讃岐国総社にて古の時代から引き継がれる儀式、大祓の日に現れる不思議な「輪」

 

2021年(令和3年)6月30日、筆者の地元、香川県坂出市にある総社神社(そうじゃじんじゃ)にて、毎年恒例の「夏越の祓(なごしのはらえ)」が行われました。

総社神社は、瀬戸中央自動車道の坂出北インターを降りて、さぬき浜街道(県道186号)を東に約6㎞、「坂出市林田町」の信号を北へ200mほどのところにあります。

第36代宮司である富家英里奈(とみいえ・えりな)さん(46)にお聞きしたところ、現在の場所に天平年間に讃岐国総社として創建されたそうです。

「夏越の祓」とは、看板にあるように「みな月のなごしのはらえする人は千年(ちとせ)の命のぶというなり」と唱えながら「茅の輪(ちのわ)」をくぐり、災厄を払い無病息災を願う行事です。

茅(かや)で作られた「茅の輪」をくぐるのですが、筆者は作法も分からず、丸い輪っかにできている茅の輪を、いつも「綺麗だな」と感心して見ているだけでした。

そんな「夏越の祓」に、今年初めて行ってきました。

 

 

くぐり方はいたって簡単で、

1. 境内に向かって茅の輪の正面に立ち、輪をくぐり、左に回る。

2. 再び正面に立ち、輪をくぐり、右に回る。

3. 更に正面に立ち、輪をくぐり、左に回る。

4. 最後にもう一度、正面より輪をくぐり、参拝に至り「二拝二拍手一拝」にてお参りする。

 

以上の手順でお参りします。ちゃんと看板に書いてくれているので、筆者のような初心者でも安心です。

富家さんは「創建以来『夏越の祓』は行われていたが、それはあくまでも神社の神事の一つであり、現在のようなイベントの形になったのは少し前」とお話されました。

例年、宮総代を含む30名程度と地元の方が神事に参加されて、後は地元の方々が訪れるようです。

 

  

実は以前から「茅の輪」の存在は知っていましたが、なぜキチンと丸く出来るのか不思議でした。富家さんから「実は芯があって半円のビニールパイプを二つ繋いで茅を束ねて巻いているんです」とお聞きして、積年の疑問が解けました。行事に合わせて少し早めに作るので、当日に茶色く変色している葉は差し替えたり、上から新しい葉を重ねて綺麗にするそうです。

ちなみに、使用している茅ですが、近くの神谷川(かんだにがわ)に自生しているものを使っているのだとお聞きしました。しかし、自然繁殖なのでいつまで収獲して使えるのか、神のみぞ知るところですね。

現在は、いつも境内のしめ縄などを制作して頂いている方と、数名で「茅の輪」を制作しているらしいのですが、ここでも後継者問題は深刻なようです。

若者をはじめとする地元民が神社を訪れる機会が少なくなっている中、伝統的な習慣をどう残していくか、発信していくか、考える時ではないかと思います。

素敵な風習は残していきたいものですね。

丸形雄三

香川県坂出市/第3期ハツレポーター

子どもたちの世話も終わり、ときどき孫の面倒を見ながら自営業を営んでいます。
趣味は太鼓台、パソコンいじりとYouTube鑑賞。本当はギターも弾きたいのですが、なかなか時間がなくて埃をかぶっています。香川県は災害も少なく穏やかな地域です。全国的に有名なのは讃岐うどんなんですが、まだまだ感動の発見もあります。
ローカルやなと言われる話題をこれからもお届けします。