト需要も増え、ふるさと納税の返礼品を含めてインターネット通販での売り上げが伸びているそうです。取材の締め括りとして、高星社長は「これからも機械生産にこだわらず、一品一品へのこだわりを大事にし続けます」と思いを語ってくれました。