〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜
乳製品や畜産品、野菜、魚介類など、「食材の宝庫」といわれる北海道の十勝地方。帯広市にある「トヨニシファーム」では、牛の飼育から加工販売までの一連を行っています。全国にファンを持つ同社の専務・小倉広樹(おぐら・ひろき)さんは、「牛肉で食卓に笑顔を届けたい」と話します。
同社は、雄のホルスタイン「豊西(とよにし)牛」、黒毛和牛とホルスタインを掛け合わせた「帯広牛」の自社ブランドを展開。和牛も合わせて、5200頭ほどを飼育しています。
50頭からスタート、100倍にまで成長。コンクールでグランプリに
創業は1986年。雄の牛が“副産物”と揶揄(やゆ)されていた当時、雄を中心に肉牛として販売したことがきっかけでした。30頭からスタートし、健康な牛を育てるために試行錯誤。飼料に十勝の肥沃な土地で育った作物を混ぜ込み、牛の成長に合わせてえさを変えたり、温度や湿度を保つ換気扇や哺乳機などを導入したりと、汗を流してきました。
努力のかいあって、豊西牛は、肉質を競うコンクール「平成21年度全国肉用牛枝肉共励会」のホルスタイン部門で、農林水産大臣賞の最優秀賞を受賞しました。豊西牛は、赤身が特徴的だが、肉のうまみを存分に味わえるとして、牛肉が苦手な人からも「これなら食べられる」と太鼓判を押されるのだとか。
地元の子どもたちへ食育も 2つのブランド牛で魅力を発信
また、地元の“食”に理解を深めてもらおうと、定期的に地元の学校給食に豊西牛が提供されています。同時に、牛の成長やファームを紹介する映像も見せ、食べ物や命について考える機会になっているそう。
2023年で豊西牛ブランドが完成してから10年。今後は、21年7月にブランド化した「中トロ」のような霜降りが入る帯広牛を増やし、「2本柱で牛肉のおいしさや十勝の魅力を伝えていきたい」と小倉さんは意気込みます。
(大石茜さん)