4月27日。秋田県大仙市の農家に若者たちが集まっていた。真剣な表情で作業の説明を聞き、慣れない手つきで作業を行っている。若者たちは、秋田大学教育文化学部の女子学生4名だ。彼女らの多くは、農作業の経験がほとんどない。
指導する人も専業農家というわけではない。指導するのは日本酒をつくる秋田清酒株式会社の蔵人(くらびと)である。蔵人とは、日本酒づくりの職人である。そう、日本酒をつくる蔵人が大学生に米作りを教えているのだ。
この米は普通に炊いて食べる米ではなく、酒米だ。
大学生たちは市と協力して稲の種蒔きから酒づくり、販売までを行うプロジェクトを進めている。種まきから収穫、酒造りから販売まで、慣れない中悪戦苦闘する姿を密着取材した。
今年度のプロジェクト開始には、秋田大学教育文化学部地域文化学科の益満研究室4年の女子学生4名が参加した。
この日は稲の種を蒔く作業を行った。といっても種は機械が蒔き、学生はその機械に種や土を補充し、軽トラックの荷台に蒔いた種を積み上げていく。
多くの大人たちが見守る中、作業は進められ、荷台はいっぱいになった。その後は育苗器に種を移動させる。この育苗器に入れることで発芽を促進させるのだ。
この日の作業はこれで終了した。