
2026年6月7日、福岡県久留米市のライブバー「THE DRINKER」で、通算20回目となる「久留米天使園 チャリティーライブ」が開催されました。このイベントは、久留米市出身の俳優・ミュージシャンである石橋凌さんらが東日本大震災の復興支援を宮城県亘理郡山元町で行った際、予想以上の寄付金が集まったことから「地元でも貢献したい」ということになり、その意志を継ぐ同店のオーナー・安達毅(あだち・たけし)さんのもとに、趣旨に賛同する地元のバンドを中心に集結したものです。当日は安達さんが所属するバンド「FunGuys(ファンガイズ)」とゲストボーカルのRieさんがトリを飾り、会場を訪れた70名以上のオーディエンスとともに大盛況で終了しました。

目次
ミュージシャンを輩出し続ける久留米
数多くの偉大なミュージシャンを輩出し、今もなおバンドマンが多く集まる熱い土地柄の久留米。
ちなみに筆者の世代では、90年代以降の日本のギターロック好きなら誰もが名前を挙げる、元NUMBER GIRL(ナンバー ガール)のボーカル・向井秀徳さんが思い浮かびます。
佐賀県でも久留米に近い地域出身の彼は、西鉄(西日本鉄道)久留米駅近辺をもじって歌詞にするなど、近隣の「つやつけた(かっこつけた)」若者が集う地域カルチャーの中心地を体現する存在でもあります。
筆者自身も八女市から西鉄バスに乗り、西鉄久留米駅からデッサン教室に通い、友人のライブに足を運ぶ日々を過ごした地域なので、福岡市内よりも八女市に近い都会である久留米市には思い入れが強く、旧八女市街からはバスのみで行き来できるアクセスの良さから、今もライブを見たり、友人と飲みに行くなど、よく訪れている場所です。
ネットでは見つけられない感動のパフォーマンス
今回の節目となる20回目のライブには、オーディエンス76名、出演者・スタッフ29名の総勢105名が会場に集結し、音楽仲間と近隣の住民が一体となった熱いステージが繰り広げられました。出演陣には、元チェッカーズの藤井尚之さんらとも精力的に活動を共にする、日本屈指のジャンプ・ブルース・バンド「The TRAVELLERS(ザ・トラベラーズ)」のボーカルが所属する「BLACK JACK(ブラック ジャック)」も参加。
さらに、普段は電気設備会社経営の傍ら実直に音を鳴らし続けるベテランが登場し、仕事で関わったお客さんの「電気のアンペア契約が低くてブレーカーがすぐ落ちる家」のエピソードを基にして作ったブルース曲をバンドスタイルで披露。
今の時代に聞くと歌詞についてより深く考えさせられる、忌野清志郎バージョンの「ラブ・ミー・テンダー」のカバーを歌うバンド、凄まじい熱量を持った実力派バンドが次々とパフォーマンスを披露。石橋凌さんが所属した「ARB」のコピーバンドを高校時代にやっていた仲間たちが時を経て、最近活動を再開させたという、歴史とドラマに満ちたバンドもステージを彩りました。大人たちが「好きなことを長く続け、それが誰かのため(貢献)になっている」という背中は、会場を最高にロマンチックな空気で包み込んでいました。

チャリティーライブでひときわ会場を盛り上げたのは、ベテランバンドマンの「カツキサトシ」さんでした。筆者とは若い頃からの縁があり、「THE DRINKER」で再会を果たした特別な存在です。長年にわたりイベントを支え続け、今回も佐賀から多くの仲間とともに参加。客席からカズー奏者が加わる息の合った演奏や、「佐賀の聖子ちゃん」のステージでのギター演奏で会場を沸かせました。また、佐賀へ移り住んだことで、流ちょうな佐賀弁を身につけたギタリストも登場し、ユーモアあふれるトークと演奏で観客を魅了しました。
フロアを見渡すと、小さな子どもたちがスマートフォンを握りしめ、トリを務める「FunGuys」のステージを一生懸命に撮影している微笑ましくも熱い光景がありました。
その姿に、筆者自身もかつて久留米のライブハウスで夢中になって写真を撮らせてもらったり、その写真をもとにライブのポスターを作らせてもらったりした若き日の思い出が鮮やかによみがえりました。
久留米天使園に届けられた寄付金
ふと、後ろを振り返ると、会場は立ち見が出るほどの大盛況。イベントの大きな目的であるチャリティー活動では、入場料に加え、当日のドリンク売上の50%、さらに前日入金やドリンク代のお釣り、ドリンク代の残り50%から仕入等の経費を引いたプラスアルファを合わせ、総額220,000円の寄付金が集まりました。
この寄付金は、全額「久留米天使園」へと届けられました。
音楽がつなげるあたたかい未来
いつもは、音楽を愛する大人たちが大好きなバンドを見たり、飲んだり、カラオケで歌ったり、純粋に盛り上がっている、そんな愛すべき日常の場所。しかし、かつての東日本大震災の復興支援から始まったひとつの熱い想いが、巡り巡って久留米の地でしっかりと息づき、これからの“未来ある子どもたち”へと確実に繋がっている――。
かつて自分が青春を過ごしたこの街で、大好きな音楽が今も誰かの未来を支えている。
そんなあたたかい夜に笑顔で立ち会えたことが、本当にうれしく、余韻に浸りながら帰路につきました。

※写真はすべて筆者が2026年6月7日撮影
情報
THE DRINKER
〒830-0031 福岡県久留米市六ツ門町2-70-1
営業時間:19:00~3:00
定休日:不定休
Facebook:https://www.facebook.com/profile.php?id=100063681724703#
お問い合わせ:drinker@tra.bbiq.jp
公式サイト:https://mentairocker.wixsite.com/drinker





