【動画】2度目の成人式、声高らかに〜第2章〜

「大曲の梵天」行事の期日前までに道具の製作がなんとか完了し、いよいよ「巡行」だ。「巡行」は大きく「会員巡行」、「企業巡行」、「夜巡行」、「恩師巡行」の4つに分かれる。

  • 会員巡行…「大曲昭和五十五年会」の会員宅を訪ね、会員と家族の厄を払う。
  • 企業巡行…地域の企業・商店の厄を払い商売繁盛を祈願する。
  • 夜巡行…「企業巡行」を夜に行うもの。
  • 恩師巡行…母校の中学校に赴き、感謝を伝える。

それぞれ複数日にわたって行われ、筆者はこのうちの「会員巡行」に同行取材した。

取材時はいつも気温が低く、雪が降りしきっていた。下は黒のスラックスと長靴、上はYシャツに学年カラー(今年は緑)のネクタイとジャンパー、それにその学年の半纏を身に着ける。これが彼らの正装である。

大仙市の学校の特徴で、各学年にそれぞれ名称が付けられていて、今回は「新樹」学年。半纏の背中にも大きく「新樹」の文字が描かれている。

会員巡行は最初に口上を述べる。そこでは、友との幼い頃の思い出や絆に対する想いが語られる。

「亡くなった母親にもこの姿を見せたかった。でもここにいる皆のことは話したことがある」
「奉納が終わったあともこの関係を続けたい」
「お前は俺の親友なんだから、引っ張りあって行けたらと思う」

さまざまな口上に、参加者が気持ちを涙としてあふれさせる場面もあった。カメラを構える私にも気持ちが伝わってきて、目頭が熱くなった。製作中に何度も繰り返し練習した「梵天歌」を歌っているときも、彼らの気持ちはあふれていた。こらえきれない涙を拭い、声を震わせているのが分かる。

視界一面が真っ白な雪に覆われる中、そこだけは互いを思いやる暖かい雰囲気に包まれていた。

(写真)「大曲の梵天 巡行編」のワンシーン

(次章に続く)

渡部生

第1期ハツレポーター / 秋田県大仙市

生まれは秋田県にかほ市で、仙台市の大学で建築・まちづくり・震災復興の勉強をして、社会人になってからはデザイン関係の仕事をしていました。
現在は大仙市の地域おこし協力隊を行っています。いろんなカタチで地域の魅力を発信できたらと思っています!!