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兵庫県と京都府にまたがる旧・丹波国だった丹波地方は、朝晩と日中の寒暖差が大きい気候的な特徴があるためか、紅葉の名所がいくつもあります。
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中でも毎年楽しみにしているのは、丹波篠山市でも京都府や大阪府との府県境に近い市の東部に位置する宝鏡山洞光寺(ほうきょうざんとうこうじ)という曹洞宗の古刹(こさつ)の境内に広がる紅葉です。
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紅葉というのは、植物の専門家に聞くと、最低気温が8℃以下になると色づいてくるとのことですが、今年は10月に入っても丹波高地らしからぬ猛暑が続いていたため、見頃が1カ月くらい先延ばしになってしまいました。
洞光寺について簡単に説明します。
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南北朝時代1374年に天鷹祖祐(てんようそゆう)大和尚が、丹波国多紀・氷上(ひかみ)両郡最初の曹洞宗寺院として創建しました。
足利将軍家や丹波守護細川氏の支持を受け、丹波三寺の一つとなり、江戸時代には十万石の格式を与えられ、末寺も53ヶ所に及ぶほどでした。
参道や菖蒲池、楼門、宝鏡岩などがある境内を覆うように広がる多くの紅葉の老木は、池にその姿を映しながら、大変見事なものです。
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近年は京阪神からの紅葉狩り客ばかりか、インバウンドで来日する外国人観光客までが、狭い参道をバスを連ねて訪れるほどの人気スポットとなりました。
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