〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜
「できるだけ美味しいものを作る。熟成の限界を超えるということを考えて、氷結熟成に取り組んでいます」
そう語るのは、兵庫県丹波篠山市に拠点を置く食肉加工・卸販売、司フーズ・システム株式会社取締役管理部長の三宅雄輔(みやけ ゆうすけ)さんです。
商標登録もされているという独自の「氷結熟成(特許第6511576号)」とはどんなものなのでしょう?
「北海道などの北国で、冬の間雪の下で寝かせた野菜が甘くなる、というのがありますよね。お肉は凍るか凍らないか、ぎりぎりの温度を保つことで細胞が生きようとしてうまみのもと、アミノ酸を蓄えます。そのぎりぎりが難しいんですが、10年かけて開発して、やっと完成した技術が氷結熟成です」
畜産物が凍る温度は-1.6度前後。0℃から食材が凍る手前の温度帯を氷温帯といい、氷温熟成はそのギリギリの温度で管理したものなのですが、さらに氷結熟成とは、その凍結点以下の温度で肉を凍らせず熟成させるすごい技術なのだそう。
「まず豚を半分に切った枝肉の状態で低温の熟成庫で1週間熟成させ、その後切り分けてパーツごとに真空パックし、スラリーアイスというごくごく細かいジェル状のアイスにつける。このスラリーアイスこそが氷結熟成のための技術なんです。この第2熟成に2週間、トータル3週間かけて熟成させます」
氷結熟成によって、グルタミン酸は熟成前の2倍以上にもなり、脂のくちどけが良く、柔らかくうまみの増したお肉になるそうです。
黒豆入りソーセージも 地産地消に取り組み進化を続ける
司フーズ・システムは、氷結熟成という技術を駆使し、新たな商品開発に日夜励んでいます。中でも、新商品の黒豆入りボロニアソーセージがおすすめと三宅さん。
「丹波篠山の名産品である黒豆を入れたボロニアソーセージです。塩辛いソーセージの中に甘い黒豆。相乗効果でうまみが増すというか、とにかく美味しいし、ほかにはない商品なので、ぜひ一度食べていただきたいです」
三宅さんのご実家は黒豆農家。このボロニアソーセージの中にはご実家の黒豆も入っているそうです。
「丹波篠山だけでなく、本社のある三田市の三田ポークを使うなど、地産地消も意識しつつ、お客様のニーズに合わせて美味しいお肉を食卓にお届けしたいです。これまでは加工・卸が中心でしたが、今後はネット販売にも力を入れていこうと思っています」
丹波篠山で生まれる美味しいお肉はこれからも進化を続けそうです。