「鶴の恩返し」のように地域社会に恩返しするコミュニティ。江戸から令和へつながれた、築250年の酒蔵を再生したシェアスペースとは【山形県南陽市】

3 min 11 views

山形県南陽市漆山(うるしやま)にある古民家再生シェアスペース「つるのこ 「TSURUNOCO」。築250年の酒蔵を改修して生まれたこの施設は、「集い、出会い、語らう。鶴の恩返しコミュニティ」をテーマに、多くの人が交流できる場所となっています。

私がつるのこを取材先に選んだ理由は、歴史ある酒蔵の雰囲気と、落ち着いたカフェ空間にひかれたからです。また、カフェだけでなく、多くの人が集い交流できる複合施設であることにも興味を持ちました。私自身、よくつるのこを訪れており、癒されるとても大好きな場所でもあります。

今回は、つるのこの管理責任者である渡部馨(わたなべ かおる)さんにお話を伺いました。約250年の歴史を受け継ぎながら人と人、そして地域をつなぐ「つるのこ」の魅力や、施設に込められた思いについて紹介します。

特に感動したのは、築250年の酒蔵が現在も多くの人に利用されていることです。建物に入ると、木の温もりや歴史を感じる落ち着いた空間が広がり、時間がゆっくり流れているように感じました。

訪れるたびに地域の人や観光客が集い、楽しそうに過ごしている姿を目にします。また、文化交流や知識共有を大切にしており、ワークショップや発表会などを通して地域住民同士のつながりを深めています。さらに、シェアスペースやイベント会場として活用されることで、多くの人が集まり、地域経済の活性化にも貢献しています。

歴史ある建物を大切に残しながら、人と人とのつながりを生み出し、新たな交流の場として活用されているところが、他にはない魅力だと感じました。過去から受け継がれた建物が、今の時代でも地域の交流拠点として多くの人に親しまれていることに、驚きと感動を覚えました。

つるのこが誕生したきっかけは、空き家となっていた建物について地域の方から「何か活用できないか」と相談を受けたことでした。つるのこを運営する株式会社髙橋木工所の髙橋社長は建物に可能性を感じ、活用方法を考え始めたそうです。当初は蕎麦屋として活用する予定でしたが、地域の人々が気軽に集まれる交流拠点としての役割も加わり、現在のような複合施設へと発展しました。「つるのこ」の名前の由来は「鶴の恩返し」発祥の地が南陽市にあること。物語のように、地域社会や利用者に「恩返し」できるような場所にしたい という思いが込められているそうです。

運営するなかで、古い建物の改修や維持管理、また多くの人に施設を知ってもらうことに苦労したそうです。「地域の人々や若い世代が気軽に集まり、イベントやお店を通して新たなつながりが生まれていることにやりがいを感じている」と話してくださいました。

つるのこは、地域の人々や観光客、若い世代など、さまざまな人が集い交流できる拠点となることを目指しています。また、空き家や歴史ある建物を活用しながら地域の魅力を発信し、南陽市や漆山地区の活性化につなげていきたいと考えています。

今後は、2025年にオープンした「つるのこ 縁屋 (ENISHIYA)」を起点に宿泊事業にも力を入れ、観光やビジネスで訪れた人にも地域の魅力を体験してもらえる場所づくりを目指しています。

「人と人とのつながりを大切にしながら、これからも地域に愛される交流拠点として歩み続けていきたい」と話してくださいました。

つるのこについて

つるのこは、古民家再生プロジェクトによって生まれたシェアスペースです。築約250年の酒蔵の趣を生かしながら、おにぎり専門店「ヤマサイ」をはじめ、古着店、ネイルサロンなど、個性豊かな店舗が集まっています。食事やカフェ、お買い物、リラクゼーションまで幅広く楽しめることが魅力です。

地域の人だけでなく観光客も気軽に立ち寄ることができ、シェアスペースやイベント会場としても利用されています。また、山形景観賞最高賞を受賞しており、歴史ある建物だけでなく周辺の景観も大切に整備され、地域に親しまれる交流拠点となっています。ここでは、そんな「つるのこ」の施設や魅力について紹介します。

  • ヤマサイ
    置賜・南陽の食材を生かし、一つひとつ丁寧に握ったおにぎりを提供する専門店。地域の食文化の魅力を発信しています。
  • 茶道CAFE 青海波
    厳選した抹茶や季節の和菓子、日本茶を使ったドリンクが楽しめる和カフェ。落ち着いた空間で、心安らぐひとときを過ごせます。
  • BOOK CAFE 猫のしっぽ
    店主が厳選した本と香り豊かなコーヒーが楽しめるブックカフェ。特製スイーツや自家製野菜を使った料理も魅力です。
  • USED SHOP クオーレリッコ
    性別や年齢にとらわれず、自由にファッションを楽しめる古着店。個性あふれる古着やシンプルなアイテムがそろっています。
ヤマサイ
ヤマサイ
ヤマサイ
青海波
猫のしっぽ
クオーレリッコ
クオーレリッコ

名前の由来について

「つるのこ」という名前は、日本昔話の「鶴の恩返し」をモチーフにしています。鶴が恩を返すように、地域の人や企業、コミュニティがお互いに支え合い、感謝の気持ちを大切にしながら成長していきたいという思いが込められています。

また、「のこ」に含まれる「Co(コ)」には、「Company(会社)」「Community(地域社会・コミュニティ)」「Collaboration(協力)」「Cooperate(協力する)」「Connection(つながり)」「Coexist(共存する)」などの意味があります。人と人、地域、企業がつながり、協力しながら持続可能な地域づくりを目指すという理念が、「つるのこ」という名前に込められています。

佐藤心愛さんの投稿

情報

住所:〒992-0474 山形県南陽市漆山1788
電話番号:080-2344-1459
営業時間:8:00~20:00
※テナントによって営業時間が異なります。
URLhttps://www.tsurunoco.com/

惺山高等学校&ローカリティ!スクール

惺山高等学校&ローカリティ!スクール

「ローカリティ!スクール」は、地元を愛する全国各地の学生さんと共に「その土地をふるさとと想う人の輪」を広げていくプロジェクトです。

山形県の惺山高等学校では、2022年から「ローカリティ!」を運営するイーストタイムズ編集部によるワークショップを実施しています。生徒の皆さんひとりひとりが、一番好きな山形の「モノ・人・場所・体験」を発掘・取材し、自らの手で記事を制作しました。

その土地に何か想いを持てば、そこはあなたの大切なふるさとになります。生徒さんのフレッシュな視点で綴られた、地元愛あふれる素敵な記事をぜひご覧ください!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です