80種類もの柑橘を栽培する聖地で作られる “本当のみかん” スイーツ

和歌山県田辺市は、紀州南高梅とともに、温州みかんをはじめとした柑橘の産地である。中でも上秋津地区は日本全国でも随一の柑橘の産地で、年間を通してなにかしらの種類の柑橘が収穫されている。そんな柑橘の名産地である上秋津では、「秋津野ガルテン」で柑橘について学び、併設されているカフェで、柑橘をふんだんに使用したスイーツを味わうことができる。

<約80種類もの柑橘が栽培される上秋津>

和歌山県田辺市の幹線道路である国道42号線から山手へ車で5分ほど行った場所に、上秋津という地区がある。上秋津は日本全国でも随一の柑橘の産地で、約1,200世帯の小さな地域で、なんと80種類もの柑橘が栽培されている。冬場によく食べられる一般に「みかん」と呼ばれる温州みかんは主に12月〜1月に収穫され、はっさくは3月上旬〜4月下旬、バレンシアオレンジは7月上旬〜8月上旬など、上秋津では年間を通してなにかしらの種類の柑橘が収穫されている。柑橘好きにとっては、聖地のような場所である。

<柑橘をふんだんに使用した贅沢スイーツ>

上秋津にある「秋津野ガルテン」に併設されているスイーツカフェ「バレンシア畑」では、上秋津で収穫された柑橘を使用したスイーツを食べることができる。夏場には柑橘シロップを使用したかき氷を食べることができ、八朔、日向夏、三宝、橙など、他ではあまり見ない種類ばかりであるため、どれにしようか迷ってしまう。

地元産柑橘シロップのかき氷も魅力的であるが、 “本当のみかん” かき氷は一般的な甘いシロップのかき氷とは一線を画す、大人が楽しめるかき氷となっている。

ふわふわのかき氷の上に、ゴロゴロと果肉がたっぷり乗っており、しっかりとした果肉の歯応えと、さっぱりとした程よい酸味と甘味が、氷の冷たさと相まって、夏にぴったりの逸品である。夏場以外には、柑橘の果肉やみかんのソフトクリームを使用したクレープやパフェなどがあり、年間を通して柑橘スイーツを楽しむことができる。

<様々な柑橘が栽培されることになった歴史>

上秋津で様々な柑橘が栽培されるようになった歴史は古く、江戸時代にまで遡る。その後、明治時代に入って、金柑が多く栽培されて産業化していくが、約130年前の明治22年に大きな変化が訪れる。この年、2日間で900mmを超える雨量の大水害があり、多くの水田が流出してしまった。山林の開墾を余儀なくされた農民たちが、切り拓いた山畑に水はけの良い斜面での栽培に適した柑橘を植え付け始めたことによって、この地域で柑橘の栽培が拡大した。

その後、昭和になり、柑橘の輸入自由化や紀州南高梅の価格高騰によって、近隣地域が柑橘から梅の栽培に転換する中、上秋津は多種多品目の柑橘の栽培に力を入れ、現在に至っている。

上秋津の歴史は、秋津野ガルテンの2階にある展示で学ぶことができる。そんな歴史を噛み締めながら、柑橘スイーツを楽しんで頂きたい。

田中 和広さんの投稿)

和歌山ローカル情報発信Lab.

「和歌山ローカル情報発信Lab.」は、和歌山県が2019年度から始めた「移住者情報発信力強化プロジェクト」事業。合同会社イーストタイムズのメンバーが講師となって、指導・フォローアップ。運営事務局も務める。県内にU・I ターンした移住者が、情報発信のスキルを身につけながら、住民しか知らない「わかやま暮らし」の魅力の可視化と発信を行って県内外の和歌山ファンを創出し、関係人口増や移住定住につなげる取り組み。