〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜
大阪府豊中(とよなか)市は千里(せんり)ニュータウンをはじめとする関西地域のベッドタウンとして知られていますが、国指定名勝西山氏庭園をはじめ、桜塚古墳群や原田城跡、社寺などの歴史遺産が市内に多く残され、郷土資料館や日本民家集落博物館など、文化財に親しみながら学べる施設も充実しています。
豊中市では1998年から2010年にかけて、豊中市の歴史について書かれた『新修 豊中市史(全11巻)』を刊行し、地域の歴史を知りたい方などにPRしています。文化行政にも熱心な豊中市が市史をふるさと納税の返礼品に採用し、読んでもらうことで「豊中市の魅力発信」につながるように願いが込められています。
『新修 豊中市史』ならではの多角的な視点
『新修 豊中市史』は、他の自治体にはあまりみられない、自然、考古、古文書・古記録など部門別に分けて刊行する部門史制を採用したことが特徴です。通史編2巻と部門史編9巻の全11巻で構成されています。
1959年から1963年にかけて『豊中市史』が発行されたのですが、1986年の市制施行50周年を機に『新修 豊中市史』の編さんが始まりました。
当時の市史編さん委員会などがかかわり、豊中市の文化財、自然史、古記録を網羅した市史ができました。研究者や郷土史家以外の方には、あまりなじみがない自治体史ですが、地域の魅力を発見するきっかけになるよう豊中市は普及を推進しています。
話題性あふれる返礼品、地域の歴史に親しみやすく
今回、『新修 豊中市史』を返礼品に選んだことについて、豊中市行政総務課課長の小原美紀(おはら・みき)さんは「実際に寄付したいという方に対してだけでなく、話題性としてもインパクトがあり、本市の魅力や歴史の発信につながると思います」と返礼品への思いを教えてくださいました。
全国でも自治体史を返礼品に選んでいるところは珍しく、『新修 豊中市史』への注目も高まっています。豊中市文書館の國司誠(くにし・まこと)さんは「今後は、豊中市にゆかりのある承久の乱など地域にまつわる企画も計画していきます」と、将来的な展望についても話してくださいました。
奥深い豊中市の歴史を調べたい、そんな方にぴったりの返礼品といえそうです。