「情報発信を通して島の景色、人の想いを次世代に繋げていきたい」パラレルワーカーがつなぐ宮古島の未来【沖縄県宮古島市】

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沖縄県は2023年度、たくさんの「お宝=魅力」をもつ離島各所の事業者さんたちが、SNSなどの『デジタルツール』を利用してさらに魅力的な発信をしていけるように「沖縄県主催🌺価値を伝えて売りまくるためのデジバズ講座」という取り組みを行っています。 この記事は、参加された事業者さんを対象に、「ローカリティ!」のレポーターがその輝く魅力を取材し執筆したものです。沖縄離島の魅力をご堪能ください。

tumuguは沖縄県宮古島市で「島の景色、人の想いを100年先に、つなぐ」を企業理念にCommunication×Designを活かした「空間装飾・イベント設計・Photo&Movie」などのサービスを展開しています。

tumuguの代表である前里修彦(まえざと・しゅうひこ)さんは空間デザイナー、行政と地域自治体との会議のファシリテーター、Webメディアなど複数の事業を立ち上げているパラレルワーカーです。宮古島の人々がより幸せに、いかに宮古島の歴史・文化・風習が廃れることなく存続していけるかを考え、宮古島の現在と未来を、そして人々を「つむぐ」ことに注力しています。

「宮古島の社会課題を自分の経験とスキルで解決したい」

前里さんは沖縄民謡や祭りなどの文化・風習が日常にあふれている宮古島の原風景の価値を大切に感じています。

「地域の社会問題を解決する会議に参加していた際に、急激に変化する宮古島を取り巻く環境に戸惑い、将来の宮古島に不安や危機感を感じながらも想いをうまく言語化することができず戸惑っていたり、半ば諦めのような喪失感を覚えている方々に出会いました。また、利益優先社会における郷土愛の欠如により、島の大切な原風景が失われる危険性を強く感じました」と前里さんは話します。

そこで前里さんの宮古島の外に出ていた経験と宮古島の島民としての経験から、宮古島の将来をどうあるべきか、今まで培ってきた仕事のスキルで、生じる社会問題を解決する方法を模索するようになります。

島に溢れる価値に気づき、多様性と可能性を感じてほしい」Webメディアを通して情報発信

「島という独特の閉鎖的環境により『自分が動いてもなにも変わらない』という虚無感や無力感を抱く場面が多々あります。また、日々の生活に余白がなく、日常に溢れる豊かさや先人たちが紡いできた文化や風習の価値に目を向けることが年々難しくなってきているように感じています」」と前里さんは話します。

前里さんは宮古島の20〜40代の子をもつ親世代と将来の島を一緒に支えるその子供(中高生)に向けて島の幅広い情報を発信することで、島にある仕事の多様性と可能性を感じてくれるのではないかと考えました。

そこでインスタグラムで島内で働く人の想いを紹介する【ミヤコノシゴト】というWEBメディアを立ち上げ、情報発信を始めました。

大人には、自分たち大人が子供に誇れる価値ある仕事をしていることを、子供にはリールやTikTokなどのショート動画で宮古島の仕事の魅力や可能性・多様性をアピールできるのではないかと考えました。

掲載された方からは想いや考えが言語化できてスッキリし、自分の価値観が上がったとの声があり、手応えを感じています。

今後は島の仕事をはじめ歴史や文化・風習などの情報リテラシーの情操教育とWebメディア【ミヤコノシゴト】をはじめとする様々なコンテンツ造成・発信を通して信用・信頼を高めていきたいと話します。

島民と行政、お互いがリスペクトできる未来を目指して

前里さんは無秩序な乱開発によって、宮古島の資源や魅力が少しずつ擦り減らされ、風景や環境が変化していくことによってこれまでこの島を好きで大切にしてくれていた方が離れていっている現状を憂いています。歴史・文化・風習を大切にし、土地や住民の方々への敬意の気持ちを持って来島していく方が増える観光の在り方を模索しています。そして、宮古島で生活する住民や行政、民間事業者を含め、島のこの先の未来へ責任を持ち、想像と創造を丁寧に行なっていく場の設計を重要視しています。

対話を通してみんなで考え、想いを言語化し、将来を見据えた行動をとらなければならないと考えているなか、島民・移住の人に関わらず、島の問題を自分のこととして捉え、魅力を大事にし、自分の想いを発信する人もいます。

「そういう人にフォーカスし、彼らの思考の整理や想いの手伝いをしたい」と前里さんは語ります。

先人たちがこれまで大切に紡いできた文化・風習が日常にあふれている100年後の島を目指すため、前里さんは今日も島の情報や魅力をデザインし、発信していきます。

未来に向けての開発によって、もたらされる幸せと原風景を大事にする心持ち、両方を得たり、体験しているからこそ感じるバランスの難しさ、どちらがよくてどちらが悪いわけではないが、大事なのは島民と行政がお互いにコミュニケーションを取り、理解し、リスペクトすることで、前里さんの目指す「未来に責任を持って、島の景色・人の想いを100年先に繋ぐ」ことが実現できるのではないかと考えさせられました。

【事業者情報】

tumugu<宮古島市> 

instagram:https://www.instagram.com/miyako_no_shigoto/

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原田優也

原田優也

東京都世田谷区

第6期ハツレポーター

はじめまして。こんにちは。千葉県船橋市出身。世田谷在住。生粋の関東っ子ハラダです。いつかノマド暮らしをして、全国をぷらぷらしながら、新しい発見と発信をしていきたいと願う人です。若輩者ではありますが、よろしくお願いいたします。

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