栄と名駅をつないで賑わい創出! 名古屋の新交通システム「SRT」に乗ってみた【愛知県名古屋市】

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2026年2月、名古屋市都心部に導入された新たな路面公共交通システム「SRT」。名古屋最大の繁華街である栄と、名古屋の玄関口である名古屋駅をつないで、回遊性と賑わいを創出する目的で導入された連節バスです。都心部の名所を効率的に見ることができ、未来的な外観は乗り物好きの心もくすぐります。名古屋観光にも最適なSRTに、初めて乗ってみました。

「SRT」とは?

SRT」とは「Smart Roadway Transit」の略です。洗練されたスマート(Smart)なデザインの、路面(Roadway)を走ることでまちの回遊性や賑わいを生み出す、今までにない新しい移動手段(Transit)という意味だそうです。

栄停留所

将来のリニア中央新幹線の開業を見据え、名古屋駅周辺の整備が進んでいます。名古屋市の「新たな路面公共交通システムSRTの導入 Smart Roadway Transit」によると、名古屋では「100メートル道路」で知られるような自動車優先の広い道路空間が、人の流れや賑わいの連続性を分断しています。また名古屋駅と栄の二大中心地をつなぐ地下鉄東山線での混雑緩和、高齢者や国内外の来訪者にとって負担のない移動手段の必要性もあります。

歩行者にとって利用しやすいSRTは、名古屋都心部をシームレスに、楽しく移動することを目指しているそうです。

SRTの乗り方

栄停留所

SRTには路線バスとは別の専用停留所から乗車します。SRTの車体と同じ、アーバンゴールドと黒のモダンな停留所です。

注意する点としては、SRTの運行日は「金・土・日・月」曜日となっています。火・水・木曜日は運行しませんので要注意です(火・水・木曜日が祝日の場合は運行) 。運行情報・時刻表は公式サイトをご確認ください。

私は普段栄には週の半ばの平日に行くことが多かったので、今回初めてSRTを目にしました。停留所に止まっているSRTの写真を撮っている方もかなり見かけました。

ザ・ランドマーク名古屋栄 

栄停留所は噴水のある「希望の広場」の前です。2026年6月11日に開業したばかりの超高層ビル「ザ・ランドマーク名古屋栄」はすぐ隣です。停留所はこの写真の右手になります。ランドマークは高さ約211m、地上41階・地下4階建ての複合施設で、商業施設(HAERA)、シネコン、オフィス、高級ホテル(コンラッド名古屋)が集まっています。

SRTは栄から広小路(ひろこうじ)通を通って名古屋駅まで行き、また栄に戻ってきます。前扉・中扉・後扉の3か所から乗車できます。現金払いの方は前扉から、車椅子の方は中扉からご乗車ください。

乗車料金は大人210円、小児100円です。運賃先払いです。

決済方法には交通系IC、現金、タッチ決済(タッチ決済対応のカード ・同カードが設定されたスマートフォン、ウェアラブル端末など、デジタルチケット(1DAYパスなどお得なものが販売されています)があります。PayPayなどのQR決済は利用できませんのでご注意ください。また名古屋市交通局のドニチエコきっぷ(土日祝限定の一日乗車券 )やバス全線一日乗車券は利用できません。

実際に乗ってみました!名古屋を代表する新旧建築が見放題

出発時間になったので、栄から実際に乗ってみました。運行間隔はほぼ1時間に1本くらいです。SRT-001車両(1車両目)はメルセデスベンツ製です。

このリーダーにタッチして決済します。ゆったり広々とした車内です。

カウンターのようなテーブル付きなのが、公共交通機関としては珍しいですね。

USB充電ポートがあるので、スマートフォンの充電もできて便利!

まるでリビングルームのようなテーブルのある席も。ドリンクを飲みながら景色を楽しめます。

テーブルや床など、内装のアクセントに木が使われていて、モダンながらも無機質にならずくつろぎを感じるデザインになっています。

バスの連節部です。

車内には景色が透けるディスプレイが設置してあり、名古屋の名所についての豆知識といった観光情報が映されていました。車内アナウンスでも各停留所付近の観光スポット情報が流れていました。

2026年5月25日から、SRT沿線で撮った写真を車内のディスプレイで流してくれるキャンペーンが開催されています。公式InstagramFacebookをフォローし、「#SRTが走るまち」のハッシュタグを付けて投稿! 採用されたらうれしいですね。

オアシス21

栄停留所を出発すると、まずは栄の中心部をグルっと回ります。宇宙船のような栄の映えスポット「オアシス21」の前を通ります。

中部電力MIRAI TOWER

オアシス21の隣には、かつての名古屋テレビ塔「中部電力MIRAI TOWER」が建っています。ホテルや展望台、土産店、カフェなどがあります。栄のシンボルです。

グルっと回ってザ・ランドマーク名古屋栄の前に戻ってきました。ここから名古屋の目抜き通りの広小路通を西に進みます。

SRTは普通のバスよりも滑らかに進むような気がします。乗り心地がいいですね。

栄の次の停留所は「広小路本町」です。やはり普通のバス停よりもちょっとスタイリッシュな感じがします。

THE CONDER HOUSE

昭和初期、広小路通りには数々の銀行や保険会社が立ち並び、名古屋の金融街として栄えてきました。1926(昭和元)年に建てられた旧名古屋銀行本店は、4階分のコリント式の円柱(古代ギリシアの建築様式で、柱頭部がアカンサスの葉の形をしている)が並び威容を誇っています。名古屋市の都市景観重要建築物に指定され、現在は「THE CONDER HOUSE(ザ・コンダーハウス)」というレストランになっています。ぜいたくな造りの内装ですのでリッチな気分でお食事ができます。

三井住友銀行名古屋支店

旧名古屋銀行本店の先には旧三井銀行名古屋支店(現三井住友銀行名古屋支店)があります。イオニア式の円柱(古代ギリシアの建築様式で、柱頭部が渦巻き型になっている)が並ぶ新古典主義の銀行建築で、1935(昭和10)年に建てられました。旧名古屋銀行本店は威厳のある雰囲気ですが、こちらはもっと軽やかで繊細な印象を受けます。

広小路伏見の交差点からは、隈研吾(くま・けんご)氏設計監修の劇場「御園座(みそのざ)」が見えます。歴史的建築物と現代の建築が一度に鑑賞できる、建築好きには楽しいルートです。

旧加藤商会ビル

堀川にかかる納屋橋のたもとに建つのは、国の登録有形文化財「旧加藤商会ビル」です。1931(昭和6)年 に建てられた商社のビルで、ビルの所有者であった加藤勝太郎氏がシャム国(現在のタイ)より名誉領事に任命されたことから、1945(昭和20)年まで領事館が置かれたそうです。その歴史にちなみ、現在は「サイアムガーデン」というタイ料理レストランになっています。 地下は市民ギャラリーになっています。

柳橋交差点で曲がり、名古屋の台所「柳橋中央市場」の前を通り過ぎます。一般の方も新鮮な食材を買うことができます。ランチが食べられるお店もあります。

桜通で曲がると「名古屋駅桜通」の停留所に着きます。地下街のユニモール直結なので、地下鉄を乗り継ぐ場合はここで降りるのが便利そうです。

名古屋駅桜通口

名古屋駅に着きました!

「名古屋駅」停留所はミッドランドスクエアの前です。栄から名古屋駅まで25分ほどと、かなりゆっくり走ります。街の風景を楽しみながら移動したい方には最適ですが、お急ぎの場合は地下鉄東山線の方が早いでしょう。

栄交差点

名古屋駅からはまた広小路通を引き返します。私は名古屋駅では降りず、そのまま栄まで戻ってきました。

普段生活していると見過ごしてしまいますが、広小路通は名古屋の発展の歴史が感じられる通りだと、改めて感じました。

中日ビル

栄 → 広小路本町 → 納屋橋 → 名古屋駅桜通 → 名古屋駅 → 柳橋 → 広小路本町 → 栄

というルートで、40分くらいかかりました。月曜の午後に乗りましたが、席は十分座れました。観光客がくつろぎながら名古屋都心部の雰囲気をつかむのにはぴったりだと思います。

世界の大都市にはよく屋根のない2階建ての観光ガイドバスが走っていますが、210円でガイド音声付きで回れるのですから、かなりお得なのではないかと思います。

SRTのルートにない名古屋城やノリタケの森、徳川美術館、市政資料館などは、なごや観光ルートバス「メーグル」を使って回ると効率がいいでしょう。こちらも1回の乗車は大人210円です。

オアシス21・NHK名古屋放送センタービル・愛知芸術文化センター

SRTに実際に乗ってみると、車内は広々としていて席もゆったりしており、とても居心地のいいものでした。滑らかに走るので、乗り物酔いもあまりしないのではないかと思います。歩道からシームレスに乗ることができるので、大きなスーツケースを持った方やお年寄りの方も乗りやすいと思います。

ただ、現時点では運行日が毎日ではないのがちょっと不便かな、と思います。インバウンドの方は平日にも観光すると思いますし、地元の方にはやや使い勝手が悪いかもしれません。この点については今後改善されると嬉しいですね。

9月11日からは「名古屋駅 – 名古屋城」ルートが運行開始!

三越屋上遊園地

2026年6月現在では栄と名古屋駅を結んだ路線が運行されていますが、2026年9月11日から「名古屋駅 – 名古屋城」ルートの運行が開始されることが発表されました。 10月にはアジア・アジアパラ競技大会のデザインラッピング車両も走るそうです。

運行ルートは
名古屋駅太閤通口 → 柳橋中央市場 → 円頓寺 → 名古屋城 → 名古屋駅太閤通口

となるそうです。名古屋一の観光スポットである名古屋城はもちろん、レトロな雰囲気で人気の円頓寺(えんどうじ)商店街や、レストランに改装された蔵の並ぶ四間道(しけみち)にも行きやすくなりますね! 四間道はしっとりと大人っぽい雰囲気でとても素敵な場所なので、個人的にもおすすめのスポットです。

なおこのルートの名古屋駅の停留所は現在の桜通口のミッドランドスクエア前ではなく、反対側の太閤通口になるそうですのでご注意ください。

また、将来的にはサブカルチャーの発信基地、大須エリアにも運行ルートを広げる予定だそうですので、これも楽しみにしていたいですね。

名古屋都心部を快適に楽しく回るSRTで、あなたも名古屋観光をしてみませんか?

※写真はすべて筆者が2026年6月15日に撮影

情報

・SRT名古屋公式サイト https://www.srt.city.nagoya.jp/
・「新たな路面公共交通システムSRTの導入 Smart Roadway Transit」名古屋市公式サイト https://www.city.nagoya.jp/shisei/keikaku/1009818/1010119/1010123.html
・「SRTの名古屋駅-名古屋城ルートの運行内容について名古屋市地域公共交通協議会に報告します」名古屋市公式サイト https://www.city.nagoya.jp/houdou/3003942/3003945/3004807.html

うえだ あさこ

うえだ あさこ

東京で生まれ育ち、名古屋に住んで20年以上になるフリーライターです。電動自転車に乗り、趣味の写真撮影を活かして取材先を回っています。音楽とアートと建築とお笑いが好きです。

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