【実録】カメムシデスマッチ(前編)


■素手vsカメムシ

コロナウイルス感染拡大の影響もあり、地方移住への関心が高まっているそうですね。私も東京から愛媛県今治市に移住したのですが、せっかく地方に来たのだからと、家庭菜園を始めています。

その家庭菜園での虫との戦いについて記したいと思います。

この夏は枝豆を育てています。

枝豆は、まだちょっとしか膨らんでいないのですが、徐々に実もなってきて、この枝豆を食べながらビールを飲むのが楽しみです。

しかし先日、遂に!

愛しの枝豆ちゃんがカメムシの餌食になっていたのです!

茎や葉に何匹も群れを成してムシャムシャと喰い散らかしています。

私のカワイイ枝豆ちゃんが、カメムシなる、虫のクセに他の生き物の名前を付けられたオトボケ野郎に蝕まれているのです。

あまりの光景に絶叫しながら、

虫嫌いの私が!

なんと素手で!

カメムシ野郎を指先でパシッと弾いたのです!

見るだけでもザワザワと鳥肌が立つというのに私の指先がカメムシと接触したのです。

もちろん、これではきっと退治は出来ていません。

ただ追い払っただけです。

しかし、それでも私は続けて他のカメムシ野郎も指で弾きました。

するとあろうことかですね。

指が当たった枝豆が、茎ごと千切れてしまって、吹っ飛んでいったではありませんか。

「ママッ!?」

せっかく育ってきたというのに茎を吹っ飛ばされた枝豆が仰天して、目を見開いて私を見やります(想像)。

「ゴ、ゴメンッ!

あの、カメムシが・・・、その・・・」

必死になって謝りますが、なんと枝豆ちゃんに取り付いている何十匹ものカメムシがニヤニヤと嗤(わら)いながら、私を見ているではありませんか(想像)。

そして遂に私は錯乱しました。

なんと気づいたら、私を嘲笑うカメムシを人差し指と親指で摘み、

「ギャーッ!」

と叫びながら潰していたのです。

プチッ!

と微かに潰れる音がして、指先にカメムシが潰れた感触が残ります。

貴兄らは、カメムシを素手で潰したことがありますか?

貴兄らは、カメムシが潰れる生音を聞いたことがありますか?

私は、あります。

■軍手vsカメムシ

それから数匹潰してやりましたが、カメムシが放つ凄まじい悪臭にふと我に返りました。

「さすがに素手はないな・・・」

とフッとクールに笑い、枝豆ちゃんに

「もうちょっと我慢してね」

と優しく声をかけてから軍手を取りに行って、そこから軍手越しに着実にプチプチとカメムシ野郎を指で潰していきました。

虫にももちろん命があります。

しかし、愛する枝豆ちゃんにたかるカメムシは、もうただの敵でしかありません。

貴女も愛犬や愛猫が、カメムシに食べられていたらやっつけますよね?

そして、最後に害虫駆除のスプレーも噴射し、後顧の憂いもしっかりと断ちました。

しかし、それにしても素手で虫を潰せるようになるとは。

田舎暮らしで、私の隠れていた野生が覚醒したのでしょうか。

このまま何年か経つと、ピーナッツを放り投げて口でキャッチするみたいにして、カメムシをパクついているかもしれません。

■カメムシの逆襲

数日後、またしても我が枝豆ちゃんにたかるカメムシを発見しました。

「やれやれ・・・」

重く深い溜息をひとつついて、手術前の医者のように冷静に軍手を嵌めます。

そして、カメムシを着実に一匹一匹人差し指と親指で摘みプチプチと潰していきます。

貴兄らも、次に私を見かけた際は、「カメムシハンター」と敬ってくださいね。

辺り一面にカメムシの悪臭が漂います。

そんな折、ふと異変に気が付きました。

なんとカメムシを潰している軍手の指先が、何やら赤っぽいのです。

どう考えてもカメムシの体内に血が流れているとは思えません。

「よもや新種の発見か!」

と私の心は色めき立ちましたが、流血するカメムシなんて薄気味悪くて、発見したとしても誰にも言えません。

とりあえず気にしないことにして、カメムシを潰しまわりました。

20~30匹くらいあの世に送ったところで、ほぼほぼ見当たらなくなったので、切り上げて帰りました。

しかし、その時すでにカメムシの逆襲は完了していたのです。

なんと先ほど軍手を赤く染めていたのは、カメムシの体液だったのです。

しかも!

しかもですね、兄貴!!

この体液は「アルデヒド」とかいう有害物質が主成分で、なんと毒というではありませんか。

ただのクサいにおいを巻き散らす、おかしな名前の虫だと侮っていたのですが、野郎はなんと毒まで持っていたのです。

ただ、人体には特に大きな影響はないとのことで、ひと安心。

しかし!

なんとカメムシの体液は、カメムシを何十匹と屠(ほふ)った私の人差し指と親指にしっかりと染み込んでいたのです。

当然ながら指先がクサいのです。

指先がクサいということは、ポテチを食べてもカメムシフレーバーとなるのです。

なんとおぞましいのでしょうか。

▼カメムシの体液に染まった我が人差し指。
なんと石鹸などで洗っても数日はとれないそうです。

絶望。

いったいどこの世界にカメムシの体液が染み込んだ男と仲良くしようと思う人がいるでしょうか。

当然ながら私なら絶対に嫌です。

私なら、

「アイツ、超カメムシ臭くね?」

と陰で悪口を言って、ゲヒゲヒ嗤います。

私は、この日をもってカメムシハンターではなく、カメムシ人間として生きていくこととなったのです。

貴兄らに、これだけは言っておきます。

いくら私に憧れたとしても、素手や軍手一枚でカメムシを潰してはいけない。

絶対にです。

後編へ続く。

ヒョードーミキヒロ

愛媛県今治市/第4期ハツレポーター

大阪→東京→愛媛の今治市、しまなみ海道の大島へ移住。現在、地域おこし協力隊をしながら趣味の格闘技の教室を「GRABAKA 今治大島」という名前で開催中。素通りしてしまうには勿体ない、しまなみ海道のいろいろな魅力をお伝えしたいと思ってます!