神奈川県茅ヶ崎市茅ヶ崎西浜海岸にて、2023年7月17日(海の日)に、浜降祭(はまおりさい)がコロナ禍を経て4年ぶりに開催されました。浜降祭は茅ヶ崎市の4大祭りの一つ。
海岸に数多くの神輿が集まり、禊(みそぎ)を行う行事です。早朝に行われることから「暁の祭典」とも呼ばれているそう。
今年は、茅ヶ崎市と寒川町の各神社34社から39の神輿が集まりました。
「お神輿が海に突入するお祭り」と聞いて、茅ヶ崎市に移住してまだ1年と少しの筆者は、想像を膨らませながら当日を迎えました。
目次
浜降祭の起源は170年も前!?
茅ヶ崎市のHPによると、「今から170年ほど前の天保9年(1838)、寒川神社の神輿が例年春に行われる国府祭(こうのまち)【大磯町国府本郷】に渡御した帰途、相模川の渡し場で寒川の氏子が争いを起こし、川に落ちて行方不明になってしまいました。
その数日後、南湖の網元である孫七さんが漁の最中にこのご神体を発見し、寒川神社に届けたことを契機に、毎年同神社の神輿が、そのお礼のため南湖の浜に赴き、『禊(みそぎ)』をするようになったと言い伝えられています。
一方、江戸時代後期に幕府がまとめた『新編相模国風土記稿』によると、鶴嶺八幡宮では、寒川神社のお礼参りよりずっと古い時代から、心身の罪や穢れを清める『みそぎ』の神事を行うため、毎年、浜辺への渡御が行われていたとあります。
このように両神社の伝承は、古くから語り継がれ、それが後世になって合体して定着し、その後明治9年(1876)にこれまで旧暦の6月29日に行われていた『みそぎ』神事を新暦の7月15日と定め、名称も”浜降祭”と呼ばれるようになりました」と記載があります。
伝統を受け継ぎ、今の時代にも愛されるお祭りなんですね。1978年には神奈川県の無形民俗文化財に指定され、1982年には「かながわのまつり50選」にも選ばれています。
お祭り当日の進行スケジュール
お祭りの当日のスケジュールは、例年このような流れだそう。浜卸祭初心者の私達は、7時の式典に合わせて自転車で浜へ向かいました。
・宮出し 0:00~2:00頃
各神社によって時間が異なり、遠い神社ほど早く出発するそうです。遠い神社では、少し神輿を担いだあとは、お神輿はトラックに積み、担ぎ手はバスで浜まで移動します。
・浜辺到着 4:00頃
夜明けと共に到着したお神輿が、ズラッと並ぶ様子は壮観。
・式典 7:00
たくさんの人々に見守られ、厳かに執り行われていました。
・浜からのお発ち 8:00
順番にお神輿が動き出し、海へと向かいます。
「どっこい!どっこい!」の掛け声が勇ましく、海に突入していくのを実際に見るのはドキドキしました。一生懸命、真剣な表情の担ぎ手や、神社ごとに特色のあるお神輿は見応えたっぷりです。
・地元渡御(地回り)
地元に帰ってきたお神輿が、各自治体や企業などを周りながら休憩しつつ進みます。
・宮入り 夕方頃
お神輿が神社に帰り着きます。担ぎ手にとっても長い1日の終了です。
初めての浜卸祭に行ってみて
改めてスケジュールを調べて見ると、真夜中に神社を出発(宮出し)をして、神社に戻る(宮入)夕方まで、長い1日なのだなと思いました。お神輿の重さは400〜500キロほどで、暑い日差しの中、地元の方たちの「家内安全」「無病息災」を願い、毎年担いでくださる担ぎ手の方たちに大感謝でした。
地元に根ざし、地元の人々が熱狂するお祭り、とても素敵でした!
茅ヶ崎に住んでいる間に、ぜひ一度は担いでみたい!季節を感じ、皆で力をあわせ、伝統を守り、全力で楽しむ!お祭りがある街はやっぱりいいですね。
夏本番、お祭りシーズン到来です。皆さんも、地元のお祭りを探して、足を運んでみてくださいね。
情報
【茅ヶ崎海岸浜降祭保存会】
HP:http://www.chigasaki-cci.or.jp/hamaori/index.html
※各写真は2023年7月17日著者撮影