手作りの和ろうそくと燭台|【愛媛県内子町】

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〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜

木蝋産業の繁栄を後世に伝えるノスタルジックな町

愛媛県のほぼ中央、内子町は江戸・明治の面影が残る町。江戸末期から明治にかけて「木蝋(もくろう)産業」で栄えた歴史があり、八日市・護国地区にはかつて財を成した豪商たちの屋敷が並びます。

木蝋とは、ハゼノキの実から得られる日本特産の天然植物系ロウのこと。古くから石鹸・ろうそく・医薬品・クレヨンなどの原料として幅広い用途で用いられています。明治時代の全盛期には、国内だけでなく海外にも輸出されるほど高い評価を受けていました。

今回ご紹介する「和ろうそく」と「燭台」は、そんな内子町の伝統を受け継いだ職人たちの手作り。和ろうそくを手掛ける「大森和蝋燭屋」と鍛冶屋「自在鋼房」、それぞれの伝統を見事に組み合わせた名産品です。

手作り和ろうそくのお店「大森和蝋燭屋」

「炎が美しく見えるように、手仕事で1本1本つくっています」

江戸時代から約200年受け継がれる「大森和蝋燭屋」の和ろうそく作り。木蝋を年輪のように重ねて塗りつけ、1本1本ろうそくを作り上げて来られました。この製法によって炎は大きく明るく、蝋が垂れないろうそくができあがります。火を灯したとき炎が一番美しく見えるように、ろうそくに色や絵付けは行っていません。

内子町の日常を優しく照らす火は、六代目の大森太郎(おおもり たろう)さんから、七代目の大森亮太郎(おおもり りょうたろう)さんへ受け継がれようとしています。 

鍛冶屋「自在鋼房」の燭台

「鍛治職人の仕事は鉄を叩くこと。鍛えた鉄の表面には槌目(つちめ・金槌の跡)が残り、職人の確かな足跡が刻まれています」

そう話してくださったのは「自在鋼房」四代目の児玉惇平(こだま じゅんぺい)さんです。和ろうそくを支える燭台を作り始めたのは、20年以上前の三代目の時代。石油や電気の普及によって木蝋生産が衰退するなか、「大森和蝋燭屋」の和ろうそくが生き残ったことで、それを支えいっそう映えあるものとして燭台のアイデアが生まれました。

「手作りの良さとは、製品の向こうに作った人の顔が見えること。ふるさと納税のお礼の品が、職人が一つ一つ作った『貴重なもの』を手に取る機会になってほしい。大量生産やオンライン購入が当たり前になった時代だからこそ、手作り製品に込められた願いや香り、そして空気感を感じてもらいたいですね」

日本全国でも数える程しか居ない職人さんたち。手作りの和ろうそくと燭台は、内子町が栄えた明治時代の繁栄を日常の何気ない空間に蘇らせてくれる製品です。

阿部宣行

阿部宣行

山形県山形市

第3期ハツレポーター

山形にある探究教室の講師。子どもたちが熱中できることを見つけ、大人顔負けで実践できるように日々活動しています。ローカリティに参加してからの趣味は写真撮影。子どもたちの視野を広げるために記事を書き、写真を撮っていきます。