長崎県の離島、壱岐島(いきしま)の北西部には、湯本(ゆのもと)温泉という療養規定値約15倍の高濃度温泉がある。湯本には11の温泉施設があり、その全てが自家源泉でかけ流しという贅沢さを誇っている。壱岐の温泉旅館によると「東の草津、西の湯本といっても過言ではない」と温泉の質には絶対の自信を持っています。
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湯の上に浮かぶ膜のようなものは「湯の花」。垢ではありません
超高濃度温泉というだけあって、お湯には温泉成分が凝縮されています。お風呂には、膜が貼ったような感じ、また白いぽろぽろとしたものが浮かんでいることがあります。これは垢や汚れではありません、温泉成分が固まった「湯の花」です。特に一番風呂は大きな膜がピシーっと貼っていて手を入れるとまるでパキパキと音がするような感じで、一瞬、手に取ることができます。
15倍の高濃度温泉で湯治施設として利用される
湯本には温泉旅館と、一般的にいうお風呂屋さんのように日帰りのみでの利用ができる温泉施設の2種類があります。日帰り利用の温泉施設も、かつては宿泊施設が併設されていたところが多いといいます。療養のために長期間施設に滞在し温泉に入る、「湯治(とうじ)」の目的で利用される方が宿泊していました。その名残で、館内には個室が並んでいます。
効能は神経痛やリウマチ、冷え性、外傷などで、短い時間つかるだけで体を芯から温めてくれる効果があります。現在も膝の痛みや疲労回復のため毎日のように通うお客様もいるそうです。
大浴場か家族風呂か
温泉施設でも旅館のように大浴場か家族風呂かを選ぶことができます。利用料は一人700円前後なので、1人で来ても家族風呂を利用するという人もいるそう。筆者も家族で、家族風呂を愛用しています。普段は1人で入るお風呂ですが、家族で入ると違ったぬくもりを感じることができます。壱岐島民と触れ合いたい方や壱州弁を聞きたい方は大浴場がおすすめ。島民の温かさで身も心も温まります。
写真はすべて筆者撮影