誰が言ったか、沖縄料理は不味いなどという言説を耳にすることがあるが、果たしてそうだろうか。
沖縄居住歴12年半の私がそんなステレオタイプを打破すべく、本土ではお目にかかれない食材や調理法から、うちなー(=沖縄)料理の魅力に迫る。
今回訪れたのは那覇市三原にある居酒屋「糸満屋」。鮮魚店が直営する同店は観光スポットから離れた住宅街に位置し、地元客が足繁く通う人気店だ。泡盛「忠孝」をロックで味わいながら、料理の到着を待つ。
まずやってきたのは「うむくじぷっとぅるー」。うむくじとは芋くず、つまりさつまいもの澱粉の事。余談だが、さつまいもは元は琉球から薩摩に伝わった経緯がある為、さつまいもという単語に抵抗を感じるうちなーんちゅ(沖縄県人)は多い。ぷっとぅるーはとろとろの意。目視で確認できる具はネギだろうか。
何もつけずそのまま頂く。お餅のようなもっっっちりとした食感にテンション爆上がり!程よい塩加減とカツオ出汁が効いた生地に箸が止まらない。お好みでお醤油やウスターソースをかけてもいいが、まずはそのままで味わって欲しい。
そして次にやってきた「なーべーら味噌炒め」。なーべーらとはヘチマの事で、沖縄では長茄子程度の太さになったヘチマを食材として用いるのだが、ヘチマといえば味噌炒めというぐらい鉄板の組み合わせ。逆に、味噌以外の組み合わせは寡聞にして知らない。
へちまを口に運ぶ。その刹那、土の鮮烈な風味が口いっぱいに広がる衝撃!驚き冷めやらぬ内にヘチマのとろけるような舌触りと甘塩っぱい味噌の味が押し寄せる、なんだこれは!そして薄く平たいヘチマの種の食感が楽しいのだ。大豆の風味が濃厚な島豆腐(木綿豆腐より固くずっしりした沖縄豆腐)がいい箸休めになる。
如何だっただろうか。ご覧頂いた方に少しでもうちなー料理の魅力を伝えられたら幸いであるが、ご紹介したのはわずか二品。今後の投稿に是非ご期待いただきたい。