ものづくりのまちの職人が目指す、サスティナブルな家具づくり【大阪府大東市】

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〜この記事は、株式会社JTBふるさと開発事業部と合同会社イーストタイムズが共同で取り組んでいる「ローカル魅力発掘発信プロジェクト」から生まれたハツレポです〜

 

大阪府の東部大阪地方、奈良県との県境に位置する大東市は、「ものづくりのまち」として製造業が盛んです。家電製品や機械部品のほか、家具、ガラス製品など「職人がつくる」商品も、多数生み出されています。

そんな大東市に、2016年4月、家具や木工製品の設計・製造を行う「創作工房一志家具製作所」が創業しました。代表の市川一志(いちかわ・いっし)さんに事業の概要や今後の展望について伺うと、創作工房一志家具製作所の家具に対するこだわりと熱い想いがありました。

 

「お客さまが何を求めているか」を感じて、家具を製作

創作工房一志家具製作所の家具は全てオーダー品のため、事前の打ち合わせは欠かせません。「大型店などには安くて良い家具はいっぱいありますが、私たちとは立ち位置が違います。私たちの仕事のひとつは、お客さまが何を求めているのかを感じることです」と、市川さんは語ります。

「以前、高級住宅のご婦人からテーブルと椅子の依頼がありました。初めは高級家具をご所望かと思いましたが、実際に会ってお話を聞くと、実はナチュラルテイストな洗練されたデザインの家具をご希望していたことがわかりました。さまざまなお客さまの思いや嗜好などをくみ取った上で、家具のデザインに落とし込んで製作しています」と市川さんが話すように、創作工房一志家具製作所では、まさに「その人に合わせた、世界に一つだけの家具」を、製作しています。

また、最近は、バーカウンターの製作など、店舗からの依頼を受けることも多いとのことです。「店舗の場合、再現が難しい凝ったデザインを希望されることもあるので、実際に製作できるかどうか、話し合いながらなるべくご希望に沿うように、折り合いをつけていきます」。この市川さんの言葉からも、創作工房一志家具製作所が、お客さまとの対話をいかに大事にしているかという姿勢が伺い知れます。

家具は、無駄のない持続可能でサスティナブルな商品を心がけ、材料や塗料は天然の素材を使用しています。家具は手に触れるものなので、身体への優しさを心がけており、天然素材の場合古くなってもリサイクルが可能なため、というのがその理由です。

 

ずっと抱き続けていた、家具職人への憧れ

家具職人のみならず、まちづくりにも精力的に活動している、「創作工房一志家具製作所」代表の市川一志さん。

学生時代から家具の勉強をしていた市川さんは、「ずっと職人になりたかった」と、語ります。しかし、希望通りの就職先が無く、いくつかの職を経て30歳手前で地元である長野から大阪へ。そこで念願の家具製作会社に就職し、10年間勤務した後、独立に至りました。

「将来はどうしても自分で家具職人をやりたかった。そのため目標を持って、計画を立て、働きながら家具の設計やデザイン、そして経営なども学んでいきました」と、市川さん。

そうした市川さんの家具への想いは、独立後の現在でも続きます。「例えばお客さまに、『こういうものを作って欲しい』と言われた時に、それが理解できなければ意思疎通ができません」と話すとおり、ヨーロッパの最新トレンドをチェックしたりなどの見聞を広げ、常に学びを欠かさないようにしているとのことです。

 

子どもの未来、地域の将来を見据えた、持続可能な活動を継続

「創作工房一志家具製作所」のホームページには「chair」、「sofa」などと並んで「kids」というカテゴリーがあり、「上質な家具を幼少期から」との考えから、北欧で有名な家具デザイナー作品をスケールダウンした子ども用のソファを掲載しています。

市川さんは、以前勤めていた家具製作会社で「子どものころからよい物を提供すれば、長く利用され、大人になってまた購入してくれる循環が生まれる」という言葉を聞き、子どもの存在を意識しました。さらに、市川さん自身が実際に父親になり守るべき存在ができたことで「将来のこと、持続可能な社会についてより強く考えるようになりました」と、語ります。

そうした想いもあり、絵本作家や図書館とコラボした「読み聞かせライブペインティング」、キッズものづくり体験イベントの参加など、数多くの子ども用のイベントを実施。さらに、毎月最終水曜の夜に開催されるナイトマーケット「大東ズンチャッチャ夜市」にも積極的に参加して、地域とのつながりも大切にしています。

「今、自分がいる場所への恩返しという意味もあり、自分の周りからいろいろ活動しています。また、地域の子どもに、ものづくりに親しんでもらうことで、地元にもこんなに面白い会社があるということを知ってもらい、地元を好きになってもらえれば」と、市川さん。

創作工房一志家具製作所の将来について、市川さんは「現在はお客さまの要望を聞いて形にする課題解決が中心ですが、問題提起をしつつ、市場に乗せて販売できるように、自社ブランドを確立したい」と語り、目を輝かせました。

そんな「創作工房一志家具製作所」が出品している、ふるさと納税返礼品のカットボード。

市川さんは商品への想いを、こう熱く語ります。

「素材は3大銘木と呼ばれるチーク材で、エコの観点から端材を使っています。天然木で使い込むほどにキズなどがついて味わいが出てきます。末長く愛用できる商品ですので、ぜひ使い込んでください」。

森川淳元

森川淳元

秋田県秋田市

編集部編集記者

第1期ハツレポーター
秋田県北秋田市出身です。少しばかり出版や取材などに関わったことがあり参加させていただきました。レポーターになり、改めて秋田ならではの面白いところを深掘りできたらと思います。