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ビバ柑橘王国!みきゃんもいるよ!?
ミカンのような子犬の「みきゃん」がキャラクターになっているくらい、私が住んでいる愛媛県はミカンの生産量が多いことで知られています。
ちなみに愛媛県は、ミカンは有名ですが、子犬は特に有名ではありません。
更にちなみに、みきゃんの誕生日は、2011年11月11日で、「ワンワンワンワンの日」だそうで、思いのほかミカンというよりも子犬を前面にアピールしてきます。
あ、今年(2022年)で11歳だから、ワンワン歳ですね。
更に更にちなみに(しつこい)、みきゃんの邪魔をすることを仕事としている「ダークみきゃん」なんてのもいます。
尚、ダークみきゃんの誕生日は、「いつ生まれたのかわからない」とのことで、すこぶる雑な扱い。
(愛媛県HP参照:https://www.pref.ehime.jp/h12200/mican-kanzume/profile_mican.html)
という感じで、県をあげてのミカン推しではあるのですが、なんと愛媛県のミカンの収穫量は、2004年を境に和歌山県に全国1位の座を明け渡し、2020年には静岡県にも抜かれて、全国3位になってしまいました。
ただし!
ミカンに限らず柑橘類の品目数の多さでは、愛媛県は1位となっているのです!
ビバ柑橘王国!
「持ってけ!」と渡されたいろいろな柑橘にニヤニヤ
減ったとはいえ、そうは言っても収穫量全国3位なので、ミカン畑はまだまだたくさんあります。
大人になってからはミカンを食べることはほぼなくなっていましたが、2年前に愛媛県に住むようになってから、地域の方からミカンをいただくことが多く、冬はミカンばかりを食べて過ごすようになりました。
▼「持ってけ」と手渡されたミカン。
ありがたいです。
代表的な「温州ミカン」だけでなく、「紅まどんな」「せとか」「甘平」「でこぽん」「はっさく」等、いろいろな柑橘をいただき、ひとりでこっそり味くらべをしてニヤニヤしながら楽しむことができます(こっそりしなくても良いです)。
▼いただいた柑橘の一例。
左が「甘平(カンペイ)」、一番右が「紅まどんな」、手前の3つが「名駒のコミカン」というミカンで、真ん中のソフトボール位の大きさの黄色いのが「文旦」です。
超かわいいコミカンを食べてみた
名駒のコミカンは、ピンポン玉よりひと回り小さい、縦2cm程、横3.5cm程という超小さいミカンです。
▼皮を剥いたらこんな感じでした。
かわいい。
ただ、外果皮を剥く手間を考えるとちょっと微妙ではあります。
「手間>食」といった感じで、費用対効果に見合っておらず、2個ほど食べると面倒になり、続けて何個も食べることは困難です。
「こんなの一口であっという間だぜ!」
と豪気にパクッと食したいところではありますが、なんとしっかりと種が入っているので、咀嚼は慎重に行わないといけません。
むぅ…。
でも味は甘くて美味しく、香りも良いので、ミカン大好き人間の方にオススメです。
ちなみに名駒のコミカンは、愛媛県の指定天然記念物だそうです(食べても大丈夫)。
次は大物。高知の文旦と対決
食べたことあります?
文旦。
調べてみると、文旦の全国の収穫量は、高知県が第1一位。
しかもその割合は、驚異の全国収穫量の95%前後なのだとか(ちなみに愛媛県は全国2位ですが、収穫量はたったの2%ほど)。
それにしても95%とは、どれだけ高知の人は文旦好きなのかと驚きますが、土佐料理は美味しい物ばかりなので、きっと文旦も美味しいに違いありません。
今回、その高知県の文旦をいただいたので、さっそく食べてみることにしました。
▼文旦ビギナーの私の為に皮の剥き方の紙までいただきました。
ありがたい。
▼左のは、愛媛に来てから購入した柑橘の皮むき器。
マストですね。
▼紙に書いてある通り、まず頭とお尻を切ります。
▼皮むき器で分厚い外果皮に切り目を入れたら、渾身の力で引き剥がします。
▼とにかくやたら皮が硬く、しかもなかなか剥がれないので、結構大変です。
文旦の「剥がされるまじ」という気迫を感じます。
先ほど「ソフトボール位の大きさ」と書きましたが、皮を剥いたらまさにソフトボールみたいなのが出てきました。
ソフトボール投げで、「はい。どーぞ」と皮を剥いた文旦を手渡したら、恐らく何人かは気づかずに遠くへ投げてしまうでしょう。
で、次は房ごとに分けたいので、まずは実を二つに割りたいのですが、これもまた、まぁ硬いこと。
あのですね。
貴兄らが思っている3倍は硬いのですよ。
ですが、50年も生きてきて、文旦に負ける訳にはいきません。
こっちは、趣味で格闘技までやっているのです。
文旦に負けるくらいなら、格闘技なんてやる資格はないのですよ。
硬いといっても柑橘なので無理やり裂くと汁が飛び散るのではないかと、文旦にちょっと気を使っていたのですが、そうも言っていられません。
実の上のオヘソみたいなところ(果しん)に両手の親指を渾身の力で突っ込んで、気合もろとも引き千切ってやりました。
▼フゥ。
なんとか割れました。
この日しばらく親指からは、文旦臭が取れませんでした。
で、後は房ごとに分けて、薄皮を剥いていくだけですが、ここからがまた大変。
なんとヤロウには狂ったように種が入っているのですよ。
よっぽど子孫を残したいのでしょう。
しかし中には膨大な種を忍ばせているクセに鋼鉄の外果皮を纏っている、という矛盾に彼は気づいているのでしょうか。
それとも子孫を残したいのではなく、ただ単に捕食者である私を困らせたい、という悪意のなせる業なのでしょうか。
もしそうであるならば、文旦の目論見は大成功です。
▼みっちり種がついています。
歯並びが良くない歯のことを「乱杭歯」と言いますが、もう「文旦歯」って言った方がイメージしやすいのではないでしょうか。
「あの人の歯って、文旦の種みたいだね」みたいな。
種を除くのはとても面倒くさいのですが、ここまで来て諦める訳にはいきません。
その後、何とかひと房ひと房、薄皮を剥き、ようやく文旦を剥き終わりました。
▼ちなみに今回は2個の文旦を剥きました。
1個終わった後に気力が萎えかけましたが、気合で2個目も剥きました。
2個目はもっと上手く剥けるかなと思いましたが、面倒になってきてどんどん雑になり、実が千切れたりして、更に上手く剥けませんでした。
▼奇跡的にキレイに剥けた実。
▼種の残骸。
発芽することなく捨てられていきました。
ごめんよ。
肝心の味ですが、思ったよりも酸っぱさもなく、丁度良い爽やかさで、噛むたびにひと粒ひと粒が口の中で弾けます。
一時は、あまりの剥きにくさに嫌いになりかけた文旦ですが、とても美味しくいただきました。
歯なんかに例えてごめんよ、文旦。
ということで、愛媛県に来ると色々な柑橘を食べることができますよー(文旦は高知県の物でしたが)という話でした。