丹波地方に住んでいると、秋の紅葉見物は毎年の大きな行事の一つです。
それほどに紅葉の名所が各所に見つかるのです。
色とりどりの鮮やかなモミジも絢爛(けんらん)で素晴らしいのですが、豪華な懐石料理の間の箸休めとでもいいましょうか、輝くような黄色に色づいたイチョウの葉というのもまた味わい深いものです。
市内の近所にイチョウの見事な大木がそびえるお寺があることを思い出し、ウォーキングも兼ねて取材・撮影してきました。
そのお寺は通称・槇が峰千軒坊(まきがみねせんげんぼう)と呼ばれる宇土観音霊場 清瀧山弘誓寺(せいりゅうさんぐせいじ)という孝徳天皇白雉(はくち)年間だった(650年〜654年)に草創された曹洞宗の古刹(こさつ)です。
当初は天地山極楽寺と称され、ご本尊は仙人一刀山礼の手になる面貌円満威徳殊勝(めんぼうえんまんいとくしゅしょう)の聖観世音菩薩です。当時、その槇が峰一帯には僧坊が軒を連ねていて、現在まで「槇が峰千軒坊」と伝えられている仏法繁盛の霊地です。