御供物。
それは、ご先祖様や故人が天国で安らかに眠れるよう偲んだり、私たちが現世で元気に過ごしていることを伝えるものです。
一般的にはお菓子や飲料、お花などが主流のようですが、世界広しと、変わった御供物があるものです。このハツレポは全国の珍しい御供物をお届けするローカルネタシリーズです。御供物から見えてくる独自の地域性に迫りました!
目次
東京一の低山にある待乳山聖天とは?
今回訪れたのは、待乳山聖天(まつちやましょうでん)。浅草駅から10分ほど歩くと見えてくる、観光客ひしめく中心エリアを抜けた、落ち着いたエリアです。
浅草といえば、浅草寺(せんそうじ)が有名ですが、実は徒歩圏内にたくさんの寺院が存在します。待乳山聖天は、浅草寺を本山とする宗派・聖観音宗(しょうかんのんしゅう)の寺院になります。
名前の通り、実はここは山。その高さ、9,990m。一般的な建物の3階よりも低く、東京で1番低い山と言われています。
そんな特徴ある地域にある待乳山聖天。敷地内に入ってすぐ、本堂へと向かう途中に御供物の正体を知るヒントがありました。
ん?
このスーパーでよく目にする見慣れた形状は・・・大根!?
びっくり!身近な野菜がお供えされている神社
そうなんです、この待乳山聖天の特徴的な御供物は、大根。
なぜ大根なのでしょうか?
境内で頂いたパンフレットによると、「大根は深い迷いの心、瞋(いかり)の毒を表すといわれており、大根を供えることによって聖さまが体の毒を洗い清めてくださいます」と書いてありました。その結果、心身ともに健康になり、良縁を成就し、末永く夫婦円満でいられるようになるのだとか。
大量の大根は何処へ?フードロスしない仕組み
気になったのは、大量の大根の行方。
本堂を見る限り、1日に数十本はお供えされているようでした。
そこで見かけたのが「お下がり大根」コーナー。
なんと、前日お供えした大根は「お下がり大根」として、1人1本を上限に無料で配布されているようでした。大根には、食紅で「御供物」と印がありました。これは、ご利益がありそうですね!
ちなみに筆者が到着した時には1本も置いてなかったのですが、帰り際には準備されてありました。なので、これもある意味運試し。タイミングよく出会えた貴方はラッキーです!
いかがでしたでしょうか?
浅草へ来た際には、ぜひ足を運んでみてくださいね。
待乳山聖天
・住所:〒111-0032 東京都台東区浅草7丁目4-1
・アクセス:浅草駅(東京メトロ銀座線・都営浅草線・東武スカイツリー線)より徒歩10分・ホームページ:http://www.matsuchiyama.jp/access.html