葛城館のある高野口駅前は、明治後期から大正時代に多くの高野山参拝客でにぎわう宿場街として栄えていました。
今も現存する唯一の旅館「葛城館」は、
存在感のあるガラス張りの木造3階建て。
中へ足を踏み入れると、ガラス窓から多くの光が入り、
明るい和室が並びます。
細部をよく見ると、
細かい桟が編み込まれた障子、
お花模様が丁寧に彫られた欄間、
細かい模様が刷り込まれている木枠窓、
廊下の角にひっそりあるランプもまたヒラヒラと可愛らしい形状。
書院欄間も丁寧で優美な造りになっており、
当時の大工さんが旅人の疲れを癒そうと、
細部にまで心を配って造られた旅館なのだろうかと、
その昔へ想いを馳せます。
今は国の登録有形重要文化財に指定され、当時の面影を伝えています。
(藤原和香奈さんの投稿)