今年度、秋田大学の大学生たちが大仙市で、稲の種蒔きから酒づくり、販売までを自分たちで行うプロジェクトを進めている。種まきから収穫、酒造りから販売まで、慣れない中、悪戦苦闘する姿を密着取材した。
育苗器で育てられた稲はあっという間に成長した。そして田植えが行われる。田起こしなどの準備は、すでに秋田清酒の酒づくりの職人・蔵人(くらびと)達が行っていた。
最初に蔵人が田植え機に乗り、手本を見せた。苗は素早く一直線に植えられた。次に学生が乗る。ゆっくりと動くが、苗はぐにゃりぐにゃりと曲がっている。表面上は平らに見えても、田んぼの土の中の密度は一定ではなく、車輪を取られ、意外と真っ直ぐに植えるのは難しいのである。
学生達は交代で田植え機に乗り込み、交代と同時に、感想や自分が短い時間で手に入れた技術を仲間と共有していった。
秋田清酒の社長も乗り込む。「定規を引いたかのようにまっすぐ植えてやる」と豪語した。「曲がったらいいのに」とニヤけながら、蔵人は社長を応援していた。そうして本当に「定規を引いたかのようにまっすぐ」植えた。
こうして大人数で楽しくワイワイしながらの田植えは終わりを迎えた。