近年、全国的に知られるようになり、さまざまな加工品が作られるようになった「いぶりがっこ」。「いぶりがっこ」とは、燻製した大根を糠や塩で漬物にする、秋田で古くから保存食として食べられているソウルフードだ。
このたび私の手元に届いたのは、『いぶりがっこ炊き込みご飯の素』。
炊き込みご飯だけでも美味しいし、いぶりがっこだけでも美味しい。それが合体して美味しくない、わけがない。と、いうことで早速調理してみた。
いぶりがっこと椎茸。これらはいずれも乾燥した状態だ。そして、人参、ごぼうと、比内地鶏の炊き込み用スープ、計3つの袋が入っている。
お米を研いでザルにあげ、水を捨てる。炊飯器に研いだお米とそれぞれの袋の中身を入れる。鶏肉を入れるのもオススメと書いてあったので、私は鶏肉を一口大に切ったものを50gほど一緒に入れた。
指定のあった分量の水を入れてスイッチオン。30分ほどすると、炊飯器から蒸気が上がり、それとともにいぶりがっこの香りが部屋に充満する。いよいよ炊き上がり!
具が大きく、見た目も豪華な炊き込みご飯が完成した。
炊き立てを頬張ると、いぶりがっこの香りが口の中にふわぁと広がる。乾燥野菜や干し椎茸の旨味、比内地鶏のコクと豊かな風味が相まって、とても美味しい。クセがあるいぶりがっこの香りは強すぎず、他の具材と仲良くしている感じがとても良い。
美味しさの秘訣を知りたいと思った私は、先月下旬、商品を製造する秋田県仙北市の株式会社アルクに電話で取材を申し込み、話を聞いた。
アルクの広報担当者によると、商品は、2019年に大仙市で行われた「いぶりがっこ二次商品開発コンクール」で最優秀賞を受賞した、大曲農業高校生のアイデアを商品化したものだという。
新鮮なものを新鮮なうちに加工するのが一番のこだわりで、いぶりがっこや野菜は全て地元産を使っている。しかも、使うのは商品にならない規格外のもので、いぶりがっこ屋も農家もうれしいというおまけ付き。乾燥されたいぶりがっこや野菜は真空パックになっていて、半年近く保存が効く。
いぶりがっこを細かく切って乾燥させたことで歯ごたえが和らぎ、子どもからお年寄りまで安心して食べられるという。調理が簡単で、日持ちもする。
こうした理由もあって、秋田から遠く離れて過ごしている県出身の大学生に応援キャンペーンでこの商品を送る試みがあり、好評を得たという。
担当者は「美味しさと懐かしい香りがぎゅっと詰まった秋田の味を県出身者だけではなく、たくさんの人に食べてもらいたい」と話す。
「がっこ」とは秋田弁で漬物のことを意味するのだが、雅に香るという「雅香(がこう)」が語源であると聞いたことがある(諸説あり)。
ぎゅっと詰まった雅な香りが、簡単に味わえる、いぶりがっこの炊き込ご飯を一度食べてほしい。
【購入するには】