古くなったこいのぼりでエコバッグ作り!〜未来へと、人をつなげるリサイクルの輪

【写真1】

 

ゴールデンウィークを前に街ゆく人の足どりが軽やかになる4月の終わり、川面を何百ものこいのぼりが泳ぐ。
青い空にひらひらと舞う色とりどりのこいのぼりを初めて見た時にはドキドキして、懐かしいような、甘酸っぱい気持ちになりました。
それから何年か経って、そのこいのぼりを泳がせている「境川にこいのぼりを泳がせる会」を知ったのは、私の友人がその会の会長を引き受けることになったからです。

千葉県浦安市にあるこの会は、日本の伝統文化である「こいのぼり」を後世に継承すること、またその活動を通じて子供たちが豊かに育つ地域作りを目指して、1994年に活動を開始し、毎年市内を流れる境川にこいのぼりを揚げています。
昨年は残念ながら新型コロナウイルスの影響で中止となりましたが、「webこいのぼりを泳がせよう!」と銘打ち、市民から寄せられたこいのぼりの写真をホームページに掲載。
今年は例年5月5日に行われている公園でのイベントは中止となったものの、ボランティアのみなさんの力で、川に300匹のこいのぼりが戻ってきました。

 

【写真2:川面を泳ぐこいのぼり(「境川にこいのぼりを泳がせる会」提供)】

 

そして7月、私の友人でもある「泳がせる会」会長の設楽友香(したら ゆか)さんがフェイスブックに投稿した「古いこいのぼりを使って、エコバッグを作りませんか?」という記事を見て、ぜひにと取材に伺いました。

8月18日、浦安市の複合福祉施設「東野パティオ」の中にある浦安市発達障がい者等地域活動支援センター「Mitte(ミッテ)」でこいのぼりの裁断作業が行われました。
今回は、コロナ禍ということもあり、まずはできるところから始めていこうということで、ここミッテさんとのコラボでスタート。
「泳がせる会」はすべてボランティアで運営されていますが、今年5月にこいのぼりを揚げる際、ミッテのスタッフや利用者のみなさんが事前の準備から当日まで活動に参加されたことから、心強いパートナーとして、エコバッグ作りをお願いすることになったそうです。
「ミッテ利用者さんの社会活動と泳がせる会のボランティア活動、お互いメリットがあるんです」と設楽さん。

 

【写真3:広げられた大きなこいのぼり】

 

まずはこいのぼりを広げ、そこに型紙を置いていきます。
型紙を置く時には、うろこを生かすようにお願いします、と説明を受け、ミッテのスタッフと利用者のみなさんの作業開始。
場所が決まったら、型紙をまち針で止めて、2枚一緒に切っていきます。

 

【写真4】

 

エコバッグ作りをしようと思ったきっかけを設楽さんに伺いました。
「もともと、市民のみなさんからご自宅で不要になったこいのぼりをご寄付頂いて揚げていたのですが、去年は残念ながらコロナで揚げられず。それで、秋に倉庫に備品整理に行ったら、大切に保管してはいるのですが、中には傷んだこいのぼりもありました。
また、以前は東京電力の支柱を使わせて頂いて、ものすごく大きいこいのぼりも揚げていたんです。ところが東日本大震災の影響もあってその支柱がなくなり、護岸が整備されて、高さの関係で大きいものは揚げられなくなってしまいました。そんなこいのぼりたちを捨てるのはもったいないと考えたところ、エコバッグを作るのはどうかとアイディアが出て、ためしにメンバーが作ってみたら、すごく良かった。こいのぼりは生地も強いし、洗えるし、エコバッグにぴったりだったんです。それにエコバッグは製作工程が少なく、簡単に作れるのが良いところです」

確かに、型紙の形も直線が多く、切る時も気を使わず、「だいたい」で切ってもオーケー。子どもや、裁縫が苦手な大人でも気軽に参加できそうです。

 

【写真5】

 

そうこうしているうちに、どんどん生地がエコバッグの形になっていきます。
みなさん工夫して型紙を置いているので、面白い柄のものがたくさんあります。

 

【写真6 しっぽの柄を生かした一枚】

 

「自分のうちで作業していると、こいのぼりを全部広げるスペースもないし、模様がワンパターンになるけれど、こうやって広げて大勢でやると、その人の個性やセンスが出て、思いもよらないデザインのものができて面白いですね」と泳ぐ会のメンバーさん。
参加しているミッテのみなさんも、とても楽しそうで、あっという間に作業は終了してしまいました。

今回は切るところまでで、次回は「縫う」作業に挑戦するそうです。

まだ始まったばかりの「エコバッグ作り」。
今後は、やりながらやり方を模索し、形にしていきたいと設楽さんは話します。

「ゆくゆくは作ったエコバッグを売って、それをまたこの活動に還元していきたいです。でも、それ以上に、ミッテの利用者さんの活動意欲を上げる手助けになったり、私たち自身が地域とつながりながら活動できていることをうれしく思います。
エコバッグの販売も、収益を上げるだけでなく、地域との交流の場にしたいですね。
エコバッグというツールで、人と人とがゆるやかにつながることを大切にしたいと思います」

 

【写真7 個性あふれるエコバッグ】

 

都会では集合住宅が増え、自分のうちでこいのぼりを揚げられる家庭も少なくなっています。
そんな中、揚げられなくなったこいのぼりを集めて川に泳がせ、そして最後はエコバッグとして使う。
こいのぼりもここまで大事にされたらうれしいだろうなあ。
ぜひ、未来へと繋がる活動にしていってほしいです。


「境川にこいのぼりを泳がせる会」
https://irifuneoyaji.wixsite.com/sakaigawa-koinobori

笠原 磨里子

千葉県浦安市/第3期ハツレポーター

東京都港区生まれ。世田谷区を経て千葉県浦安市在住。3人の男の子を育てながら、PTAや自治会、ボーイスカウトの指導者など、地域と繋がる活動をしてきました。
「食べること」「体を動かすこと」「歌うこと」「旅すること」が大好き♬
楽しく地元の魅力を発信していければと思っています!*