めはり寿司!?いいえ、めーの寿司です!ふるさとの味、私にもできたよ

 ヒロメという海藻をご存じでしょうか。海水温度が高く、ワカメが採れない海域に分布します。ヒトハメ(一葉布)ともいい、筆者の地域ではなまると「めー」と言われます。ヒロメを煮つけてごはんに巻いたおにぎりは、見た目は和歌山県紀南エリアの郷土料理「めはり寿司」にそっくりです。愛情たっぷりのおにぎりはいかがでしょうか。

【写真1】筆者手作りのヒロメのおにぎり

 このヒロメですが、千葉県や九州まで、条件がそろう海域に広く分布します。紀伊半島の田辺市や串本町の海域では、初春の風物詩として地元で消費される大型の海藻です。紀伊半島の紀南エリアの郷土料理である高菜でごはんを巻いた「めはり寿司」が、山の恵みであるのに対して「めーの寿司」は海の恵み。「めはり寿司」が目を見張って口をあけるほど大きいものを食したのが原型ですが、「めーの寿司」も負けません。


 ヒロメは手軽なものでは、しゃぶしゃぶやみそ汁での消費が多いのですが、葉が大きいので、刻まず煮付けてごはんに巻けば、食べやすいおにぎりです。筆者にとっては、懐かしい祖母おばあの手作りの味です。子供のころ、春の行楽といえば磯の貝類を採るため、家族総出で磯遊びに出かけたもので、お昼ご飯は決まって高菜のめはり寿司でした。この「めーの寿司」も時々登場していたなあと、ヒロメを買って手作りしてみたくなったのです。

【写真2】こんな感じでスーパーに並んでいます
【写真3】広げると、まな板がすっぽりかくれる大きさのヒロメ

 幸せな子供時代の記憶とあいまって、ほおばったときのうれしさといえば、言葉では言い表せません。自然の恵みを、家族のいとなみを、愛情を握るおにぎり文化とともにもっと多くのかたに伝えたいです。昨今は、津波対策の護岸工事が進んでいるため、安全に磯遊びのできる場所も限られてきているかもしれませんが、まだまだ地元のおじい、おばあに尋ねれば教えてもらえます。磯遊びのお供に、めはり寿司またはだけではなく、「めーの寿司」を作ってみてはいかがでしょうか。


和歌山県のホームページにも、県産名物としてヒロメが紹介されている他、秘密のケンミンショーなど多数のメディアにても紹介されています。
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/130600/130651/corection/hirome.html

石山信乃

第1期ハツレポーター / 和歌山県串本町

2020年の始めに念願の出生地にUターンしました。何か新しい活動を…と探していたところ、こちらの活動に目がとまりました。数十年ぶりの和歌山の魅力を、持ち前の明るさと感性を働かせて探索したいとの思いからハツレポーターになりました。どうぞよろしくお願いします。