愛媛県今治市の「とびしま海道」に岡村島(おかむらじま)という瀬戸内海の離島があります。そこで不思議なお地蔵様と出会いました。
ところで、しまなみ海道・・・ではなく、とびしま海道です。
ご存じでしょうか??
安芸灘とびしま海道は、広島県の呉市の安芸灘諸島と愛媛県今治市の岡村島が7つの橋で繋がっているルートです。
岡村島は愛媛県なのに愛媛県とは橋で繋がっておらず、広島県と橋で繋がっているという、なんだかちょっとモヤモヤする島なのです。
この岡村島は、サイクリングには丁度良いコースで、比較的平坦な海沿いの景色の良い道を気持ち良く走ることができるので、本当にオススメですよ。
特にこれといった観光スポットはないのですが(失礼。でもそれが良いのだと思います)、瀬戸内国立公園の「観音崎(かんのんざき)」という名所があります。
観音崎のビーチ
その観音崎で「歯痛地蔵(はいたじぞう)」なる何とも不思議なお地蔵様と邂逅。
左手でほっぺたを押さえて痛みに耐えているように見えます。
立膝というお地蔵様にあるまじき、やさぐれた座り方からも尋常ならざる痛みであると想像できます。
岡村島の歯痛地蔵様
ボロボロになっていますが、薄っすらと「歯痛地蔵」という文字が見えます
それにしても。
お祈りすると歯痛が和らいだり、治ったりするというご利益があるのでしょうか。
それとも「身代わり地蔵」ということで、歯の痛みを代わってくれるのでしょうか。
ここでちょっとよく考えてみたいと思います。
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① 歯痛地蔵様は、あくまでも分かりやすく歯痛に耐えるポーズをしているだけ
② 歯痛地蔵様は、身代わり地蔵として、既に人の歯痛を代わりに受けている真っ最中であり、そのためにほっぺたを押さえて激痛に耐えている
③ 歯痛地蔵様は、自身の歯が痛くて押さえているだけ
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①であれば、何の罪悪感もなく
「どうかこの辛い歯痛を治してください」
と切にお祈りができるが、もしも②であれば、困ったことになります。
もう既に痛がっているのに
「いやー、痛がっているところ悪いですけど、ここはひとつ、私の歯痛も追加で引き受けてくれないですかねぇ」
などと言う人に果たしてお地蔵様は願いをきいてくれるのでしょうか。
それとも
「あぁ、歯の激痛を治してもらいたかったが、既に痛そうなお地蔵様に私の身代わりになってもらうなんてとてもできない」
と考えた人だけにご利益があり、歯痛が解消したりするのでしょうか。
その辺をハッキリしてくれないと、とてもお祈りにはいけないと思うのですが如何でしょうか。
悩ましいですね。
ちなみに③はもちろん論外。
「はやく良くなりますように」
とどこかでお祈りしてあげることにしましょう。
それにしても今は歯医者さんがいたり、痛み止めの薬があるから良いですが、昔の人は歯が痛くなると「抜く」という選択肢しかなかったのでしょうか?
そりゃ、お地蔵様にでもお祈りしたくなる気持ちも分かりますね。