〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜
富山県富山市の名産として、長年、地元のみならず全国で親しまれている鱒(ます)の寿司をつくっている「源(みなもと)」は、斬新な発想で新商品「Rejyu(レジュウ)」を生み出しました。
もともと富山は、鱒だけでなく鮎(あゆ)や鰤(ぶり)なども名産の魚介王国で、富山県内には富山ます寿し協同組合もあるのです。
そんな富山で110余年「ますのすし」を販売している「源」のルーツは江戸時代に遡ります。もともとは料亭や旅館業を営んでいましたが、明治時代に入り鉄道という新たな時代の流れに乗り「駅弁業」をはじめました。それまでは「鮎(あゆ)寿司」が富山の名物とされていましたが、新たに富山を代表する名物に「鱒寿司」を育てたいという想いから、富山駅弁「ますのすし」の販売を始めました。時代を経て、「ますのすし」は富山のお土産として全国に広まりました。
ほかにも「源」が扱う様々な寿司やうま煮などが全国的にも有名となっています。
鰤やカニ、氷見(ひみ)産牛の寿司も堪能
Rejyuは、富山米を使い、調理の当日に精米したお米で寿司をつくっています。鱒または鰤がそれぞれ20個ずつ入った商品と、鱒や鰤にくわえて、カニ、氷見産牛、甘エビ・タマゴ4つずつが入っているバラエティパックがあります。
Rejyuのネーミングは、【冷柔】冷凍を柔らかく、召し上がった方が穏やかで楽しい気持ちになるようにという想いから生まれました。販売開始前のテスト販売では、1.5カ月で約90セットも売れたのだそうです。
引き締まった身のおいしさ、しっとりとしつつも旨味を感じるシャリの味わいは冷凍品とは思えないような逸品です。
冷凍でも旬の味を。伝統を時代の流れに乗せて進化を続ける
「源」の冷凍事業課の大参峻(おおみ・しゅん)さんは、「冷凍でもこんなに良いお寿司が味わえることを、世界に発信したいです」と話しています。もともと料亭も営んでいたことから、味やサービスへの想いも強く、寿司や「源」の歴史を楽しく学べる「ますのすしミュージアム」も運営しています。
この富山には富山藩主の前田家のお殿様に鮎の寿司を献上していたという貴重な寿司文化があります。「源」ではその寿司文化を守りながら時代の流れとともに、鉄道を利用し全国へ届けたり、冷凍技術の進化を利用しさらなる美味しさを遠くに住む人にも届けています。
時代の潮流を乗りこなしながら、これからも「源」は新たな歩みを続けます。