2023年11月3日、「第58回琉球王朝祭り首里」が行われました。
会場となった首里城周辺では、歩行者天国の沿道で色とりどりの衣装を着た古式行列を、多くの観衆が見送りました。
日が傾き、少し涼しくなったころ、祭りはハイライトになります。
首里中学校校庭に集まった観衆が、旗頭(はたがしら)の「ガーエー」の開始を今か今かと待ちわびています。
沖縄の獅子舞は多様な文化の象徴
「ガーエー」とは
本来の意味は「争う、決闘、喧嘩」という意味ですが、ここでいう「ガーエー」は「旗頭」を使った演舞を指します。
古くから「村のシンボル」「まもり神」として、村の繁栄の願いをこめて制作され、大綱挽(おおつなひき)を応援する村の旗印となるのが「旗頭」です。
旗頭のガーエーを前にして、校庭にはブルーシートが大きく広げられ、のそのそと獅子舞が現れました。
たくさんの毛に覆われとても大きいその姿は、内地(本州)で見られる、お正月でおなじみの唐獅子模様のそれとは全く異なります。
それを見た私は驚きを隠せず、一緒にいた友人に「あれが獅子舞なの?」と聞いてしまいました。
静けさの中、獅子舞の大きな口を開け閉めする「パコパコ」という音と、鐘の音だけが会場に響きわたり、観衆は固唾(かたず)をのんで見守ります。
獅子は時折舞を止め、なんとも言えない愛くるしい眼差しで観衆を見渡します。
眼差しは愛くるしいのですが、その無垢な表情が邪念を持った人を探し出すように見えます。
腹に一物、叩けばいくらでもほこりの出る私は、心の奥底をのぞかれたような気持ちになりました。
沖縄には「ちゃんぷるー」とか「カチャーシー」という言葉があります。
「ちゃんぷるー」は、ごちゃまぜ
「カチャーシー」は、かき混ぜる
という意味です。
中国や台湾、アメリカなどさまざまな文化を併せ持つ沖縄ならではの風習のひとつが、沖縄の獅子舞なのだろうな。と、感じました。
月夜に舞う獅子舞に、夏の終わりを感じた日でした。
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