登ってはいけない!?呉市大崎下島の日本最大級ジャングルジムとは?【広島県呉市】

4 min 537 views

子供の頃は誰もが一度は遊んだことがあるジャングルジム。

最近の公園では、健康遊具やスプリング遊具などが増えていて、ジャングルジムはどんどん減っていっているそうですね。

ところでこの「ジャングルジム」というネーミング。
ごく普通に使っていますが、なかなか微妙ではありませんか?

あの鉄の柵のような物を

「まるでジャングルのようではないか!」

と思った人がいるということにまず驚きます。
異を唱える人はいなかったのでしょうか。

A「この鉄を立体の格子状に組んだものは、まるでジャングルみたいやなぁ」

B「ハァ? どこがやねん。
ジャングルって言うたら・・・密林やな?
どこをどう見たら、鉄を組んだこれが密林に見えんねん」

A「そない言うたかて、登るだけやなくて中にまで入っていけるねんで!
まるで密林の中を進んでいくみたいやないけ!」

B「いったい何を言うとるねん・・・。
もうええわ、ほな好きにしなはれ。
アンタの感性にはついていけんわ!」


というようなやりとりがあったかどうかは分かりませんが(絶対にない)、どうやら1920年頃のアメリカで初めてジャングルジムは出来たみたいです。

しかもよっぽどこのネーミングが気に入ったのか、当時は商標登録までされたようですよ。

そんなジャングルジムですが、先日「日本一大きい」という噂のジャングルジムに行ってきたので紹介します。


場所は、広島県呉市の大崎下島(おおさきしもじま)という島の「架橋記念公園」という公園。

架橋記念の名の通り「豊浜大橋」という大崎下島と豊島(とよしま)を結ぶ橋ができたときに記念して作られました。

▲こちらがそのジャングルジム。
その大きさは、なんと高さは13.2メートルで、幅は15.5メートルというから相当デカい。

建設現場の足場感がすごいですが、ジャングルジムです。
 

「日本一!」

というふれこみでしたが、呉市のホームページを見ると

「日本最大級」

という表現でした。
なるほど。

以前からこのジャングルジムのことは知ってはいたのですが、実際に公園まで入って見に行ったことはなかったので、先日サイクリングの途中にこちらに寄ってみました。

ちなみにここは「とびしま海道」といって、サイクリングには最高の場所なのです。

下の道から敷地内に入っていったのですが、近くで見るとまぁデカい。

ただ、大きいのですが、どうやら通常の立方体のものではなく、壁面に半分だけ建てられたような感じでした。

▼こんな感じです。

ちなみに右奥に見えるのが豊浜大橋です。

登ってみたい気はしますが、どうしよう・・・。

他に中年の方々が遊んでいたら「僕もちょっとだけ・・・」とジャングルジムに登ったとは思いますが、さすがに50歳の初老男性(私)が、一人っきりでジャングルジムでキャーキャーはしゃいでいたらヤバいので、泣く泣く諦めました。

・・・が。

せっかくなので上まで行ってみたい。

都合の良いことに壁というか丘に建てられているので、この丘を登っていけば、上まで行けそうです。


 ▼丘を横から回り込んで登っていけば、ここに出れそうです。


ということで、日本最大級のジャングルジムの上(の柵)まで行ってやろうじゃないですか!

Here we go!


ノリノリで丘を登りだしたのですが、先ほどの写真でも分かるように私の行く手には草がボーボーに伸びています。

が、そんなことで私は負けません。

私のジャングルジムの上まで行ってみたい欲を見くびらないでいただきたい。

ガシガシと草むらの斜面を突き進んで遂に上まで到着!

が、喜びも束の間、柵を横から入ると、あろうことか更なる草どもが待ち構えているではありませんか。

▲草だらけ。
 

それでも微かに人が通った形跡があります。
ここまで来た偉大なる先人たちを称えつつ、私も更に進みます。

が、5メートル程進むとついにその形跡もなくなってしまいます。

きっと先人たちも「ムリ」と諦めたのでしょう。

▲ちょっとしたジャングル。

ここでハッと気づきます。

「よもやジャングルジムの「ジャングル」を体現するために草だらけにしてるのではあるまいか!?」
と愕然と立ちすくみます。

私の心もここでポキッと折れて、これ以上進むことを断念。


何が「Here we go!」だよ!

あっさり諦めやがって!

と貴兄も思ったことでしょう。


ただ先輩あのね。

ちょっと言い訳をさせてもらえるならですね。

私はサイクリングの途中だったので、ビンディングシューズといって足裏に金具が付いている、すこぶる歩きづらい靴を履いていたのですよ。

更に草むらを進みながら「もしヘビがいてもこの草じゃ分からない」という恐ろしい想像をしてしまい、どんどんおっかなくなってしまったのです。

とうことで、ヘビに怯えつつ引き返して、ちょうど昼時だったので近くのお好み焼き屋さんでランチ。


「これじゃあ、記事にはできないなぁ」

と思っていたのですが、ランチの帰りに架橋公園の前を通ると、なんと別の登り口らしき階段があるではありませんか。

なんと先ほど私は、正規の道ではない所から登っていたようです。


 ▼ちゃんと階段がありました。


美味しい広島風お好み焼きを食べて、良い気分だったので再度チャレンジすることに。

よもやこんなに早くリベンジの機会が訪れるとは。

▲「これならきっと登りやすい道があるに違いない」
と鼻歌を歌いながらゴキゲンで階段を駆け上がった先には、やっぱり草が。

草め。
 

▲しばし逡巡して悩みましたが、気合を入れて蝶々が舞う中を進んでいきました。
 

そして遂にジャングルジムの丘を登り切りました。

「やったぜ!!」

と快哉を叫びたいところですが、当然ながらジャングルジムをよじ登った訳ではなく、ちょっとした丘を登っただけなので、達成感は全くなく、ただ良い景色が見えるだけという残念な結果に。

▲ジャングルジムの上(の丘)からの景色。
 

▲すぐ横には豊浜大橋が見えます。
が、先ほど私はロードバイクでこの橋を渡ったばかりなので、橋の上からこの丘よりステキな景色を見てきたばかり。

1分程ボーッと景色を見て、すぐに引き返しました。

やれやれ。


ちなみに後から知ったのですが、ジャングルジムは架橋記念公園の一部で、他にはグラウンドやテニスコートなどもある大きな公園だったようです。

公園に入るのも、上に別の道がありジャングルジムにももっと簡単に行けるようです。

なんてこった。


そして後日、衝撃の事実が発覚。

なんと呉市のホームページには、

「遊具としての安全基準を満たしていないため利用禁止」

と掲載されていました。


どうりで、草だらけだった訳ですね。

それでもこれくらいの草で済んでいるのは、時々草刈りをしているのでしょうね。
ご苦労様です。


それにしても登って遊ばなくて良かった。

禁止されているにも関わらず、どうしても我慢できなくてジャングルジムで遊んでしまったクレイジーな50歳として、報道されるところでした。

残念ながらジャングルジムで遊ぶことはできませんが、近くに寄った際は見学に行ってみてください。

あまりに大きいため、良い具合にとても遊ぶ気分はなくなるので、都合も良いです。


参考:呉市(架橋記念公園)https://www.city.kure.lg.jp/soshiki/50/06-kakyou-toyohama.html

   呉市(利用禁止について)https://www.city.kure.lg.jp/soshiki/67/m000248.html

ヒョードーミキヒロ

ヒョードーミキヒロ

愛媛県今治市

第4期ハツレポーター

大阪→東京→愛媛の今治市、しまなみ海道の大島へ移住。現在、地域おこし協力隊をしながら趣味の格闘技の教室を「GRABAKA 今治大島」という名前で開催中。素通りしてしまうには勿体ない、しまなみ海道のいろいろな魅力をお伝えしたいと思ってます!