ルポ 筆者・渡邉貴裕が見た能登はいま。地震と豪雨の二重被災と立ち上がる人々の声【石川県輪島市・穴水町・七尾市】

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地震で倒壊した輪島市の五島屋ビル。(現在は解体中)いかに激しい揺れだったかを物語っていた。(2024年10月28日撮影)

 2024年元日の夕方、宮城県でも緊急地震速報が鳴った。すると、「石川県の能登半島で震度7の地震が発生」というニュースが流れた。家屋の倒壊や輪島朝市の火災なども発生し、東日本大震災を経験している者としては本当に心が痛む話だった。

 そして、能登半島地震から1年足らずの9月21日には奥能登豪雨による豪雨被害に見舞われ二重被災となり、再び避難生活を余儀なくされた人々もたくさんいたことであろう。

 筆者は能登半島地震から10カ月近く経った10月28~29日に北陸へ行った際、被害が大きかった地域にも立ち寄ることにした。

 早速、金沢駅から輪島行きの特急バスで向かった。穴水町入りするに連れて被害状況の深刻さを物語る様子が多く見られた。復旧や復興なども途上にあると感じるぐらい時が止まった感じの様子だった。

バスの車窓から撮影した穴水町にある神社の被害状況(2024年10月28日撮影)
バスで穴水から輪島に向かう途中、豪雨被害もあったせいか所々で土砂崩れが目立った。(2024年10月28日撮影)
輪島駅前には多くの仮設住宅が並んでいた。(2024年10月28日撮影)
手つかずの輪島ステーションホテル(2024年10月28日撮影)
ホテル出入り口には「危険」判定の貼り紙が残されていた。(2024年10月28日撮影)
家屋の倒壊もあちらこちらで。(2024年10月28日輪島市にて撮影)
もうすぐ解体が始まる被災家屋。立会済みの貼り紙も。(2024年10月28日輪島市にて撮影)
輪島市中心部の被害も大きくブルーシートを掛けた建物も目立った。(2024年10月28日撮影)
輪島朝市付近は立ち入り禁止も。(2024年10月28日撮影)
郵便ポストも投函不能の状態に。(2024年10月28日輪島市にて撮影)
前へ進もうとする復旧工事も始まっていた。(2024年10月28日輪島市にて撮影)
復興を祈る看板も見られた。(2024年10月28日撮影)
被害は橋にも。通行止めとなっていた。(2024年10月28日輪島市にて撮影)

倒壊を免れた輪島駅前の寿司店を訪れた筆者は、店主から被害の話を聞いた。元日はお休みのところで地震に遭遇したものの4カ月後の5月には営業を再開し、9月の豪雨の影響はなかったとのことだった。当日は仮設住宅の住民も寿司店に来店していた。復興へ前進する様子が見られた。

バスとのと鉄道で七尾市に向かい、七尾駅の近くのホテルで一夜を明かした。すると、「がんばろう!能登」と力強いメッセージが書かれていた看板を見つけた。(2024年10月29日撮影)

休業中の温泉旅館加賀屋にて。他にも休業中の温泉旅館も目立った。被害は和倉温泉を含む七尾市でも目立った。(2024年10月29日撮影)
加賀屋にも大きな地震の爪痕が見られた。(2024年10月29日撮影)
能登島が見える場所では立ち入りも禁止されていた。被害も深刻だった。(2024年10月29日撮影)
被害はここにも。亀裂部分から道路にも温泉が湧き出ていた。(2024年10月29日撮影)
復旧・復興支援に対する感謝のメッセージ。(2024年10月29日撮影)
和倉温泉総湯(日帰り入浴施設)付近にて。お湯が出ない状態だった。(2024年10月29日撮影)
和倉温泉総湯の足湯も休止中だった。(2024年10月29日撮影)

 筆者は日帰り温泉「総湯の湯」に浸かり、従業員に元日のことを尋ねた。「元日は夕方4時まで営業をして清掃中に地震に遭遇した人もいた」と話していた。それでも3月26日に営業を再開したとのことで、筆者としては「心温まる希望の湯」だった。

和倉温泉のバスのりばにて。七尾と輪島を結ぶ定期観光バスは運行休止を示す線が引かれていた。(2024年10月29日撮影)

 バスのりば窓口係員の女性は、約20年前に中国から来日して石川県の七尾市に住居を構えている。「元日はお休みのところ激しい揺れに襲われた」と話した。住んでいる集合住宅にも亀裂が入り、9月の豪雨でも雨漏りがした。豪雨被害は七尾市にも発生していた。

 メディアや世間話だけではわからない。実際に見聞きして被災者(当事者)の話を聞かないと情報を得られないことも多い。少しずつ日常を取り戻しつつ前進している様子が見られた。二重被災に見舞われている姿を見てショックを受けた筆者のできることは、能登半島に足を運んで元気づけられたことしかない。

 もうすぐ、地震から1年。どんな思いで年を越すのか。

 1日でも早く日常が戻ってくることを願っている。

 そして、地震前よりも大きく成長して復興することを願っている。

※画像はすべて筆者が撮影。

渡邉貴裕

渡邉貴裕

宮城県仙台市

第3期ハツレポーター

宮城県生まれ。現在も宮城県仙台市に住んでいる根っからの宮城県民です。趣味は旅行と読書ですが、最近では仙台の街が好きでまち歩きも楽しんでいます。主に仙台を中心とした魅力を発信します。時には市外となる場合もありますので、何卒よろしくお願いします。

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