
カラフルなお絵描きカーとともに日本を旅しながら絵と言葉をプレゼントする活動をしているささをかみさきさん。(以下、さささん)
「あなたが生きていてくれてありがとう」の気持ちを込めて、出会った人々に絵と言葉がセットになった「こととえ」をプレゼントしています。
さささんが目指すせかいは、”愛されているということ”を大切にして生きていくことができる『やさしいせかい』
そんなせかいをのために、日本、そして世界へ旅に出て「愛」「人生」「生きる」「幸せ」ということを探し続けています。
さささんとの出会いは宮城県気仙沼市。
さささんの作品に触れると自分にやさしくできる瞬間がふっと訪れて
「いまの自分のままでも充分すてきなんだ!生きててよかったぁ」と思わせてくれるのです。
そんな作品を届け続けるさささんの思いとは?お話を伺いました!

旅先で出会った人がお絵描き。人に出会う旅、デザインが変わっていきます。
目次
たくさんの生き方と価値観に触れ、全国各地に帰る場所をつくりたい
さささんの旅のスタイルは、全国各地で1カ月から3カ月間住まわせてもらう代わりに、自分ができるアートやデザインを通してお手伝いさせていただく。
自分ができることで役に立つ代わりに住まわせてくださいというスタイルです。
そんな旅を始めたのは、
「いろんな生き方とか価値観、目一杯の生き方、価値観の幅を知ったうえで、じゃあ自分はこれをチョイスしますっていう選択、『私はこの生き方でいきます』とか、『私はこの価値観でいきます』みたいな選択ができるように、たくさんの価値観の幅を知りたかったから」
さらに、「いろんな全国各地に帰る場所を作りたいなっていう思い」がありました。
さささんは、20歳の時にうつ病のために大学をやめ、その後フリーターとして生活します。しかし、いったんは落ち着いたものの再び25歳の時にメンタルを病んでしまいました。そんなとき、出会ったのが宮城県の”気仙沼”という場所でした。
気仙沼で過ごした3年で得たこと
「気仙沼での3年間の生活のなかで元気になったんですね。気仙沼にはいろんな生き方の人がいて、すごいみんな優しい。すごく優しくて、家族みたいに接してくれるんですよね。
気仙沼に血のつながらない家族みたいな人がたくさんできて、その安心感がすごい今も旅に出てからもあって。
だからここに帰れば家族がいるから大丈夫、のびのび好きに生きていけるぜ、自由に羽ばたけるぜみたいなところが日本にいくつもあったら、すごい安心できるんじゃないかというか。
社会はどんどん変わっていくし、明日何が起きるかわからない世の中ですけど、最後に私を救ってくれるのはそういった家族のような人間関係だったりするんじゃないかなと思うので、暮らしながら旅をしてですね」
さささんにとって、「帰る場所」ってどんな場所ですか?
「無一文になっても『もうダメなんですけど』みたいに、色々人生ダメなんですけどみたいな感じになっても、一旦『わかったわかった』って言って。『一旦わかった、帰ってこい』って言ってくれる場所かな」
とお話しされるさささんから、たくさんの場所に自分のことを「いったんここに帰っておいで」と救ってくれるひとがいるのが伝わってきました。
絵と言葉で伝えたい「ただ、そこにいてくれればいい」
さささんは旅をしながら出会ったひとびとに絵と言葉「こととえ」を届けています。
作品を受け取ったひとからさささんへ届く言葉は、
「『ささがいるから大丈夫』って思える」
スマホに入れている人、トイレに貼っている人、机に貼っている人…。
さささんの作品は届いた人のそばにいつもあって、「ささがいるから大丈夫だよ」と語りかけてくれています。
そんな作品は、どのようにして生まれてきているのでしょうか。

自分が心を病んだ時に一番救われた言葉
作品づくりのきっかけは自身の心の病を患った経験から。
自分の心のよりどころ、ひとりじゃないって思える瞬間を求めて、その時の自分に送りたいものとして絵を描き始めたことでした。
「私の絵の根底にある思いは、『1人じゃないよ』とか、『私がここにある、この絵があるっていうことは、この絵を描いた私がいるっていうこと。つまり1人じゃないよ、大丈夫だよ』ただそこにあなたが生きててくれる、いてくれるだけでいいからね』という思いです」
「ただそこにあなたが生きててくれる、いてくれるだけでいいからね」という言葉は
さささん自身が心を病んでいた時に一番救われた言葉でもありました。
「自分が心を病んだ時に一番救われた言葉がそれだったんですよ。
『ささちゃんがそこにいてくれるだけでいいから』っていう言葉にすごい救われて。
『ただそこにいてくれればいい』っていうことを絵とか言葉で伝えて、それが届いた人も安心感が得られたりする。普段はあれしなきゃこれしなきゃみたいなのが掻き立てられる世の中だと思うんですけど、私の絵を見た時に『あ、そうだった、私は私のままでいいんだ』とか。『ただ今ここにいることが、一番素敵なことなんだ』ふっと肩の力を抜けるというか、焦ってたり不安だったものが、ちょっと穏やかになる」
「自分が生かされた言葉とか、自分が一人じゃないっていう寂しさの拠り所になるために、絵を描いて作品にしている。そして、自分が感じたことが作品を通して他の人にも伝わっていってるようです」

「あなたが生きていてくれてありがとう!」とプレゼント
さささんは、絵を”売る”のではなく”プレゼントする”ということを大切にされています。
そこに込められた思いは?
「私にとって絵をプレゼントするっていうのは、『その人に存在してくれていてありがとう』『あなたが生きていてくれてありがとう』みたいな気持ちです。
言うなれば、『お誕生日おめでとう!』ってプレゼントを贈るみたいなものなんですよ。
お誕生日おめでとうでプレゼントをあげたのに、プレゼントの代金が返ってきたら『違う、そうじゃない』みたいになるじゃないですか」
さらに、プレゼントされた人がまた他の人へそのプレゼントをしてくれる。
そんなつながりも願っています。
「絵の力を信じています。私がプレゼントした人が『今自分にはこの絵が必要だな』って思うなら手元に置いておいていいし、『これは私にはもう必要ないな』って思ったら、また誰か必要そうな人にプレゼントする。そういうこともあってほしいなと思っているから、売っていないのかもしれないです」
作品を”売る”のではなく、お誕生日プレゼントのように「あなたが生きていてくれてありがとう!」とプレゼントをする。そして、そのプレゼントがまたほかのところへ届く。
さささんの言葉を必要としているところに届いて、その人も「ささがいるから大丈夫」と。さささんからまたほかの人へとほっこりできる瞬間が広がっていくのです。

怒りや悲しみにも理由がある。その背景にまで思いをはせる
さささんの人生の夢も目標も世界平和。
しかし、一般的に言われる世界平和とは少し違うもの。それが『やさしいせかい』であり、ものの見方のおはなし。
出来事や現実の違う側面を見ること。ひとりひとりが大切にしていることの背景に思いをはせることです。
「黒いオセロをひっくり返したら白になる。それが、悲しい出来事だと思っていたとして、ただこの裏側にも、実は大切な人との思い出があったり、辛い出来事だったけどそこから学んだとか、喧嘩は辛かったけどそれで仲良くなれたとか、どの側面を見るかという話が『やさしいせかい』」
「争いとかも正義と正義のぶつかり合いですけど、それもやっぱり怒りみたいな感情は何かを守るためだったりもするわけなので、ケンカしてるの良くないよねとか、言い争って良くないねとかじゃなくって、あの人にはあの人が守りたいものがあるんだなとか。
何でその人はそれを守りたくなったのかなとか、そういう背景に思いをはせることで、ただダメとか善悪みたいなのが言われる世界だけど、ただ善、ただ悪とかじゃなくって、その一人一人に大切にしたいものがあると思っています」
どのようにしてさささんの中で、『やさしいせかい』が生まれたのでしょうか。
もしも、現実が変わらなくても、本人の心が変われば「やさしいせかい」になる
「世界平和は戦争がなくなったらそうなるんですか?
貧困がなくなったらそうなるんですか?
差別やいじめや、精神疾患で命を絶ってしまう人がいなくなったときそうなるんですか?
それが完璧になくなることが世の中でどれぐらい難しいかは、自分も心を病んだことがあるし、なんとなくそれが生きている間には難しいだろうということを察しているんですよね。
あとは、人の世にそういう不幸とか悲劇というものが完全になくなるのは難しいのではないかと思っていまして。
戦争はもちろんなくなってほしいし、格差や貧困もゆくゆくはなくなっていくとは思う。
だけど、それが全部なくなったときに世界平和になるってなったとしたら、今の時代を生きている私たちはそこに行けるんでしょうか?
生きている間に行けないのだとしたら、ちょっと切ないなと思いまして。
だからこそ、私が目指しているのは『やさしいせかい』なんです。厳しいことはいろいろあります、人生にも世界にも。そのなかで、違う側面を見ること。
これは今すぐできる。だって一人一人の生き方の話だから。現実が変わらなくても本人の心が変われば、世界は『やさしいせかい』になれると思う。
そのために、私のアート作品を届けています」
“愛されているということ。”「やさしいせかい」が絵本に
さささんのこれまでの人生の集大成として生まれた作品が
絵本”愛されているということ。”です。
「そこには愛されているっていうことは、愛してるよって他人から言ってもらったりすることじゃなくって、もっと言葉じゃない、いろんなところに愛が詰まってるし、自分自身が自分を愛してあげることも愛されてることだよとか、自分主体で愛を見るというか生きるを考えるとか、そういう作品になっていて価値観に訴えかけるものとして。生き方もそうだね」

日本からアジア、そして世界へ。これからも旅を続けて見つけたいもの
さささんは、9月から日本を飛び出し、アジアの旅へ出かけます。
そして、絵本 ”愛されているということ。” を海外で出逢った人や場に届けます。
「私はいつか、世界共通の『愛している』『愛されている』『生きている』ということとか、『幸せって何だろう?』を探したいんです。
それが50歳とか60歳とか晩年になるかもしれない。
だけど、全世界の人が、『そうだよ、そうなったら優しいよね』って思える表現を私は見つけたいんです。それが『やさしいせかい』です」
さささんのテーマは「愛」「人生」「生きる」「幸せ」
これまで、日本全国を旅してひとと関わる中で生み出されてきた「愛」「人生」「生きる」「幸せ」の考えと作品たち。それは日本の外に出た時に伝わるのだろうか。どのように受け取られるのだろうか。旅先のひと・土地と向き合い、なぜ自分の考えが伝わらないのだろうか。と考えながら世界共通の「愛」「人生」「生きる」「幸せ」ということを探しに行きます。
「愛ってそういうことだよね、幸せってそういうことだよねって、みんながうなずけるような。今日から自分の人生を愛せるような、そんなものを創りたいですね」


※写真はさささんより提供いただいたものです。
情報
さささんの情報
web:https://sasaokasansan.wixsite.com/sasawoka
instagram:@asagohan.tabeta
note:https://note.com/sasawoka_walks
クラウドファンディング:https://camp-fire.jp/projects/957352/view?utm_campaign=cp_po_share_c_msg_projects_show
さささんの海外旅はInstagramから見ることができます!





