「秋田の高校生のプロジェクト支援で地域の未来を拓く」国際教養大学有志、FROM PROJECT秋田の活動に参画しよう!【秋田県秋田市】

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あきたの物語」は、物語をとおして「関係人口」の拡大を図ることで、県外在住者の企画力や実行力を効果的に生かした地域づくりを進め、地域の課題解決や活性化を促進する事業として秋田県が2023年度から始めました。秋田県や秋田にまつわる「ローカリティ!」のレポーターや地域の関係者が、秋田県各地の人々の活動を取材し「あきたの物語」を執筆して秋田県を盛り上げています。

秋田県内の高校生の“やりたい”を“プロジェクト支援”という形でサポートする国際教養大学(以下AIU)の公認団体FROM PROJECT秋田(以下、ふろぷろ秋田)の活動が、新たな地域課題解決の手法として県内外で注目を集めています。ふろぷろ秋田の活動や今後の展望と関係人口の関わり方について、副代表の福原義信(ふくはら・よしのぶ)さん(20)、広報の平栗蒼大(ひらぐり・そうた)さん(21)にお話を伺いました。

高校生の興味と地域が抱える課題にAIUの大学生がメンターとして伴走。公益と個益のどちらも満たすプロジェクトに

ふろぷろ秋田は2015年12月1日に、AIU学生の有志らにより立ち上げられた学内の公認団体です。秋田県内の各地から集まった高校生の“興味あること”や解決したい地域課題を“プロジェクト”と位置づけ、プロジェクトの達成に向けた課題解決型学習やキャリア教育、AIU学生によるメンタリングを提供しています。立ち上がったプロジェクトは8年間で 144に登り、高校生の地域への想いを形にしてきました。

講座でプロジェクトづくりのノウハウを学ぶ高校生たち

参加する高校生は、9月に中間報告会、12月に最終報告会を行います。それまでに、ふろぷろ秋田のメンバーによる15回の講座や外部講師のレクチャーを通じて、プロジェクトづくりの基礎や、ピアレビューによるアイデアのブラッシュアップの方法などを学びます。その中で特に大事にしている考えは、公益と個益(参加する高校生個人の益)、どっちも満たせるプロジェクトを作り上げるという点です。

「地域と学生の溝を埋めることで、地域の人が地域の未来を信じられるように」ふろぷろ秋田が目指す地域のビジョン

公益と個益はなぜ大切なのでしょうか。それは、ふろぷろ秋田が、「高校生が一歩を踏み出す場を提供すること」を第一義に活動を続けているからです。「身の回りや秋田の問題をどうにかしたいけど、何から始めたらいいかわからない」「自分のやりたいことがあるのに、一歩を踏み出せない」と考えている高校生をそのままにしておくことは、社会にとっての大きな損失だと考えています。

一方で、高校生の個益を追求するだけでは地域課題が解決しません。地域の当事者の声を聞きながら、行政や企業、地域のキーパーソン等との連携が実効力のあるプロジェクトづくりには欠かせません。

秋田の高校生の行動力が持つ可能性に期待をこめる福原さん

福原さんは「地域と学生の間にはどうしても溝(世代間ギャップによる物の見方の違い)があります。ふろぷろ秋田は、その溝を埋めることを目指しています。そのため、学生には、やりたいことの背中を押し、一人ではできないことを実現する、という価値を提供し、地域の人には、若者の新鮮な視点に触れることを通じて、地域の未来を信じられるようになる、という価値を提供しています」と、ふろぷろの目指す姿と、それぞれに提供する価値を話してくれました。

フードバンクへの参加、男鹿線沿線の高校生向け路線マップなど、高校生の一歩が地域を動かすプロジェクトに

12期となる今年度も、既に10個のプロジェクトが動いています。ここでは、2つのプロジェクトを紹介します。

1つ目は、本荘高校2年生 本間花純(かすみ)さんの「秋田県の貧困を知ろう」と題したプロジェクトです。本間さんは由利本荘市で、様々な理由により、買い物ができず食品の調達が困難になってしまった人に、地域の人が余った食品を提供する「フードドライブ」という活動を推進しています。

道の駅などで余った食べ物を集めて必要とする人に届けるこのボランティア活動は、困難な状況に置かれた人にとって必要な取り組みですが、まだ十分に認知されているとは言えません。本間さんはメンターの協力を得ながら、既に地域でフードドライブの活動に携わる人とコンタクトを取り、パンフレット制作などの啓発活動に取り組んでいます。

中間発表でフードドライブのプロジェクトの進捗をプレゼンする本間さん

次に紹介するのは、秋田南高校1年生の小玉柊乃華(ひのか)さんの「電車で秋田を遊ぼう」というプロジェクトです。

小玉さんは、普段使う男鹿線沿線上には魅力がたくさんありますが、高校生が遊べる場所が少ないと感じていました。その原因が魅力が見えていないことにあると考えた小玉さんは、「高校生を始めとした若者が男鹿線の沿線で一日時間過ごせるような観光マップを作ろう」と思い、企画書を作り、紹介したいお店や施設のほか、JRとの交渉も行っています。小玉さんが作ったマップは近々、男鹿線の駅などに掲示される予定です。

中間発表で自作の男鹿線路線マップを発表する小玉さん

生徒たちのメンターを務める福原さんは「地域の人は、何かやろうとすれば意外と“いいよ”って言ってやってくれるんです。行動することが大事なんだということを高校生に教えられます」と、高校生の行動力に太鼓判を押します。

発表する時の高校生の笑顔、地域の人の温かさがやりがい。学内の有志だけでの活動に伴う困難さも

このように、秋田在住の高校生の発想力や行動力で地域を変えていくことが、ふろぷろ秋田の活動が持つ価値と意義です。そこに集うAIUのメンバーはどのようなところにやりがいを感じているのでしょうか。

平栗さんは「中間報告会で、プロジェクトの成果を発表する時に、参加者が本当にイキイキし出すんですよね。その笑顔を見るだけで、こちらまで達成感があります。また、ディスカッションの場でこれまであまり発言がなかった生徒が積極的に意見を出すなど、講座で高校生の変化を見た時にもやりがいを感じます」と、活動の醍醐味を語ってくれました。

愛知からAIUに入学し、すっかり秋田に魅せられたという平栗さん

一方で、課題もあります。「AIUでは3年次の留学がカリキュラムにあるため、参加してくれた高校生に対して切れ目のないサポートをすることが困難です(ふろぷろ秋田のメンバーは2年生が中心のため)。限られたリソースの中で、ゼロからプロジェクト構想の考え方を伝えていくのは簡単なことではありません」と、平栗さんは続けます。

そこで、必要となるのが学外・地域外の大人「関係人口」の力です。どのような関わり方ができるのでしょうか。

「関係人口の力を借りたい」外部顧問、ゲストスピーカー、プラットフォームへの参画、資金面でのアドバイス…多様な関わりしろ

「関係人口の方には是非、プロジェクトの協力者として関わって、高校生ができることの幅を広げて欲しいです」と語るのは、福原さん。

具体的な関わり方は、「メンバーはプロジェクト創出・マネジメントのプロではありません。現在も、年に1回外部講師を招いて、プロジェクトづくりの要点や関わる人の増やし方を学んでいますが、より外部顧問的な形で継続的に関わってくれる方がいれば嬉しいです。講座のゲストスピーカーとしての関わり方なども考えられると思います。関わってくれる方には、地域に貢献しつつ、ご自身の持っているスキルを見える化する良い機会になるかもしれません」といいます。

また、高校生のプロジェクトは、資金面での利益追求に拘らないものが多いのですが、プロジェクトを継続するためには、”お金を循環させる”視点も欠かせません。ふろぷろ秋田も学生中心になって運営していることから、資金面でのアドバイスなどができる方も必要としているそうです。


加えて、多くの時間や労力を使わずに、ふろぷろ秋田と高校生の活動に関わる“緩いサポーター”のあり方についてもメンバーで検討を進めています。二人にお話を伺う中で、「高校生やふろぷろ秋田内部のつながりだけでプロジェクトを継続するのではなく、地域の人や関係人口の方々との関わりの中で課題の突破口を見出していくという考え方も必要かと思います。そんな情報発信やコミュニティづくりを支援してくれる人がいたら、すごく嬉しいですね」と、ふろぷろ秋田の今後のあり方についても話が及びました。

AIUキャンパス内にて最終報告会を実施。オンラインでの参加も可

そんな、ふろぷろ秋田の活動、地域を思う活動に触れられるのが、12月9日(土)13:00〜国際教養大学D棟2階コベルコホールにて開催される「第12期最終報告会」です。

県外出身の二人からは、「地元のことをこんなに深く知っていて、言葉にできて、課題意識を持って行動を起こす高校生がいる秋田県は本当に素晴らしいと思っています。プロジェクトを成功に導くには、地域の人や関係人口の方々の意見が必要不可欠なので、会場・オンライン問わず報告会にお越しいただければ幸いです」とメッセージがありました。

最終報告会の案内

<関係人口としての関わりしろ>

・最終報告会への参加

・高校生のプロジェクトへの協力(アドバイス、伴走支援、その他)

・ふろぷろ秋田の活動へのアドバイザリ(プロジェクト立ち上げ・マネジメント、資金調達・計画・運用、マネタイズその他)

・情報発信やコミュニティづくりの支援

<連絡先・最終報告会お申し込み>

FROM PROJECT秋田 公式HP  

https://www.froproakita.com/

畠山智行

畠山智行

神奈川県横浜市

副編集長

ローカリティ!エヴァンジェリスト
ふるさと:
宮城県仙台市(出身地) 
秋田県湯沢市(自分で選んで移住した土地その1) 
神奈川県横浜市(自分で選んで移住した土地その2)

何気ない日常がどんなに尊く、感動に満ちているか、そのことに読者の皆さんが気付けるメディアに成長させていきたいと思います!

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