四日市の変化を俯瞰できる意外なスポット!港・船・海が見える近鉄百貨店のカフェとエレベーター【三重県四日市市】

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1960(昭和35)年に開店した近鉄百貨店四日市店。近鉄四日市駅に直結しており、地域の百貨店として長く愛されてきました。なかでも注目されたのが、1992(平成4)年に行われた大規模なリニューアルで、四日市の海を臨むカフェとエレベーターが完成しました。以来、30年以上にわたって地元の癒しスポットとして親しまれています。

近鉄百貨店四日市店を訪ね、魅力あるスポットを探してみました。

コーヒーとワッフルと海を楽しめるスポット

まずは、百貨店の最上階、11階にある「サロン ド テ モロゾフ」にやってきました。洋菓子店・モロゾフが展開するお店です。季節のパフェやプリン、アーモンドワッフルなど、女性客に人気のメニューが揃っています。

▲きらきらした窓枠にも気持ちが弾みます

この席に座ると、正面が海。運が良いと、海はもちろん船を見ることもできます。今日はどうでしょうか――。

▲一隻、航行中のようですね!

眼下を走るのが、近鉄四日市駅とJR四日市駅を結ぶ中央通りです。中央分離帯にはクスノキが植えられており、鮮やかな緑が印象的。これを目で追っていくと、奥に海、さらに航行中の船が見えます。コーヒーを飲んだりおしゃべりをしたりしている間に、気がつくと船がかなり動いていたなんてことも。ちなみに、筆者は窓際の席で本を読みながら、気分転換することがよくあります。

四日市の変化を実感できる意外なスポットかも

四日市は、江戸時代には東海道の宿場町、明治以降は海運、港湾業など港を中心に繁栄した街です。かつては海に近い国鉄四日市駅(現在はJR)がにぎわいの中心で、近鉄四日市駅も国鉄駅に近い場所に位置していました。しかし、1956(昭和31)年、近鉄四日市駅が現在の位置に移ってからは徐々に人々の流れが近鉄に集まるようになり、現在に至っています。

実際、筆者を含め地元の人たちが海や港を意識する機会はあまりないと感じます。そのため、百貨店のカフェから海や航行中の船を見ると、思いがけない気持ちになるのかもしれません。「四日市って海の街だったよね」と地元の良さを再発見する気分です。また、県内の知人をこのカフェに連れていったとき、「え、こんなところがあるの!」と驚かれた経験もあります。四日市の海、港には工業地帯のイメージがあるためか、のどかな景色を意外に思われたようです。

お店の営業時間は午前10時~午後6時30分。冬場は早く日が沈むため、街や船の明かりを楽しむこともできます。高い場所から四日市の夜景を静かに楽しめるスポットとして穴場かもしれません。

なお、四日市では現在、近鉄四日市駅周辺を絶賛大改造中です。2025(令和7)年12月には「よんまるデッキ」という円形デッキが完成しました。今後、「ニワミチよっかいち」という再編計画に沿って、機能的なだけではなく緑を楽しんだり気兼ねなく散歩したりできる中央通りへと変貌しようとしています。街中にいるとどこをどう工事しているのかわからず混乱するのですが、上から見下ろすと街の変化を一望できます。大きな重機もたくさん入っており、お子さんなどは興味を持っていただけそうです。

▲工事の様子もよく見えます

11階まで昇るだけでもOK

カフェには入らず、景色だけを楽しむ方法もあります。百貨店の南側にあるシースルーエレベーターに乗ることです。エレベーターは地階から11階までをつないでおり、地階をのぞいて全て外を眺めることが可能。時間がない時にはこれに乗るだけでも気分転換になりそうです。

残念ながら、この動画は7階まで……。続きを見たい方はぜひ、四日市にいらっしゃってください。

とろみの付いたドリンクでゆっくりくつろいで

近鉄百貨店四日市店で気になっていたのが、1階シャンデリア広場入り口近くにある自動販売機です。「とろみ付き飲料が選べます」と書いてあります。「飲み込みが難しい方もご一緒に。」――あ、高齢者の方への配慮なんだ!と気づいたときには、正直、びっくりしました。こうした自動販売機を見たことがなかったからです。

この自動販売機は2018(平成30)年に設置されました。きっかけとなったのは、「いいよん!よっかいち」と名付けられた近鉄百貨店四日市店の地域共創活動です。この活動のコンセプトは「さまざまな活動を通して四日市市をはじめ三重県の魅力を発信する場として、ヒト・モノ・コト・トキを結ぶ街のプラットフォームをめざします」というもの。賛同した業者さんから、「こんな自動販売機を置いてみてはどうか?」と提案があり、「ご高齢のお客さまにも安心してご来店いただきたい」と設置に至りました。

▲休憩スペースに置かれた「とろみ付き飲料」の自動販売機
▲説明も丁寧です

この自動販売機ではコーヒーやカフェオレ、緑茶などを買うことができ、とろみの有無を選択します。とろみの濃度を選ぶことも可能です。

実際に、とろみのついた緑茶を買ってみました。見たところ、いつもの飲みものと違って表面がぶつぶつとした印象。飲んでみると、やわらかくのどを落ちていく感じがします。味はふつうの緑茶と全く同じです。

現在の利用数は、1か月に約600杯。多くの方がとろみ付きの飲みものを楽しまれていることがわかります。年齢や健康状態が異なる方が連れ立って百貨店を訪れ、買いものの後に休憩スペースでちょっとした飲みものを楽しむ。例えば、おばあちゃんは少しとろみの付いたコーヒーを、孫には普通の飲みものを…。そんな風景が目に浮かびます。

地域の百貨店として愛される存在に

前述したように、近鉄四日市駅周辺では現在、大規模な工事が行われています。2026(令和8)年には百貨店2階を通って近鉄駅構内に入る通路ができ、6月13日にはその開通式が行われました。これによって、駅周辺はもちろん百貨店内の人の流れがこれまでとは相当変化することも予想されます。一方で、近年、地方の百貨店の閉店・廃業も相次いでおり、そういう意味でも厳しい状況にあることは近鉄百貨店四日市店も例外ではありません。

だからこそ、地域共創活動にいっそう力を入れるとともに、百貨店の魅力を大切にしながら成城石井やタリーズコーヒーなど人気の高いフランチャイズのお店も積極的に店内に展開しています。幅広い世代の方のニーズに応え、店内で買いものが完結する――そんな百貨店を目指しています。

近鉄百貨店四日市店は、筆者が生まれたときから当たり前に存在していた地域の百貨店です。紹介したカフェとエレベーターは街が大きく変貌しようとしている今、その変化を定点観測できる特等席だと感じます。楽しんだり癒されたり、「これはなに?」と発見したり、そんな魅力のあるお店として今後も頑張ってほしいなあと思います。

※今回の取材では、近鉄百貨店四日市店・営業推進部営業推進課の藤澤さま、鈴木さまにご協力をいただきました。心より御礼を申し上げます。
※写真・動画は全て、2026年6月1日筆者撮影

情報

近鉄百貨店四日市店
住所:〒510-8585 三重県四日市市諏訪栄町7-34
電話:(059)353-5151(代表)
HP:https://www.d-kintetsu.co.jp/yokkaichi
営業時間:10:00~18:30
※フロア、店舗ごとに異なります。詳しくは公式HPなどでご確認ください。

サロン ド テ モロゾフ
近鉄百貨店四日市店11階
営業時間:10:00~18:30(オーダーストップは18:00)
席数:49席

加藤道子

加藤道子

ひとり旅と温泉が好きなフリーライター。運転免許がないため、どこへでも公共交通機関を利用して出かけていましたが、加齢のためか左ひざを損傷中…泣。

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