「湘南祭を残していきたい。みんなの喜ぶ顔が見たいから」茅ヶ崎の4大祭りのひとつ「湘南祭」が4年ぶりの開催【神奈川県茅ヶ崎市】

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1994年よりスタートした「湘南祭」が神奈川県茅ヶ崎市にて、コロナ化を経て4年ぶりに令和5年5月27日・28日に開催されました。

湘南祭ゲート(著者撮影 2023年5月)

都内より湘南エリアに移住して1年の私。初めて「湘南祭」を訪れたのですが、ちびっこからお年寄りまでビーサンを履いて、屋台飯を食べながら海を眺め、まったりと過ごしたり、音楽を聞いたり、スポーツに興じたり、思い思いに過ごしている様子に「湘南らしいなー!」と感激しました。

そして海で飲むビールはとても美味しい!

まったりする人々。写真奥ではビーチラグビーが開催(著者撮影 2023年5月)

湘南祭は、サザンビーチちがさき(茅ヶ崎海水浴場)で開催される複合型ビーチイベントで、多数の市内事業者による飲食をはじめ、ステージ、スケートボードパーク、ビーチラグビー、プロレスイベントなど、食べて美味しい、見て楽しいイベントです。

調べてみると大岡越前祭・浜降祭・サザンビーチちがさき花火大会と並んで、茅ヶ崎4大祭りに肩を並べているビックイベントなのだそう。

今回は、お祭りの裏側が気になったので、湘南祭実行委員会副委員長の岩瀬望美さんに湘南祭の裏話を含めてお話をお伺いしました。

保健所の許可を取るのに苦労した屋台。メニュー数を1品にすることにより許可取得にこぎつけた。(湘南祭実行委員会提供 2023年5月)

「湘南祭がなくなるかも!?」地元住人が手をあげ規模を縮小することにより4年ぶりの開催へ

「湘南祭の実行委員会は4年前は60名くらいいたんです。規模が大きくなりすぎてしまって、いろいろとトラブルや問題もあって、もう湘南祭は止めようかという話も出ていました。しかし、『先輩たちが作り上げてきた祭りを後世につなげたい』と、後に湘南祭実行委員長に就任した林さんが手を上げて、実行委員会のメンバーを一新し、5人に規模を絞ることなどにより、湘南祭を実施することができました」

過去最大の合計12万人の人出(湘南祭実行委員会より提供 2023年5月)

「湘南祭は協賛金で成り立っているイベントです。砂浜でイベントをするのには、砂浜の整地やトイレ・水道の整備、ステージ設営などで、1,000万くらいお金がかかるんです。協賛金集めは、商工会議所を通して私たち実行委員会が『お願いします。お願いします!』と頭を下げて走り回って600万円を超える協賛をいただきました」

お祭りは行けば楽しいけれど、裏側でこんなにも走り回って、頑張ってくれている人がいるからこそと思うと、なんだか感慨深いですね。

イベント企画の難点「ゴミ問題」アップサイクル活動でゴミ削減へ 4カ所あったクリーンブースを1カ所まで減らす試み

「今回の湘南祭では、『 Welcome Back!〜茅ヶ崎の魅力再発見〜資源循環大作戦』というスローガンを掲げました。今までは規模が大きくなったこともあって、茅ヶ崎以外の出店者も出ていたのですが、今回は茅ヶ崎の商工会議所に加入している人だけにして、茅ヶ崎の地域の人が出店できるようにしました。

そして、イベント活動する上でのゴミ問題について勉強したところ、ゴミはゼロにはならないということが分かり、それならば、せめて資源として循環をさせたいと思い、このスローガンを掲げました」

湘南祭パンフレット(湘南祭HPより)

各出店者には、「エディッシュ」という、コーヒーのカスや果物の皮から作られ、使用後はコンポストに入れると堆肥になるお皿と、「再生する紙コップ」という、使用後は工場に送り返すことにより紙として再生する紙コップを、それぞれ300個づつ配布。

クリーンブースは例年だと4カ所設置していたのを1カ所のみとし、食器と紙コップ合わせて計147kgが回収されたそう。

資源循環ブース。左より、永田輝樹県議、岩瀬さん、河野太郎代議士(湘南祭実行委員会より提供 2023年5月)

「クリーンブースを1カ所にしたともあり、ゴミを帰り道に捨てられたらどうしよう?と不安も大きかったけれど、結果的にはみんなが循環型食器をクリーンブースに持ってきてくれたり、その他のゴミは持ち帰ってくれたので、ほとんどゴミが落ちていませんでした」

循環型食器の使用と、あえてクリーンブースを一カ所にしたことが来てくれた人の意識を高めたのかもしれません。燃えるゴミにならずに、資源を循環させることができたのは大きな一歩ですね。

茅ヶ崎の「横乗り」文化をイベントに組み込む!イベント内で「スケートパーク」を設置

設置されたスケートパーク(湘南祭実行委員会より提供 2023年5月)

スケートボード・サーフィンなど、進行方向に対して体を横にして乗るスポーツを「横乗り」といいます。茅ヶ崎はサーフィンやスケートボードが盛んな場所です。

「スケートボードパークは今回初めてつくりました。茅ヶ崎にはサーフィンをはじめとした横乗り文化が強いのに、ちゃんとしたスケートパークがないんです。今回湘南祭でつくったパークを、湘南夢わくわく公園に寄贈しました」と岩瀬さん。

気になったので、後日公園に見学に行ってみると、小さな子から大人までスケートボードを楽しんでいる様子が見れました。「湘南祭」が形として残っていて、それがみんなに喜んでもらえているのは素晴らしいですね。

湘南夢わくわく公園に移設後のスケートパーク(著者撮影 2023年6月)

来年の湘南祭開催へ向けて

「みんなの喜ぶ顔を見るために、やっぱり湘南祭を残していきたいので、実行委員会のメンバーをもう少し増やして頑張っていきたいですね。環境にも配慮した湘南を茅ヶ崎から発信できるように取り組んでいきます」と語ってくれました。

賑わう飲食エリア(湘南祭実行委員会より提供 2023年5月)

湘南祭終了後も継続して、茅ヶ崎の環境を考えていく「チガエコ・トーク」という勉強会を、さまざまな再生可能エネルギー事業を展開している「J パワー茅ヶ崎研究所」の協力のもと開催していくそう。

来年には更に環境にも配慮し、パワーアップされた「湘南祭」が実現しそう!お祭りを影で支えてくれる方達に感謝し、来年の開催を心待ちにしたいと思います。

情報

【湘南祭】

HP:https://shonanfestival.com/#top

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杉本咲樹

杉本咲樹

神奈川県茅ヶ崎市

編集部記者

神奈川県茅ヶ崎市在住。1歳児の母。
現在は宿の立ち上げ・運営をしながら、ゆるく湘南ライフを楽しんでいます。日本はヒッチハイクで、海外はコロコロパッカーとして30カ国程度旅した経験もあり、ローカルな魅力が大好きです。

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