まちの銘菓「別府かるかん」を訪ねて…… 大分県別府市

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〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜

 

山芋、米粉、砂糖、水を使った鹿児島県特産の軽羮(かるかん)。古くは薩摩藩の御用菓子で明治時代に一般の人々の間に広まった、九州地方の代表的な蒸し和菓子です。

大分県別府市石垣。大分空港から車で40分。今日は、かるかん一筋「有限会社かるかん堂中村家」を訪ねてみましょう。

お椀型のかるかん饅頭は他と向きが異なる。口溶けの良いこし餡入り。

山芋の土を水で洗い、皮を丁寧に除き一晩ほど浸水。昔と変わらない手作業で、蒸し上がりはふっくら。独特な風味と食感を生み出します。

素材の味を最大限に活かす。毎朝擦りおろされる山芋は10kgを超える。

材料の配合や作り方は創業より変わらず。他との大きな違いは、キメの細かさ。それが、昭和45年設立「有限会社かるかん堂中村家」のかるかんです。

元々水分が多めなかるかん。圧倒的なのは、そのしっとり感。お客様からは「中村家さんのかるかんはしっとりとしておいしい」という声が多くあります。

材料を擂り潰しながら撹拌。約1時間後、練り物のような仕上がりに。

かるかん饅頭作りは1日平均3000個、繁忙期には1万個にも及ぶ。

愛らしい丸みのかるかん。蒸し上がりの、お米の香りがしてくるよう。

代表取締役社長4代目の中村有志(なかむら ゆうじ)さんは、関西大学卒業後、兵庫県で就職。20代後半より再び家業に携わり、40歳で社長に就任。現在は商品の製造や配送などにも関わる多忙な日々を送ります。

店内には季節を感じる草花たち。お母様の圭子さんの風情ある演出。

棹物(さおもの)と呼ばれる縦長は全4種。丁寧にカットされる。

「別府土産」にとかるかん作りを始めたのは、福岡県から移住してきたお祖父様。昭和27年創業「かるかん堂中村家」は戦後、温泉地・別府の町の復興と共に歩み続けてきました。

包装紙や外観も昔ながら。「添加物・保存料不使用の完全無添加は日持ちが短く、商品管理も大変です」と有志さん。それでも変わらぬ味を守り続け、まもなく創業70年を迎えようとしています。

餡なし「白雪(しらゆき)」も要注目。コーヒーとも相性良しと有志さん。

近隣からは、小銭を握りしめてやって来る小学生の姿。食べる人に寄り添い、愛され続ける「中村家のかるかん」への想いは深まるばかりです。

「観光で別府を訪れるお客様に『大分に来れば、中村家さんのかるかんだよね』と言われたい」。

そんな中村さんおすすめの食べ方は、袋を開け電子レンジで20~30秒。蒸し器でさらに出来立て。オーブントースターなら2~3分。周りの焦げ目がカリッと香ばしく、そのモチッと感は格別です。

今日食べた味はきっと、明日の旅へと続くでしょう。

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田畑詞子

田畑詞子

秋田県秋田市/第1期ハツレポーター

秋田出身。2001年清泉女子大学文学部英語英文学科卒業。東京、横浜から2度のUターンを経た後、現在は地元秋田で新しい発酵文化を創るために活動中。一般社団法人日本スイーツ協会スイーツコンシェルジュ、記事の取材・執筆に携わる。希望は泡立て器とペンで生きること。これからは「ことばの森」を育てたい。

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