古地図のコレクションが仙台市歴史民俗資料館に大集結!【宮城県仙台市】

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榴岡公園敷地内に今も残る旧軍舎が目印。ここの入口を過ぎれば古地図のコレクションが存在する

仙台市宮城野区にある榴岡公園(つつじがおかこうえん)の広大な敷地内には今も残る歴史のある旧軍舎の建物が存在する。そこに入れば古地図がお目見え。

「古地図で学ぶ仙台のまちの歴史」を後世に伝えようと、仙台市歴史民俗資料館では古地図をミュージアムグッズにする取り組みを進めている。古地図のなかには、年ごとの変化のみならず、当時の番地、職業、お店など緻密に描かれているものも存在する。

かつての仙台のまちを知るだけではなく、地図を見た人の先祖を知る目的として鑑賞する人も多く、幅広い関心を寄せる。

なぜ、古地図がミュージアムグッズに⁉

仙台市歴史民俗資料館に集結する古地図。その「古地図で学ぶ仙台のまちの歴史」を後世に伝えるこの取り組みは、2008年に開催された古地図の企画展が始まりだ。当初は1933年版の古地図の展示から始まった。

学芸員で学芸室長の畑井洋樹(はたい・ひろき(50)・仙台市青葉区)さんは、「古地図で仙台の魅力を伝える取り組みは、『古地図を間近に見て楽しみたい!』というお客様が多く、その要望に応じて古地図を販売し始めたことがきっかけです」と話す。そして、一般の方々の古地図の発見による寄贈で、次第に年別毎に古地図が集まり、コレクションとなるまでに成り立ったのだ。

 

古地図を開けば、年別の仙台のまちの変化が一目瞭然だ。

筆者は、仙台市歴史民俗資料館なのにコレクション化していた古地図がミュージアムグッズとして取り扱われていたことに驚きを感じた。

年別毎に古地図がミュージアムグッズとして販売

なぜ、値段は全て均一価格⁉

仙台市歴史民俗資料館が取り扱う古地図は12種類。そのうち、仙台市制が施行された1889年版は200円で、他の11種類は500円均一だ。紙面の事情、並びに低コストで買い求めやすいように定めた価格である。

古地図を通して仙台のまちの歴史を知る

コレクションのメインは、明治・大正・昭和の古地図だ。最古の古地図は1681~83年頃の城下町時代に遡る。そして、平成を飛び越え、令和の今に至る。

年別にじっくりと古地図を見れば、当時の番地、職業、お店など緻密に描かれている。1926年と1941年の古地図を見ると第二次世界大戦の開戦を機に軍舎が消えていたことが判明し、違いが見えてくる。

さらに古地図は、かつての仙台の規模を知るだけにとどまらず自分の先祖を知る目的にも一役買っていると畑井さんは言う。様々な目的や老若男女楽しめるからこそ、古地図がここまで人気になったと思っていることに間違いない。

畑井さんは古地図の内容を詳しく解説してくださった。
2008年の企画展にて最初に展示された1933年版と最古の1681〜83年版の古地図が入り口付近で今も大きく展示されている。
2008年の企画展にて最初に展示された1933年版の古地図(サンプル)

古地図コレクション化の取り組みはまだまだ続く

現時点では12種類ある「古地図のコレクションを更に増やしていきたい」と畑井さんは意気込む。現在の仙台は、いくつかの地域が合併して仙台市に編入したことから所有する古地図の大半が、仙台市中心部に偏ってしまうからだ。

かつて仙台市外だった泉、愛子(あやし)、秋保(あきう)、六郷(ろくごう)、七郷(しちごう)などの郊外の地域などの古地図も将来的には取り入れたいということだった。

学芸室長・畑井さんからのメッセージ

「現時点で最新の1952年版金港堂(きんこうどう)版は金港堂本店で取り扱いがあるのを除き、店頭での販売は一切せずに資料館やインターネットを介した販売を続けたい。古地図を通して、かつての仙台のまちの歴史や暮らしぶりに関心をもっていただき、古地図の人気ぶりを更に高めて仙台のまちの歴史を知るきっかけになればと願う」

畑井さんはそう語った。

古地図の意気込みを語る畑井さん。

情報

【仙台市歴史民俗資料館】

仙台市歴史民俗資料館へのアクセス

場所は榴岡公園敷地内(ほぼ北東側)にあります。

仙石線榴ヶ岡駅から徒歩10分。

バス停「原町一丁目」から徒歩5分。仙台駅から小鶴新田駅方面、または、原町経由(鶴ケ谷、高砂、蒲生、新田、岩切、東仙台、仙台港フェリーターミナル方面)で約10分。仙台駅18,50,51番のりばから乗車。

開館時間 9時~16時45分(入館は16時15分まで)

入館料 一般240円(団体 190円) 高校生180円(団体 140円) 小・中学生120円(団体 90円)

渡邉貴裕

渡邉貴裕

宮城県仙台市

第3期ハツレポーター

宮城県生まれ。現在も宮城県仙台市に住んでいる根っからの宮城県民です。趣味は旅行と読書ですが、最近では仙台の街が好きでまち歩きも楽しんでいます。主に仙台を中心とした魅力を発信します。時には市外となる場合もありますので、何卒よろしくお願いします。

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