北海道の風土や開拓スピリットがビールに凝縮!SOCブルーイング【北海道江別市】

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〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜

始まりは、脱サラ起業家の北海道への熱い想い

クラフトビールが盛り上がる北海道で、ブームが始まる前の2002年に創業し、まもなく20周年を迎えるのがSOCブルーイング株式会社です。「NORTH ISLAND BEER」というブランドで、枠にとらわれない自由な発想で常に挑戦しつづける北海道の開拓スピリットが詰まったクラフトビールを全国に提供しています。

代表取締役社長を務めるのが坂口典正(のりまさ)さんです。坂口さんは、バブル時代に栃木県のゴルフ場の副支配人をしながら、脱サラしてベンチャー企業を立ち上げる機会をうかがっていました。北海道に憧れがあり、「北海道といえばビール」というイメージがあったそうで、その頃から起業するなら北海道と決めていたようです。

「Beer is Art」カナダで修行した醸造家との出会い

ビールの試飲をする醸造長の多賀谷壮さん

SOCブルーイングで醸造長を務めるのは多賀谷 壮(たがや たけし)さん。カナダで修行経験のある醸造技師です。多賀谷さんは、カナダのバンクーバーで、地ビールよりも小規模の醸造所で技術を学び、恩師から伝えられた「Beer is Art」という言葉を胸に帰国します。

その後、多賀谷さんは、当時勤めていた会社のお客さんだった坂口さんから醸造所立ち上げの誘いを受け、坂口さん側の脱サラ組2名と、多賀谷さん側のカナダ仕込み醸造家組2名の計4名で、前身となる有限会社カナディアンブルワリーを発足させます。

地ビールブームは風前の灯火。そんな時に、弱小・新規で開業

醸造所の作業風景

1994年の酒税法改正とともに始まった地ビールブームは、創業時の2002年には風前の灯火となっていました。それは、現在のクラフトビールブームが始まる前とも言え、そんなタイミングで「弱小」「新規」で開業した醸造所は北海道には他になかったようです。

「北海道のビールの歴史の新旧でいうと、自分たちは中間だと認識しているが、新規参入者や消費者から見ると古い方と認識されているのではないか」と多賀谷さんが分析したように、この参入タイミングにSOCブルーイングのユニークさがあります。

「やりたくてやっている」を貫いて築いた不動の評価

SOCブルーイングの醸造チーム

まさにチャレンジャーと言えるタイミングで開業した訳ですが、ブームがどうとかリスクがどうとかではなく、あったのは、「ビールが好き、ビールを買って飲むより、自分たちが飲んで美味しいと思うビールを造りたい」という想いと、「お客さまはきっと同じような想いで飲んでくれる、受け入れてくれる」という信念でした。そんな想いと信念で、「やり続けてきたからこそ、評価していただける立場になれた」と、嬉しそうに多賀谷さんは語ってくれました。

札幌の隣町で、農業を中心に「産学官」が揃った江別市へ移転

そんなSOCブルーイングのビール造りの舞台は、北海道の江別市です。元々は札幌市内で開業しましたが、設備が小さすぎてすぐに移転を迫られたそうです。移転先に江別市を選んだ決め手は何だったのでしょうか?

江別市は、札幌のベッドタウンでありながら、農業や食品加工を中心とした産業があり、4つの大学を擁する学園都市でもある、産学官揃ったバランスのよい自治体です。中でも多賀谷さんが注目したのは、高品質な小麦の品種の「ハルユタカ」の産地であること。江別市は、ビールの主原料である麦芽やホップも栽培できるポテンシャルを秘めた、ビール屋としては申し分ない土地でした。実際に現地の農業関係者と連携し、大麦やホップの栽培を試験的に開始しているそうです。

また、工場移転を歓迎し、ある程度大きな商業スペースを紹介してくれるなど、その他、親身になってサポートしてくれた江別市の役所の方や、応援してくれる住民の声も大きかったようです。

北海道の風土や開拓スピリットがビールに凝縮!

SOCブルーイングの5種のレギュラービール

SOCブルーイングのビールには、自分たちのスピリッツと、ブームには左右されない自由なスタイルが現れています。中でも、「コリアンダーブラック」は、ベルギーの一部のビールに使われるだけだったコリアンダーシードをスタウトに入れたらどうなるか?という、当時、世界を見回してもありえない発想で造られたビールです。また、「ヴァイツェン」には江別名産の小麦、ハルユタカが使われており、地元愛も感じさせる優しいマイルドな味わいに仕上がっています。

返礼品の5種のレギュラービールには、どれも枠にとらわれない自由な発想で常に挑戦しつづける北海道の開拓スピリットが込められています。ぜひ、ご自宅で、自然、文化、歴史のある北海道の風土を想像しながら堪能してください。そして、札幌からもほど近い江別市に、実際にその風土とスピリットを体感しに来てください。

栗田宏昭

栗田宏昭

ローカリティ管理者

神奈川県平塚市

第1期ハツレポーター

全米住みたいまちNo.1に選ばれた「ポートランド」で「コミュニティ開発」を学び、「ローカル」の重要性を叩き込まれた。地元の神奈川県平塚市でローカル市民メディア「平塚市民プレス」の立ち上げ経験があり、第二の故郷であるポートランドのカルチャーをクラフトビールと一緒にサブスクパッケージ販売する「桜泥棒BEER」を準備中。

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